『レディエント・バーミン Radiant Vermin』

2026年6月、シアタートラムにて『レディエント・バーミン Radiant Vermin』を上演いたします。
演出家・白井晃にとってリドリーは最も創作意欲を刺激される劇作家だと言っても過言ではありません。フィリップ・リドリー作×白井晃演出による上演は、『ピッチフォーク・ディズニー』（02年）、『宇宙でいちばん速い時計』（03年）、『ガラスの葉』（10年）、『マーキュリー・ファー　Mercury Fur』（15、22年）、『レディエント・バーミン Radiant Vermin』（16年）『メルセデス・アイス MERCEDES ICE』（23年）と6作品にのぼります。いずれも斬新な劇場空間と衝撃的な演出により高い評価を受け、話題を集めてきました。

フィリップ・リドリー作『レディエント・バーミン Radiant Vermin』は、2015年にイギリスで初演、日本では白井により2016年に初演されました。理想の家を探す若い夫婦オリーとジルを高橋一生と吉高由里子、二人の前に現れる謎めいた不動産仲介人ミス・ディーをキムラ緑子が演じ、濃密な空間で繰り広げられる先鋭的なリドリー作品は大きな話題を呼びました。
今回の再演は、海外の先端戯曲を改めて紹介するとともに、初演で得られた優れた成果をもとにさらに刺激的な創作と発信を目指します。

芸術監督である白井晃が2025年度に世田谷パブリックシアターの主催公演において掲げたテーマは『わたしは、この世界にどう生きるか。』、「変化と対峙し、見つめ、しっかりと耳を傾けることで、『わたし』の生き方を見つけたいと思うのです。」と語る白井が2026年度の上演作品に選んだ本作にも、現代社会への鋭い視線が描かれています。

自分たちの“理想の家”を探し求める若夫婦、オリーとジル。今作で、大きな秘密を抱えた「家」に翻弄される妻のジルを演じるのは清原果耶。夫のオリーには井之脇海。そんな2人の前に突然現れる謎めいた不動産仲介人ミス・ディーを池津祥子が演じます。

期待が膨らむ刺激的な顔合わせで贈る、不思議でブラックなコメディー。どうぞご期待ください。