概要

この芝居は、“ 人間と人間の信頼 ”、“ 基本的な人間のあり方 ”と、
ああいう時代に日本人がやっていた“日本人の可能性”を信じて書かれています。
自分がこの芝居を書いて思うのは、「○○人だから...とか△△人だから...ダメ」
ということはないということです。  ― 井上ひさし



井上ひさし渾身のせりふ劇に野村萬斎、広末涼子ら、6人の俳優が挑む。

この度、こまつ座と世田谷パブリックシアターの新たな共同制作作品として、井上ひさし中期の名作、
『シャンハイムーン』を上演いたします。
2012、15年に上演したこまつ座&世田谷パブリックシアター公演『藪原検校』は拍手喝采を浴びました。栗山民也の研ぎ澄まされた演出と、野村萬斎の類まれなる存在感と身体性が、井上ひさしのエネルギッシュな初期戯曲とぶつかり、特異なピカレスクを現代に通ずる物語として鮮やかに蘇らせました。
そして、『シャンハイムーン』です。第27回谷崎潤一郎賞を受賞した本作は1991年の初演以来、木村光一、丹野郁弓の演出で上演されてきました。日本を憎みながらも日本人を愛した中国人作家・魯迅と、彼を敬い匿った日本人たちの、1934年のある1ヶ月間をとらえた緻密なせりふ劇です。待望の栗山新演出のもと、類まれなる身体性と演技力、そして演出面と表現の幅を広げている野村萬斎、透明感のある演技と声に定評があり、満を持して5年ぶりの舞台出演となる広末涼子、蜷川幸雄、野田秀樹、宮田慶子、小川絵梨子など多くの演出家から信頼の厚い鷲尾真知子、所属している演劇ユニット*pnish*にとどまらず、外部作品での活躍も目覚ましい土屋祐壱、ナンセンスコメディから古典作品まで確固とした存在感を発揮する山崎一、芸歴50年を超え、井上ひさし作品には欠かせない唯一無二の存在である辻萬長という出演者の方々にお集まりいただき、世田谷パブリックシアター開場20周年の作品として掉尾を飾ります。
日中関係はもちろん、他国との関係に揺らぐ現代の日本に、魯迅たちの姿が心に響くことでしょう。

 

魯迅のいた時代。   あらすじ

舞台は昭和9年8月から9月にかけての上海。場所は魯迅の友人であった内山夫妻が営む書店の二階。『阿Q正伝』『狂人日記』などで知られる中国の偉大な文学者・魯迅。文学革命、思想革命の指導者でもあった。しかし、弾圧の風吹き荒れる中でついに魯迅にも蒋介石の国民党政府より逮捕令が出された。
逃亡を余儀なくされた魯迅は妻・広平と共に親交のある内山完造、みき夫妻に匿われたが、魯迅の体は病気の巣窟となっていた。しかし魯迅は大の医者嫌い。一計を案じた内山夫妻の元、医者の須藤五百三と歯医者の奥田愛三の両医師はそれぞれ大の魯迅ファンと肖像画家に成りすまして魯迅に近づき診察を試みる。
ところが、奥田が使用した笑気ガスがもとで魯迅は人物誤認症や失語症と奇態な病気に取り付かれてしまう!魯迅を救おうと内山夫妻と日本人医師達は悪戦苦闘を繰り広げる!
国を憂い、家族を思い、文学に対する情熱を燃やし続けた魯迅が苦しみの中から見つけ出すものとは。
日本を心底憎みながら日本人を心から愛した魯迅。これはこの魯迅とその妻と彼の臨終に立ち会った四人の日本人が激動の中国を舞台に繰り広げるおかしくも哀しい物語。

【受賞】
第26回 読売演劇大賞
■優秀男優賞:山崎一(『シャンハイムーン』/ 『父と暮らせば』(こまつ座))

 

スタッフ/キャスト

【作】井上ひさし
【演出】栗山民也

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井上ひさし

栗山民也

栗山民也

 

 

 

 

 

 

【出演】野村萬斎 広末涼子 鷲尾真知子 土屋佑壱 山崎一 辻萬長

 

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野村萬斎

広末涼子

広末涼子

 

 

 

 

 

 

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鷲尾真知子

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土屋佑壱

 

 

 

 

 

 

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山崎一

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辻萬長

 

 

 

 

 

 

【音楽】宇野誠一郎
国広和毅

【美術】二村周作
【照明】服部基    
【音響】秦大介     
【衣裳】前田文子
【ヘアメイク】 鎌田直樹
【映像】 上田大樹 
【宣伝美術】ささめやゆき   
【演出助手】豊田めぐみ
【舞台監督】加藤高

演出家・出演者コメント

井上ひさし中期の名作『シャンハイムーン』が、こまつ座と世田谷パブリックシアターの新たな共同制作作品として 2/18世田谷パブリックシアターにて開幕しました!
日本を憎みながらも日本人を愛した中国人作家・魯迅と、彼を敬い匿った日本人たちの、1934年のある1ヶ月間をとらえた緻密なせりふ劇。待望の新演出をつとめる栗山民也さんと、魯迅役の野村萬斎、魯迅を支える許広平役の広末涼子さんの初日コメントをお届けいたします。

 

▼栗山民也さん[演出]
「一番嫌いなものは嘘つきと煤煙、一番好きなものは正直者と月夜」という魯迅の雑文がある、井上ひさしさんはここから魯迅と月を結びつけたのではないだろうか。月は井上さんのまなざしなのだと思う。魯迅ら本作の登場人物は、受けた恩を次の世代に手渡し、逃げずにその時代を引き受ける。途轍もなく力強い、しかも静かに未来を見据えた素敵な作品だ。それを今、俳優たちが丁寧に紡いでいる。登場人物それぞれの生のドキュメントを、歴史の真実として観客に手渡せたらと願っている。
文=高橋彩子(『シャンハイムーン』公演パンフレットより抜粋)

▼野村萬斎[魯迅役]
充実した初日となりました。豊かな言葉が豊かに立ち上がったそんな実感がいたしております。井上先生がつむいだ言葉を役者が舞台でつむぎ、それをお客様が心の中でつむいだ瞬間に、井上ひさし先生の豊かな言葉を共有できたと感じました。人間の善意というものを信じることができるこの作品の素晴らしさを感じていただけたらこの上なく嬉しく思います。

▼広末涼子さん[許広平役]
初めてお客様を前にして、皆さまが大きくあたたかく優しくこの作品を包み込んでくださっている感覚があり、安心してお芝居をすることができた幸せな初日でした。井上ひさし先生の言葉が強く私の体の中にあり、出演者の皆さんがつむぐ物語が体に入ってくるという瞬間に、お客様と一体となる感覚がありました。たくさんの方々にこの作品のあたたかさを受け取ってもらえるように、最後まで精進したいと思います。

 

当日券情報

1.電話予約
当日朝10:00~開演の2時間前まで世田谷パブリックシアターチケットセンター(電話03-5432-1515 )にて承ります。
※2/25(日)貸切公演の当日券発売はございません。

2.窓口販売
開演の1時間前より、パブリックシアター劇場入り口の当日券受付にて販売します。
※2/25(日)貸切公演の当日券発売はございません。

※前売券は残席がある限り、前日までご予約を承ります。
・世田谷パブリックシアターチケットセンター
公演日前日19:00まで、店頭&電話03-5432-1515にて受付
・世田谷パブリックシアターオンラインチケット
公演日前日23:30まで受付

詳細は各公演日当日の10:00以降に、世田谷パブリックシアターチケットセンター(03-5432-1515)までお問い合わせください。

メディア情報

▼公演レポート・レビューなど
3/2(金)演劇キック ”野村萬斎・広末涼子他の出演で井上ひさしの中期の名作上演中!”

▼TV出演など
1/30(火)18:55~20:54放送「ありえへん世界」 広末涼子さんゲスト出演(テレビ東京)
2/15(木)12:00~放送「徹子の部屋」鷲尾真知子さんゲスト出演(テレビ朝日)

▼メディア掲載情報
2/10(土)産経新聞  栗山民也×野村萬斎インタビュー
2/8(木)朝日新聞夕刊 野村萬斎×広末涼子インタビュー
2/7(水)大人のおしゃれ手帖 広末涼子インタビュー
2/6(火)読売新聞夕刊 広末涼子インタビュー
2/6(火)ダ・ヴィンチ 広末涼子インタビュー
2/5(月)Fabulous stage Vol.05 野村萬斎インタビュー
2/2(金)シアターガイド 野村萬斎×広末涼子インタビュー
1/31(水)毎日新聞 栗山民也インタビュー
1/23(火)週刊朝日 鷲尾真知子 インタビュー
1/20(土)リンネル  公演案内
1/12(金)GINZA 広末涼子 インタビュー
1/7(日)ザテレビジョン WEB版 野村萬斎×広末涼子 インタビュー
1/7 (日)LEE 野村萬斎インタビュー
1/4(木)日本経済新聞 『2018年ステージ展望』
12/30(土) 8:30~9:55 放送 にじいろジーン 広末涼子さんゲスト出演(関西テレビ・フジテレビ)
12/26(火)家庭画報.com 広末涼子インタビュー
12/26(火)週刊朝日 新春合併号 広末涼子インタビュー
12/22(金)週刊朝日WEB版 広末涼子 インタビュー
12/22(金)NewsWalker 野村萬斎×広末涼子 インタビュー
11/27(月)BEST STAGE 2018年 1月号 野村萬斎インタビュー
11/17(金)チケットぴあ 野村萬斎インタビュー
10/27(金)STAGE SQUARE 野村萬斎×土屋佑壱×山崎一インタビュー

 

ツアー公演

【兵庫公演】
兵庫県立芸術文化センター
2018/3/14(水)13:30/18:30開演、15(木)12:00開演
お問合せ:0798-68-0255(芸術文化センターチケットオフィス)
※10:00〜17:00/月曜休み/祝日の場合翌日

【新潟公演】
りゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館・劇場
2018/3/18(日)13:30開演
前売開始:12/22(金)
お問合せ:025-224-5521(りゅーとぴあチケット専用ダイヤル)
※休館日を除く11:00〜19:00

【びわ湖公演】
滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール 中ホール
2018/3/21(水・祝) 12:00/17:00開演
お問合せ:077-523-7136(びわ湖ホールチケットセンター)
※10:00〜19:00/火曜日休館、休日の場合は翌日/8/13〜18休館)

【豊橋公演】
穂の国とよはし芸術劇場PLAT主ホール
2018/3/23(金)18:30開演、24(土)12:00/17:00開演
前売開始:12/9(土)
お問合せ:0532-39-3090(プラットチケットセンター)
※休館日を除く10:00〜19:00

【金沢公演】
金沢歌劇座
2018/3/31(土) 14:00開演
お問合せ:076-260-8000 (北國新聞読者サービスセンター)
※10:00~18:00 (平日)

 

動画

舞台写真

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公演日程表

◎=ポストトークあり(出演=野村萬斎 広末涼子 辻萬長)※開催回のチケットをお持ちの方がご参加いただけます
■=視覚障害者のための舞台説明会あり(劇場まで要申込み・無料、本公演のチケットをお持ちの方対象)詳細はこちら
△=収録のため客席にカメラが入ります
▲=学生団体観劇あり
※3月8日に限り、ロビーのカフェを臨時休業とさせていただきます


 聞こえにくい方のための音声サポート(要事前申込み・無料)
音声が聞こえにくい方に、当日劇場ロビーにてイヤホンをお貸出しいたします。
申込み・お問合せ:チケットをご購入後、ご観劇日の3日前までに劇場へお申込みください。
Tel:03-5432-1526/Fax:03-5432-1559/support@setagaya-pt.jp

観劇サポート

託児サービス

前売入場券を販売する公演では、基本的に託児サービスがございます。
定員に限りがございますので、ご利用にあたり予約が必要です。

料金 2,200円(1名につき)
対象 生後6ヶ月以上9歳未満
申込 世田谷パブリックシアター
TEL 03-5432-1526
委託 キッズルーム・てぃんかぁべる三茶

ご利用希望日の3日前の正午まで受付けますが、定員になり次第締め切らせていただきます。
お早めにご予約ください。
また、障害のあるお子様についてはご相談ください。

車椅子スペース

車椅子のままご観劇いただける車椅子スペースがございます。
定員に限りがございますので、ご利用にあたり予約が必要です。

料金 該当エリアチケット料金の10%割引【付添者は1名まで無料】
申込 劇場チケットセンター
TEL 03-5432-1515

定員になり次第締め切らせていただきます。
お早めにご予約ください。


当劇場の観劇サポート・バリアフリーサービスについてはこちらよりご確認ください。