世田谷アートタウン2023関連企画
フランス×日本 現代サーカス交流プロジェクト

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フィアース5

フィアース5
フィアース5
フィアース5
撮影:片岡陽太

フランスの現代サーカス界を牽引する演出家ラファエル・ボワテルと日本のサーカスアーティストによる共同制作『フィアース5』(2021年初演)を、今回は台湾からも新たなメンバーを迎えてリクリエイション!
「七転び八起き」をテーマに、サーカスの世界に生きる若いアーティストたちの等身大の姿を描きます。

公演日程 2023/10/27(金)~ 2023/10/29(日)
会場 世田谷パブリックシアター
上演時間 約1時間15分(休憩なし)
ロビー開場:開演の60分前
客席開場:開演の30分前
料金 一般:
おとな 4,500円 高校生以下(4歳~高校生) 2,250円
発売日 一般:
2023/08/27(日)~
お問合せ 世田谷パブリックシアターチケットセンター
03-5432-1515
営業時間:10:00~19:00(年末年始を除く)
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開幕コメント

ラファエル・ボワテル(構成・演出)

舞台写真はこちら

 

フランスやヨーロッパで長い間上演し、成功をおさめてきたカンパニー・ルーブリエの代表作『フィアース5』(原題:5es HURLANTS)が、本日、世田谷パブリックシアターで、6人の日本拠点のアーティストと1人の台湾人アーティストによる新バージョンで再演されます。
この作品の中では、アーティストの才能、個性、妙技が惜しみなく発揮され、連帯感、自分を超える力、忍耐力、そして私たちの中にまだ埋もれている内なる強さなど、私にとって大切な価値観が表現されています。

愉快で、エモーショナルで、スペクタクル感あふれる『フィアース5』は、サーカスへのオマージュであり、人生へのオマージュ、人生における矛盾や人生という旅路へのオマージュでもあります。
しかし何よりも、この作品は人間への敬意であり、不可能を可能にする人類の驚くべき能力に対しての敬意でもあるのです。

日本は私が心から愛する国であり、私の芸術的キャリアにおいて多くのインスピレーションを与えてくれる国でもあります。
世田谷パブリックシアターにご来場の皆様と、またこの特別な瞬間を共有できることをとても嬉しく思っています!

『フィアース5』稽古場レポート1

世田谷アートタウン関連企画 フランス×日本 現代サーカス交流プロジェクト『フィアース5』

何やら長いタイトルだが、東京・三軒茶屋の秋の風物詩となっている「世田谷アートタウン『三茶de大道芸』」という大道芸フェスティバルの関連企画として毎年サーカス公演が行われていて、今年は日仏の国際共同制作からうまれた『フィアース5』が上演される。

「サーカス」と言っても、いわゆる大きなテントに像やクラウンが登場する伝統的なものではなく、サーカスのテクニックを用いながら、ダンスや演劇などを織り交ぜて創作される「アートなサーカス」である。
明確なストーリーや台詞はないが、サーカスの世界に生きる若いアーティスト達が、失敗を繰り返しながらも成長し、最後には舞台に立つまでを描いた、いわゆる「バックステージもの」であることが明かされている。

そんな『フィアース5』のメインキャスト5名が揃うリハーサル初日の稽古場に潜入した。

 

出演者は全員で7名だが、役割に合わせて段階的に合流することになっており、本作は2021年に初演されているが、メインキャストから2名が入れ替わっている。
(初演についての詳細は、世田谷パブリックシアターのHPをご覧ください)

 

この日に集合したキャストとそれぞれの役割は以下の通り。

アクロバット・ダンス=浅沼圭
エアリアル・リング=長谷川愛実
エアリアル・ストラップ=アンブローズ・フー(胡嘉豪)
ジャグリング=目黒陽介
タイトロープ=吉川健斗
また、この日は不在のセカンダリーキャスト(スタッフ役)は、山本浩伸と安本亜佐美が務める。

長谷川、目黒、吉川が初演から続投。浅沼とフーが新メンバーとなる。
コンテンポラリー・ダンサーとして知られる浅沼だが、長谷川やリハーサル・アシスタントの吉田と共演経験があり、初日からチームにも打ち解けている。
また、唯一台湾からの参加となったエアリアルアーティストのフーは、不安よりも一緒にサーカスを創る仲間がいることの喜びの方が大きそうな様子だ。
初演の過酷さを知る長谷川、目黒、吉川は、更に1週間前から稽古場に来て調整を行っていたらしく、稽古場内は既に準備万端の状態だ。

リハーサル初日と言っても、構成・演出のラファエル・ボワテルと技術監督のトリスタン・ボドワンは、2018年に世田谷パブリックシアターでも上演した『When Angels Fall/地上の天使たち』のリヨン公演のため、まだフランスにいる。そのため、リハーサル・アシスタントの吉田亜希が事前にボワテルと打合せを行い、1~2週目のリハーサルメニューを作成・進行していく。
まずは振付や段取りの確認、新メンバーへの引継ぎなどを中心に行い、数日おきにボワテルにリハーサル映像を送り、フィードバックをもらいながら進めていく。

この日はメインキャスト5名が揃う初日ということで、ウォームアップも兼ねて吉田によるワークショップから始まった。簡単なゲームを通してお互いのキャラクターを知り、信頼関係を構築していく。

身体と心が温まったところで、リハーサル開始。
初日は、細かい振付や段取りが多い2シーンが行われた。
5人(+本来はセカンダリーキャストの2名も)で行う複雑な動きを、初演の映像を観ながら一つ一つ確認していく。
とはいえ、新メンバーも含め各自が、合流前に自主稽古を行ってきており、進行は非常にスムーズだ。
大まかな動きを全員が把握したうえで、映像で確認できない細かい動きや、その動きが発生する理由などを初演からの続投メンバーが説明して補っていく。

道具の転換も全て演技中にキャストの手によって行われ、シーンによっては動線や順番を間違えると大事故になりかねないため、映像で確認→声を掛け合いながらゆっくり動く→音楽に合わせて動く、という作業を不安がなくなるまで繰り返す。
腑に落ちないところがあれば、話し合いをして動きを変えることもあるらしい。
個々の超人的な動きばかりに目を奪われがちだが、あちらこちらから「頭がパンクする」という声が聞こえてくるとおり、これはなかなか頭をつかう作業も多そうだ。
実際にはセカンダリーキャストが動かす器具や小道具、照明などもあるため、手が足りないところは舞台監督や吉田がカバーする。

リハーサル終了後には、フランスにいるボワテル、セカンダリーキャストの山本、安本とZoomを繋ぎ、顔合わせおよび打ち合わせを行った。

ボワテルからは、
・作品のテーマは「粘り強さ」であり、
失敗しても根気よく続けることで成功にたどり着く姿を描いていること。
また、それは、日本のことわざ「七転び八起き」からきていること。
・自分が合流するまでに、振付と全体の流れを全員が覚えること。
そのうえで、ボワテルが合流したあとに演出をつけていくこと。
しかし、なぜ、その動きが発生するのか、各自シチュエーションを想像しながら取り組むこと。
・自身が持つテクニックに合わせて、振付を変化させても良いこと。
・伝統的なサーカスをオマージュした現代サーカス作品であり、
作品の最後に着るサーカスの衣裳は、
女性初のクラウン、アニー・フラテリーニから譲り受けた大切なものであること。
などが熱い口調で伝えられた。

ボワテルは「早く日本に行きたい」と何度も口にしていたが、今や、2024年のパリ五輪・パラリンピックに向けた大規模文化プログラム「カルチュラル・オリンピアード(Cultural Olympiad)」をも任されるようになった彼女の忙しさが、それを許さなかった。
とは言え、ボワテルが来日したあとは、2週間みっちり劇場の舞台を使って稽古をするという。
今日のリハーサルを1日覗いただけでも初演からの成長や変化が見て取れるこの作品が、本番までの1か月でどれだけ進化するのか楽しみだ。

『フィアース5』稽古場レポート2

10月16日。『フィアース5』日本チームの元へ、構成・演出のラファエル・ボワテルと技術監督のトリスタン・ボドワンが合流した。フランスからの来訪であるが、初演時(’21.10)のような隔離期間はなく、10月18日からは早速小屋入り。出演者全員での場当たり稽古が始まった。

この日に集合したキャストとそれぞれの役割は以下の通り。

アクロバット・ダンス=浅沼圭
エアリアル・リング=長谷川愛実
エアリアル・ストラップ=アンブローズ・フー(胡嘉豪)
ジャグリング=目黒陽介
タイトロープ=吉川健斗

セカンダリーキャスト(スタッフ役)は、山本浩伸と安本亜佐美が務める。

稽古場と実際の舞台とでは勝手が異なるため、まずは暗転時の動線や道具の配置、それぞれの立ち位置など、入念に、丁寧に確認していく。

稽古中は、日本語とフランス語、英語、中国語が飛び交う。ラファエルはアーティストのことを「愛実さん」「健斗さん」等と敬称をつけて呼び、時に「お願いします」「素晴らしい」と日本語を交えて話す。キャストの方も、ラファエル達と英語でコミュニケーションを取ることもあるが、演出や細かい動きなど繊細なニュアンスを共有するには通訳の存在が欠かせないようだ。この日は偶然、前回出演キャストである杉本峻の姿があった。いつもの通訳担当が不在だったため、急遽助っ人として登場したとのこと。彼の参加は、通訳としての役割を超え、チームにとって心強い存在だっただろう。

キャストたちは待機時間中も舞台上で踊り出したり、倒立を始めたり、ボールを触っていたり、とにかく動き続けている。互いにストレッチを手伝ったり、マッサージをしたりすることもあった。無言のまま身体の動きや表情で笑わせあう様子も見られる。緊張感はあれどピリついた空気は一切なく、今日までに築き上げられた信頼関係と仲の良さは片鱗がうかがえる。

 

 

影絵で遊び出した5人に、何も言わずに安本が加わった。

 

初演時に評価の高かった照明使いは健在。
2021年公演写真 撮影:片岡陽太

 

それにしても、本当にずっと動いている。これは焦りからくるものではなく、きっと彼らにとってはそうしていることが自然なのだろう。全員、根っからサーカス界の住人だ。本作はいわゆる「バックステージもの」であり、登場人物にはそれぞれキャラクターが感じられるものの、決まった役名も存在しない。髪型なんかも特に指定はないそうだ。稽古中の彼らを見ていると、彼らの延長にはそれぞれの登場人物がいて、登場人物の延長にはそれぞれ彼らがいるように感じられた。まるで人生の一部が切り取られ、生き様を目撃しているかに思えてくる。

 


倒立を始める吉川・フー

 

ラファエルの「相手を見ないで。もっと自分の内面に目を向けて」という言葉は印象的だった。それは序盤、浅沼が吉川へ向けて手を伸ばすシーンだ。「最初は吉川を認識しているが、徐々に個々の内面へ(自らの課題へ)意識が向いていく。演技についてはこれから詰めていくが、今後もそれは変わらないので覚えておいてほしい」出演者は作品を通して「役と向き合う」ようでいて、実際は「自分自身と向き合うこと」を求められているようだ。

とはいえ、演劇要素や情緒的なシーンばかりの作品では決してない。これは「現代サーカス」作品であり、出演者は多方面で活躍する現役のサーカスアーティスト達だ。普通のサーカスであればドラムロールのあと盛大に繰り出されるような大技が、さも当たり前のように次々と展開される。稽古中はラファエルからメンバーへ、しきりに「安全第一で」「気をつけて」という言葉がかけられていた。優れたテクニックのメンバーが集められているとはいえ、サーカスである以上常に危険とは隣り合わせだ。適宜きちんと取られるブレイクも、安全への配慮の一環だろう。この最重要事項である「安全」を基盤にして、演技や演出が積み上げられていく。

 

キャストたちは、自身の持ち技だけでなく、舞台上でのさまざまな役割を担う。照明を動かし、椅子を並べ、タイトロープをセットし、エアリアルリングを片付け…開演前から終演まで一度も幕が降りることはなく、かつキャストたちは全員ほぼほぼ出突っ張りである。この日は場当たりがメインなので細かい演技指導等は行われなかったものの、既にかなり複雑なことをやっているように見えた。たとえば、メインキャスト5名が椅子に座り至近距離で複雑に絡み合うシーンは、おそらく小屋入り前の時点で既にかなり稽古を積んだのであろう。詰まることなく非常にスムーズで、感嘆してしまう。


初演時に印象に残った観客も多いであろうこのシーン。すでに息がぴったりだ

流石はオーディションやオファーで集められた精鋭たちだ。この難題たちをこなせるアーティストはそう多くないのではなかろうか…。

この『フィアース5』の見せ場であり、かつ最も危険とも言える演目のひとつが、終盤の「スパイダー」だ。ダンサーである浅沼にハーネスが付けられ、そこから伸びる5本のロープの先には、長谷川、フー、目黒、吉川、安本が構える。5名がロープを手繰り、体重をかけることで中心の浅沼の身体は舞台上を引きずられ、宙吊りになる。タイミングの僅かなズレやケアレスミスが事故につながりかねないため、まずは無音のまま、声を掛け合い慎重に動きを確認していく。尻をついた状態で後ろ向きに引っ張られていく浅沼から「おお、なるほど」という声が漏れた。非常に大掛かりな装置であるため、小屋入り前は稽古場でシミュレーションを行っていたそうだが、ここから実際に装置を扱いながら磨き上げられていく。初演時には涙する観客も見られたこのシーンはどのように進化していくのか。既に抜群のチームワークを見せる7名である。期待に胸が膨らむ。

キャストらはこの公演に向けて各自でトレーニングを積み、10月3日から稽古を開始している。ラファエルの合流する10月16日まではとにかく振り付けを身体に入れる作業を行っていた。本日の場当たりを経て、引き続き舞台上で演出をつけたり、演技や動作の動機、パッションについてより深めるフェーズに入っていく。今回はメンバーの身体に振りが入った状態で演出をしていくため、前回よりさらに高度なクリエーションが行われていくだろう。2年間欠かさず鍛錬を積んできた続投メンバーの技術は向上しており、さらに新メンバーが加わる新要素もある。是非とも世田谷パプリックシアターにて目撃してほしい。

『フィアース5』稽古場レポート3

10月22日。先日の場当たりに引き続き、再び『フィアース5』の舞台稽古へ潜入した。この日はウォーミングアップから始まり、「スパイダー」、タルクのシーン、ジャグリング、エアリアル・ストラップのシーンを詰めていく。また、同日は世田谷パブリックシアターのある三軒茶屋の周辺一帯にて『三茶de大道芸」が開催されており、15時からの約1時間は公開リハーサルとして一般の方々を客席に招いていた。

劇場の扉を開けると、舞台上でキャストたちが輪になっていた。よく見ると、その中にはラファエルや通訳、舞台監督の姿もあった。全員参加のウォーミングアップだ。

拍子感のないゆったりとした音楽が流れている。「音楽を聴いて」「呼吸も忘れないで」ラファエルの言葉に導かれながら、首から腰、肩を回し、左右に揺られてみたり、床に手をついてみたり、各々が身体全体を使って自由に動く。音楽がリズミカルなものに変わった。曲のテンポが上がり、あわせて身体の動きは激しく、エクササイズのように。再び音楽が落ち着いたものになると、また各々の身体はふよふよと漂い揺れる。ヒーリングや瞑想に近い印象を受けた。

今度は、リーダーの動きを真似て動くワークが始まった。リーダーは順々に交代していくのだが、それぞれに個性があって面白い。左右に跳ねたり、足を振り上げたり、盆踊りのように進んだり…終わるころには全員の息が切れていた。基本的に毎日こうしたウォーミングアップを行うそうだ。日によって内容は異なるが、お互いの身体と心を繋げるようなワークをするのだという。前回の場当たりで感じた信頼関係や仲の良さは、このような場面でも育まれているのだろう。

 

〈リーダーがコミカルな動きをするたびに笑いが溢れていた。とても楽しそうだった〉

 

ひと呼吸置いて、「スパイダー」の稽古が始まった。浅沼の腰にハーネスが装着され、まずは音楽をかけずに声を掛け合いながら動きを確認していく。まさに命懸けだ。演出のラファエル、技術監督のトリスタンからキャストたちへ、動作のスピードや緩急、立ち位置、姿勢、間、視線の送り方、ニュアンス、その瞬間に何を考えてほしいのか…細かく指示が与えられる。とはいえトップダウンのクリエーションではなく、キャストたちも積極的に意見を交わし意欲的に取り組んでいる。身体的なテクニックだけでも相当なものなのに、記憶力や対応力、チームワークなど様々な能力が求められる。初演時に強烈なインパクトを与えたこのシーンだが、創作過程を見ていても、「何故こんなことが出来るのか…」と心底不思議だ。本当に凄いメンバーが集まっている。

続いて、タルク(白いパウダー)のシーンの稽古が始まる。ここで、公開リハーサルの開始時間となった。これを読んでいる方の中には、実際に目撃した方もいるだろう。スパイダーと同様、『フィアース5』における印象的なシーンのひとつだ。舞台上に撒かれた白い粉の上、照明に照らされたキャストたちが踊り、滑り、躍動する。

作品上では前面には出てこない前提条件や意図などを共有し、ラファエルとトリスタンで実演して見せてから、キャストたちが演じてゆく。公開リハーサルに参加した方からは「ラファエルの演出が入る前と後で全く変わる。その様を見られてよかった」との声を聞いた。

 

そのまま、目黒と浅沼のハンズデュエット、浅沼のソロタルク、5名でのグループタルク、エアリアル・ストラップのシーンへと進んでいく。

リハーサルアシスタントの吉田は今日もタブレットを片手に駆け回り、舞台と音響照明チームの間を行き来していた。タブレットは稽古の様子を録画したり、過去の公演の映像を確認したりするのに使われていた。初演やフランス版をなぞるシーンもあるが、大きく更新されるシーンもあるようだ。

スパイダーのシーンでは安本のポジションをトリスタンが、浅沼のソロタルクシーンではラファエルが、演出意図や動きのニュアンスを伝えるために実演をしていた。彼らは演出家と技術監督だが、ラファエルはエアリアリスト、コントーショニストとして名だたるカンパニーで活躍した実績があり、トリスタンは『フィアース5』のオリジナル版では安本のポジションで現在も出演している。実演を伴う解説には説得力がある。それに即座に応えるキャストたちの理解力・対応力も素晴らしい。

 

〈自らロープを操って見せるトリスタン〉

〈浅沼の隣でニュアンスを伝えるラファエル〉

 

あるシーンでは、ラファエルから「見せるのは技術ではなく、精神の状態。ありとあらゆるリハーサルを繰り返して、とうとう舞台に立つんだというエモーショナルなもの。あらゆる種目は失敗と隣り合わせ。その緊張感を持って舞台に入って欲しい」という言葉があった。演出についてのコメントだが、キャストにとっては共鳴できる部分が多そうだ。

〈今回からの出演であるフー・浅沼。初演とは異なるキャラクターで魅せる〉

 

 

稽古の終盤には、ラファエルからは「洗練するべきところはあるが、すごく良くなりました」とのコメントがあった。素人目にも、作品がどんどん良くなっていることがわかる。稽古でありながら、自分も思わず見入ってしまう瞬間が多々あった。

────作品のテーマは「粘り強さ」であり、失敗しても根気よく続けることで成功にたどり着く姿を描いている。また、それは、日本のことわざ「七転び八起き」からきている。

今回は初演から2年後の再演となるが、3度目があるかは分からない。「現代サーカス」に対し敷居が高いと感じる方もいるかもしれないが、ラファエルが作品を通して伝えたいメッセージは普遍的、かつ我々にとって身近なものだ。この『フィアース5』は、日常に戻った後もきっと、ふとした瞬間に寄り添いパワーをくれるだろう。今週末、いよいよ幕が開かれる。

『フィアース5』公開リハーサル開催

翌週の公演に先駆け、『三茶de大道芸』期間中にリハーサルの様子を公開いたします!

 

▼公開日時
1022日(日)
グループ① 15:00-15:30
グループ② 15:30-16:00
*各グループ開始10分前に、世田谷パブリックシアター入口(キャロットタワー3階)にご集合ください。整理番号順にお並びいただいてのご案内となります。
*途中入退場可ですが、客席内が狭く、暗くなる時間もあるため、なるべく最初から最後までご覧ください。

▼会場
世田谷パブリックシアター

▼入場方法
入場無料/整理券配布
1022日(日)11:00より『三茶de大道芸』フェスティバル本部(プラザ会場内)にて整理券を配布します。
各回60名限定。なくなり次第終了。
整理券の受け取りは1名につき2枚まで。

▼注意事項
・写真・映像撮影、録音はご遠慮ください。
・2階客席へのご案内となります。高所が苦手な方はご注意ください。
・出演者との面会や歓談はできません。
・リハーサル(創作過程)の公開となります。本番の内容とは異なる場合もございますのでご了承ください。

概要

若きサーカスアーティストたちの日仏台コラボレーション。
5人の成長譚は第二章へ!

2021年秋、フランスの現代サーカス界を牽引するラファエル・ボワテルを演出に迎え、日本のサーカスアーティストとの国際共同制作により誕生した『フィアース5』。

カンパニー・ルーブリエの代表作として世界中で上演されている『5ES HURLANTS』(2015年初演)をベースに、ダンス、エアリアル、綱渡り、ジャグリングなどのテクニックを融合させながら、出演者たちの等身大の姿を描きだしました。

日本のことわざ「七転び八起き」をテーマに据え、サーカスの世界に生きる人々が幾度となく困難にぶつかりながらも必ず立ち上がる “粘り強さ”を描いた本作。日本初演時は、コロナ禍を生きる人々の日常と重なり、大きな反響を呼びました。しかし、ラファエルが「サーカスへのオマージュであり人生のメタファーでもある」と語る通り、粘り強さ、勇気、連帯によって不可能を可能にしよう。というサーカスアーティストたちの姿は、コロナ禍に限らない、普遍的な希望のメッセージでもあります。

新たなメンバーを迎えて行われる今回のリクリエイションでは、再演にとどまることなく、作品、アーティスト、そして劇場という空間が秘めるポテンシャルを最大限に引き出し、ひとまわり成長した『フィアース5』をお届けします。

初演時から続投となる長谷川愛実目黒陽介吉川健斗山本浩伸安本亜佐美に、コンテンポラリーダンサーとして活躍し、近年はサーカス公演に振付などでも参加する浅沼圭と、2021年に世田谷パブリックシアターで上映した『悟空~冒険の幕開け~』にも出演していた台湾のフォルモサ・サーカス・アート(FOCA)の元メンバー、アンブローズ・フーを加えた日仏台のサーカスアーティストによる、不可能を可能にしていく成長の物語を、どうぞお楽しみください!

ラファエル・ボワテル コメント

トレーラーはこちら

ラファエル・ボワテル(構成・演出)

この秋に、世田谷パブリックシアターで再び『フィアース5』を上演できることをとても嬉しく思います。
ワイヤー、エアリアルフープ、ストラップ、ジャグリング、アクロダンスなど、専門分野が異なる多国籍のアーティストと共にこの作品を創り上げました。この作品のためにデザインしたスパイダーと呼ばれる装置を使い、非常にエモーショナルで、壮観なスペクタクルをお届けします。
この作品では“粘り強さ”について描いていますが、今日の世界では“粘り強さ”が非常に重要であると言えます。私がアーティストとして日々の生活を送る中でヒントとしている大好きな日本のことわざから、自由にインスピレーションを得ました。そのことわざは「七転び八起き」です。
このプロジェクトは私にとってはとても重要で、まさに交換と継承と出会いのプロジェクトなのです。さらに、日本の皆さんと出会うための本当に素晴らしい機会でもあります。
皆さんにお会いできるのを心から楽しみにしています。

キャスト・スタッフ

【構成・演出】 ラファエル・ボワテル
【出演】アンブローズ・フー 浅沼圭 長谷川愛実 目黒陽介 吉川健斗/山本浩伸 安本亜佐美

【照明・セットデザイン】トリスタン・ボドワン
【音楽】アルチュール・ビゾン
【リハーサルアシスタント・アンダースタディ】吉田亜希

【宣伝美術】TAKAIYAMA inc.
【宣伝写真】松原博子
【宣伝映像】倉沢英治

【世田谷パブリックシアター芸術監督】白井晃

プロフィール

ラファエル・ボワテル Raphaëlle Boitel

ラファエル・ボワテル Raphaëlle Boitel 
(構成・演出)

1984年生まれ。6歳より演技を学び、パフォーマンスを始める。8歳にてアニー・フラテリーニに見初められ、92年に国立サーカス学校アカデミーフラテリーニに入学。1998年から2010年まで、フランス現代サーカスの旗手ジェームス・ティエレと共に活動し、『La Symphonie du Hanneton』『La Veilléedes Abysses』に出演。13年のツアーの間、平行して演劇や映画、テレビなどでも活躍する。2012年、オーレリアン・ボリー(Cie 111)『Géometrie de caoutchouc』に出演。その後、カンパニー・ルーブリエを設立する。自身の作品の他、ミラノ・スカラ座、パリ・シャトレ座、オペラ=コミック座などでオペラの振付を担当。2020年には、フランス国立サーカスアートセンター(CNAC)の卒業制作の演出に抜擢される。2021年には、パンデミックの影響をうけ作品のテーマ同様「七転び八起き」しながらも、当プロジェクトにて念願であった日本での共同制作を実現させた。

スケジュール

2023年10月27日(金)~2023年10月29日(日)

10/27
(金)
10/28
(土)
10/29
(日)
15:00
19:30
開演
時間
15:0019:30
10/27
(金)
10/28
(土)
10/29
(日)

◎=終演後ポストトークあり
10/27(金)19:30
登壇者:ラファエル・ボワテル 白井晃(世田谷パブリックシアター芸術監督)
※別日のチケットをお持ちの方は公演終了後に入場可。定員あり。

ポストトーク登壇者への質問をフォームにて受け付けております。(受付締切:ポストトーク開始まで)
下記フォームよりご記入ください。
こちら

チケット

全席指定
一般
料金
おとな 4,500円 高校生以下(4歳~高校生) 2,250円
発売日
2023/08/27(日)10:00~
会員先行・割引等
友の会会員
料金
おとな 4,000円 高校生以下(4歳~高校生) 2,000円
※前売りのみ取扱い
発売日
発売日:2023/08/20(日) 10:00~
世田谷パブリックシアターオンラインチケット会員
料金
おとな 4,500円 高校生以下(4歳~高校生) 2,250円
発売日
発売日:2023/08/26(土) 10:00~
U24会員
料金
2,250円
※前売りのみ取扱い
発売日
発売日:2023/08/26(土) 10:00~
せたがやアーツカード会員
料金
おとな 4,000円 高校生以下(4歳~高校生) 2,000円
※前売りのみ取扱い
発売日
発売日:2023/08/26(土) 10:00~
当日券情報

『フィアース5』では下記の方法で当日券を発売いたします。

1.電話予約
当日朝10:00~開演の2時間前まで世田谷パブリックシアターチケットセンター(電話03-5432-1515)にて先着順で承ります。

2.劇場窓口
開演の60分前より、世田谷パブリックシアター劇場入口の当日券受付 にて販売します。電話予約をされた方が優先となります。

料金:
一般 4,500円
高校生以下(4歳~高校生) 2,250円

※当日券での各種会員割引はございません。
※高校生以下は当日要証明書提示。
※おひとり様4枚まで承りますが、連席でご用意できない場合もございます。

※前売券は残席がある限り、前日までご予約を承ります。
世田谷パブリックシアターチケットセンター:公演日前日19:00まで、電話03-5432-1515にて受付
世田谷パブリックシアターオンラインチケット:公演日前日23:30まで受付

プレイガイド情報

世田谷パブリックシアターオンラインチケット
世田谷パブリックシアターチケットセンター
03-5432-1515(10:00~19:00) https://setagaya-pt.jp/membership/booth/
チケットぴあ
Pコード:520-700 https://t.pia.jp/
イープラス

その他の注意事項

チケット・座席について

※3歳以下は保護者のひざ上のみ無料。
※未就学児の入場は保護者の同伴が必要です。
※開演後は本来のお席にご案内できない場合がございます。ご了承ください。

枚数制限について

※1申込につき1公演4枚まで

各種会員制度について

※ご登録にはお時間をいただきますので、余裕をもって入会申込をお済ませください。
※各種会員のご⼊会⽅法はこちらをご参照ください。

世田谷パブリックシアターチケットセンターでの購入について

※世田谷パブリックシアターチケットセンターでの発売は、電話およびオンラインのみでの受付となり、窓口での発売・発券はございません。
※支払い方法は「セブン-イレブン」または「オンラインクレジットカード決済」、お引き取り方法は「セブン-イレブン発券のみ」となります。
※電話でチケットをご購入される際にもご連絡先(電話番号)をうかがいます。その際には必ず日中にご連絡がつくものをお伝えください。

鑑賞サポート

託児サービス

前売入場券を販売する公演では、基本的に託児サービスがございます。
定員に限りがございますので、ご利用にあたり予約が必要です。

料金 2,200円(1名につき)
対象 生後6ヶ月以上9歳未満
申込 世田谷パブリックシアター 
TEL 03-5432-1526
委託 キッズルーム・てぃんかぁべる三茶

ご利用希望日の3日前の正午まで受付けますが、定員になり次第締め切らせていただきます。
お早めにご予約ください。
また、障害のあるお子様についてはご相談ください。

車椅子スペース

車椅子のままご観劇いただける車椅子スペースがございます。
定員に限りがございますので、ご利用にあたり予約が必要です。

料金 該当エリアチケット料金の10%割引【付添者は1名まで無料】
申込 劇場チケットセンター 
TEL 03-5432-1515

定員になり次第締め切らせていただきます。お早めにご予約ください。

補助犬を伴っての観劇

補助⽝を伴ってご観劇いただけます。
座席によりスペースの大小がございますので、詳しくは劇場までお問い合わせください。

問合 世田谷パブリックシアター 
TEL 03-5432-1526

筆談器

劇場ロビー、劇場チケットセンターには、筆談器をご用意しています。

当劇場の観劇サポート・バリアフリーサービスについてはこちらよりご確認ください。

SNS

世田谷パブリックシアター[ダンス・フィジカル]公式instagram
@setagayapt.dance 

世田谷パブリックシアター[ダンス・フィジカル]公式Twitter
@DanceSetagayaPT

世田谷パブリックシアター公式Twitter
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転売行為の禁止について

営利を目的としたチケット転売は、いかなる場合にも固くお断りいたします。
転売されたチケットが確認された場合はご入場をお断りする、ご入場後に判明された場合はご退席いただく等対応しております。
世田谷パブリックシアター/シアタートラムでは、ご入場時ご本人確認を行うことがございます。
皆様が公平にチケットを購入できますよう、ご理解ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。

主催

公益財団法人せたがや文化財団

企画制作

世田谷パブリックシアター

後援

世田谷区、在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ

協賛

東邦ホールディングス株式会社/トヨタ自動車株式会社/Bloomberg (五十音順)

協力

東急電鉄株式会社

初演/共同制作

国際交流基金、公益財団法人せたがや文化財団

 

お問合せ

世田谷パブリックシアターチケットセンター

TEL. 03-5432-1515

営業時間:10:00~19:00(年末年始を除く)

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