概要

 

★クレジットWEB_ABE2989trim photo=Akihito Abe究極のダンスが、いまふたたび世田谷パブリックシアターに甦る

世田谷パブリックシアター開場を飾ったオープニングシリーズの一つとして、1998年に初演された勅使川原三郎の『ABSOLUTE ZERO』が当劇場の開場20周年記念公演として待望の再演を迎えます。
勅使川原三郎の構成・美術・照明・出演により初演時に話題を呼んだ本作。翌99年に当劇場で再演し、その後2000年から2001年にかけてイギリス、オランダ、イタリア、フランス、ドイツ、台湾、オーストリアの各国をまわり、高い評価を獲得しました。80年代から日本のダンスシーンを牽引し、現在に至るまで国内外の観客の圧倒的な支持を集め続けている勅使川原三郎は、約20年の時を経て本作をどのように甦らせるのか。名作の再誕にお立ち会いください。

 

絶対零度 摂氏−273度の到達不可能な完全停止状態(エントロピー0)
そこでは極々稀に極小単位で予期せぬ現象が起こるという
絶対零度に向かうことによって流れ始める異質な動きから何が発生しうるのか?
辿り着けない永劫なる停止への急接近がもたらす動きの増幅であるのか?
現実から切り離された永遠の瞬間的時空間で起こる流動体結晶
無限に流れつづけ 生命と非生命の間(はざま)で相転移をつづけるダンス

勅使川原三郎

 


勅使川原三郎さんよりコメントが届きました。

 

昨日、世田谷パブリックシアターにて、「アブソルートゼロ」公演の初日。
劇場は20年前にオープンした今は
その価値と地位を確立した公共劇場です。
私たちはその開館を飾る名誉をあずかり「Q」という作品を初演しました。

その翌年に「アブソルートゼロ」は初演され、そして再演し、
その後ヨーロッパと日本国内の数多くの都市で公演してまいりました。
ほぼ20年ぶりの劇場への帰還になる「アブソルートゼロ」の初日は、
再演と呼んでいますが、初演と言える新鮮な出来栄えでありました。
しかし、そのような初日を終えた今、私は心引き締まる思いであります。
荻窪のアパラタスのシリーズの名のようにアップデートし、
より良い作品になるべく稽古をしていきます。
それだけ成長できると考えるとなんとも楽しい気分になります。
この自然の感情は作品を支えるものであります。
のびのびと気持ちをこめて、
心身ともに律して作品の為に生き直す心意気で今日の公演に向かいます。

あらためて、世田谷パブリックシアター20周年おめでとうございます。

                          勅使川原三郎
2017/06/02

 

スタッフ/キャスト

【構成・振付・美術・照明】 勅使川原三郎
【出演】 勅使川原三郎 佐東利穂子

勅使川原三郎

勅使川原三郎

佐東利穂子

佐東利穂子

当日券情報

1.電話予約
当日朝10:00~開演の2時間前まで世田谷パブリックシアターチケットセンター(電話03-5432-1515 )にて承ります。

2.窓口販売
開演の60分前より、世田谷パブリックシアター入口の当日券受付にて販売します。

※前売券は残席がある限り、前日までご予約を承ります。
・世田谷パブリックシアターチケットセンター
公演日前日19:00まで、店頭&電話03-5432-1515にて受付
・世田谷パブリックシアターオンラインチケット
公演日前日23:30まで受付

舞台写真

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インタビュー

せたがやアーツプレスvol.10(2017年4月28日発行)
※このインタビューは3月下旬に行われました。

 

『ABSOLUTE ZERO』は、20世紀末に誕生した傑出したダンス作品である。国際的にも評価が高い。混沌に向かい疾走するエネルギーと、超現実的な静寂を抱え込んだ無二の舞台。今また新たな命を得ようとしている本作について、舞踊評論家の石井達朗氏が勅使川原三郎にビジョンを訊いた。

 

石井 初演以来19年。このあいだにパリ・オペラ座バレエ団への2度の振付、アパラタスの設立、シアターXでのブルーノ・シュルツ作品、オペラ作品の演出・振付、その他にもたくさんの新作発表など、驚くほどクリエイティブな活動が内外にありました。『ABSOLUTE ZERO』の再演にも変化があるのでは?

勅使川原 コンセプトは以前と変わりません。しかしこれだけの年月の経過があり、ダンスの在り方は自然と変わってゆくだろうと思っています。映像シーンをはぶき純粋にダンス本来の力、身体そのものの力に集中します。

石井 初演時の三部構成が心に残ります。ソナタ形式のように第二部が緩徐楽章になっていて、ピアノ曲でゆっくり動く姿が印象的です。

勅使川原 三部構成はオリジナルを保ちます。第二部の音楽とダンスは変えません。そこから『ABSOLUTE ZERO』という作品のテーマに相対するものが浮かびあがるようにしたい。

石井 アブソルート・ゼロ、つまり絶対零度という、エネルギーがすべて停止する極限に対しての、ある種の融和力を第二部から感じます。

勅使川原 そう。第一部を経て、異質な時間と質感を通過するパートと言えます。あの曲では数多く踊っていますが、そこを通過することによって作品全体が成立している。構成が変わらないと言ったのは、骨格はそのままでダンスとしての全体を掘り下げたいのです。

石井 第三部の最後にモーツァルトのクラリネット五重奏曲が聞こえて、第二部とリンクしてくるという感じがします。

勅使川原 第二部と同じように開かれてくるんですけれど、最後は開かれ方が違います。最後に長い間全く動かないシーンがありますが、そこから徐々に開放されてゆく。でも、それを意味づけしたいわけではなく、そこから何が見えてくるかということです。ダンスが化学変化を起こすようなものが欲しい。

石井 佐東利穂子さんとの本格的なデュオ作品でもありますね。

勅使川原 ソロでもありデュオでもあり。彼女ほどのダンサーは他にいません。こういうテーマにおいては佐東利穂子であればこそ。彼女のための作品になるかもしれない。

石井 そこまで言っていいですか。

勅使川原 はい。彼女はそういう存在です。

石井 ヨーロッパ各地で公演され、高い評価を得ていた本作の再演は嬉しいかぎりです。

勅使川原 パリ・オペラ座バレエ団に僕が振付けを依頼されたきっかけも、当時の芸術監督ブリジット・ルフェーブルがこの作品を観たからなんです。今回それが生まれかわるというわけです。新たに難しいことに挑戦し、新作のつもりでやります。楽しみにしてください。

 

■勅使川原三郎 てしがわら・さぶろう
1981年より独自の創作活動を開始。85年に自身のカンパニーKARASを設立。既存のダンスの枠組みでは捉えられない新しい表現を追求している。呼吸を基礎にした独自のダンス・メソッドと、光・音・空気・身体によって空間を質的に変化させる独創的な作品が高く評価されている。

制作レポート

『ABSOLUTE ZERO』コメント

「アブソルートゼロ 絶対零度」と共に

20年前の世田谷パブリックシアター初演以来、数多くの国、都市を巡り、作品を同劇場で公演するこの機会はありがたいことです。
創作した作品は作られた時に持った力や価値が、公演を重ねることによって様々な経験を経て成長し成熟していくものです。人間のように。
初演当時、ダンスキャリアが始まったばかりの佐東利穂子は今や世界最高レベルのダンサーとして成長していますが、彼女が作品をより高度に推し進めることは間違いありません。
彼女の特異な身体制御が生み出す美しく際どいダンスは今までに無かった価値を与えるはずです。
「アブソルートゼロ」が新たな生を得て活き活きと世田谷に帰ってきます。
しかし再演というより新作公演の心意気で今準備しています。
初演の清々しい呼吸を基に、矛盾を恐れずに私たちは調和を踊ります。

勅使川原三郎
2017年5月


 

『ABSOLUTE ZERO』制作レポート 第2弾
2017/5/18更新

公演準備も佳境に入り、スタッフとの打合せにも余念がありません。
舞台美術のサンプルを使って実験しながら、よりイメージを膨らませていきます。
『ABSOLUTE ZERO 絶対零度2017』誕生までまもなくです。

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『ABSOLUTE ZERO』制作レポート 第1弾
2017/4/20更新

いよいよ6月1日(木)にスタートする『ABSOLUTE ZERO 絶対零度2017』。
勅使川原三郎さんが劇場を訪れ、スタッフとの入念な打合せを行いました。

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現在劇場ロビーでは、20周年を記念するポスター展を開催中。
懐かしい初演のポスターの前で、勅使川原さん、佐東さんとパチリ。
究極のダンスが再び世田谷パブリックシアターに舞い降ります。

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メディア情報

▼勅使川原三郎インタビュー
9/28(木)Numero Tokyo 11月号 勅使川原三郎インタビュー

▼劇評
7/26(水)ダンスマガジン 劇評
7/10(月)DANCE CUBE  劇評
6/2(金)ステージナタリー  劇評

▼インタビュー・レポート・公演紹介など
5/19(金)CINRA.NET 勅使川原三郎インタビュー
5/18(木)ぶらあぼ6月号 公演紹介
4/17(水)e+Spice 公演紹介
4/27(木)CINRA.NET 公演案内

せたがやアーツプレス10号 勅使川原三郎 インタビュー

 

公演日程表

観劇サポート

託児サービス

前売入場券を販売する公演では、基本的に託児サービスがございます。
定員に限りがございますので、ご利用にあたり予約が必要です。

料金 2,200円(1名につき)
対象 生後6ヶ月以上9歳未満
申込 世田谷パブリックシアター
TEL 03-5432-1526
委託 キッズルーム・てぃんかぁべる三茶

ご利用希望日の3日前の正午まで受付けますが、定員になり次第締め切らせていただきます。
お早めにご予約ください。
また、障害のあるお子様についてはご相談ください。

車椅子スペース

車椅子のままご観劇いただける車椅子スペースがございます。
定員に限りがございますので、ご利用にあたり予約が必要です。

料金 該当エリアチケット料金の10%割引【付添者は1名まで無料】
申込 劇場チケットセンター
TEL 03-5432-1515

定員になり次第締め切らせていただきます。
お早めにご予約ください。


当劇場の観劇サポート・バリアフリーサービスについてはこちらよりご確認ください。