パブリックシアターのためのアーツマネージメント研修(2007〜2010年度)について
「パブリックシアターのためのアーツマネジメント研修」は、2007年度から2010年度までの4年間実施されました。公共劇場の運営方針やプログラムの企画・ディレクションを立てていけるような人材を育成することを目的とした10カ月に亘るプログラムは、世田谷パブリックシアターが創造する劇場として培ってきた「実践的な現場のノウハウ」と、舞台芸術に対する哲学を得ていくための「座学」の両方をバランスよく学ぶことを目指して、試行錯誤のもとに組まれました。

研修生の研修期間中は、劇場研修担当者が相談役となり、さまざまな疑問や質問について対話する時間も設けられました。また、企画発表と修了論文を通じて、自らの言葉で、劇場に関連するさまざまな論点を語っていくことも最終的な成果と、その論文は各年度毎冊子にまとめられています。

研修の卒業生は総計16名にのぼり、現在は全国のさまざまな公立文化施設で活動をしています。
 
4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月
実務
①実務研修
■制作の現場
いくつかのプロダクションについて2ヶ月程度の現場研修
■教育普及
区内の小中学校でのワークショップ、劇場ツアー、夏休み子どもワークショップなど
教育普及事業の研修
■劇場管理
フロントスタッフ、貸館業務、施設管理などの研修
 
座学
②講座
各分野の専門講師による講座を年50回程度開講
□講座は一般公開します。
A:劇場運営
劇場運営に必要とされる実務的な内容を学ぶ講座
『公共劇場の運営─世田谷パブリックシアターを事例に』
『舞台芸術と著作権』
B:地域における劇場
独自の視点から劇場と社会の関係を考察していけるようになるための講座
『日本の公共劇場を考える』
『劇場における公共性』
『地域社会と芸術』
C:創造の現場
舞台芸術の創作過程について考える講座
『プロデューサーの仕事』
『学芸の仕事』
『制作者のための技術の仕事─安全の観点からの理解』
D:舞台芸術論
舞台芸術の構造や歴史的背景について考える講座
『舞台/史論』
『パフォーミングアーツ各論』
『舞台芸術の現在』
『ワークショップ論』
 
③ゼミナール
年20回程度
ケーススタディ、舞台芸術会におけるさまざまな時評を、外部講師、アドバイザーなどを招きながら検討
 
考えを
まとめる
④企画立案
それぞれの研修生がゼミナールでの成果などをうけながら、自分なりのパブリックシアターに向けた企画を立てて発表

企画発表会(9月予定)
⑤修了論文
研修生が一人ひとり個別に問題を設定し、そのテーマに基づいて論文を作成。
論文の成果は、外部にも開かれた場を設けて発表
終了論文発表会(3月予定)
フォロー
アップ
⑥相談役サポート
研修生1〜2名毎に、世田谷パブリックシアター制作部スタッフ1名が終了論文作成の際のアドバイス、進路相談などの相談役を通年で担当
 
 
4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月