講座の内容記録 2010

創造の現場
『世田谷パブリックシアターの演劇ワークショップ』
C:演劇ワークショップをワークショップで考える
「ワークショップの最初の一歩を考えてみる」
 
2011年1月11日(火) 19時〜21時30分
柏木 陽
(世田谷パブリックシアターファシリテーター/演劇百貨店店長)

《所 感》

本レクチャーは、ワークショップ(以下WS)のファシリテーターに興味を抱きこれからWSをやろうと考えている人を対象に、そこで必要となる知識や心構え等といったことから、WSの本質に迫ることまでグループディスカッションを通して考察が行われた。特徴的であったのは、「WS」という多義的な言葉に対し、講師側が定義を提示するのではなく、参加者1人1人の「WS観」を大切にしながらディスカッションが進められていったという点である。私には、このように進められていく本レクチャー自体がWSであるように感じられ、また、ファシリテーターとしての「第1歩」を柏木氏の振る舞いから学びとることができたのではないかと思う。話の進め方、参加者の意見のまとめ方、柏木氏自身の経験談や理念等、WSを始める上で参考にできるものが、間接的にも示されていた有意義なレクチャーであった。
記録:園部友里恵(東京大学大学院教育学研究科修士課程在学)
1. 本レクチャーについて
近年、様々な人々がWSを行うようになってきている。それに伴って、初めてWSをやるため人のための講座やコースが開設されているようである。柏木自身はこのような講座等を通じてWSについて習ったことはない。というのは、約20年前に「WS」という言葉に出会い、そのようなことをやっているのをうらやましく感じ、知人に連れていってもらったのをきっかけにWSに関わるようになったためである。その当時日本にWSを学ぶ環境は実際の現場に関わることだけだった。

本レクチャーの目的は、WSをやろうと思ったときにどうすればできるのか、その「最初の1歩」をグループディスカッションにより考えていくことである。
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