概要

撮影:若木信吾

 

抗いようのない悲哀や乾きが滲む
松田正隆の読売文学賞作品を、栗山民也が現代に投げかける

 

劇作家・演出家の松田正隆が、自身の生まれ育った長崎を舞台に描き、1999年読売文学賞戯曲・シナリオ賞を受賞した代表作のひとつ『夏の砂の上』を、現代日本演劇界を代表する演出家・栗山民也が立ち上げます。

世田谷パブリックシアターではこれまでも、栗山民也とのタッグにより『藪原検校』(12・15年)、『シャンハイムーン』(18年)、『CHIMERICA チャイメリカ』(19年)、『殺意 ストリップショウ』(20年)、『彼女を笑う人がいても』(21年)など数多くの上質な作品を上演してまいりました。
松田作品の演出は『涙の谷、銀河の丘』(03年、新国立劇場)以来となる今回、コロナ禍のこの時代に上演する作品として、栗山は、日々の生活に重く漂う閉塞のもとに生きる人々のやるせなさと慈しみを描き出した『夏の砂の上』を選びました。

職をなくし妻に家出された主人公と彼を取り巻く人物たちの間で交わされる会話から、一見淡々とした日々に漂う、抗いようのない悲哀や心の乾きが滲みだす本作。

主人公・小浦治を演じるのは田中圭。真摯な演技を高く評価された『CHIMERICA チャイメリカ』から3年ぶりに栗山演出に挑みます。夫を捨て家を出ていく妻・恵子を演じるのは、舞台や映像作品で唯一無二の存在感を発揮する西田尚美。若手実力派として映像作品に多く出演する山田杏奈は、本作品が初の舞台出演となります。
さらに、新時代のバイプレイヤーとして注目される尾上寛之、第55回紀伊國屋演劇賞個人賞を受賞した実力派の松岡依都美、また舞台を中心に活躍し演出家が信頼を寄せる粕谷吉洋深谷美歩三村和敬と、豊富な舞台経験を持つ俳優が揃いました。

積み重ねられる会話からあぶり出される登場人物たちの繊細な心模様を、栗山民也と実力派俳優陣が現代に描き出します。どうぞご期待ください。

 

撮影:若木信吾


★SNS情報★

『夏の砂の上』公式instagram
@natsunosunanoue

『夏の砂の上』公式twitter
@natsunosunanoue

世田谷パブリックシアター公式Twitter
 @SetagayaTheatre


<あらすじ>

ある地方都市、坂のある街。
坂にへばりつく家々は、港を臨む。
港には錆びついた造船所。
夏の日。

造船所の職を失い、妻・恵子に捨てられた小浦治のもとに、家を出た恵子が現れる。恵子は4歳で亡くなった息子の位牌を引き取りに訪れたのだが、治は薄々、元同僚と恵子の関係に気づいていた。
その時、治の妹・阿佐子が16歳の娘・優子と共に東京からやってくる。阿佐子は借金返済のため福岡でスナックを開くと言い、治に優子を押し付けるように預けて出て行ってしまう。
治と優子の同居生活が始まる。

 

撮影:若木信吾

 


◆栗山民也 コメント
近頃、歳のせいか、静かにゆっくりと動くドラマに惹かれる。稽古の後半には、それまで積み重ねてきた飾りものを削ぎ落とし、最後に残された風景と言葉だけを見つめているような気がする。
世田谷パブリックシアターから新しい演出依頼があった。いつもより少し長い間、上演作品を考えた。こういう時が実は一番幸せな時間で、自分の今までをじっくりと思い返すことができる。そんな時、松田正隆のセリフがちぎれちぎれに聞こえてきた。風に揺れていたり、突然ピタリと止んだ乾いた沈黙のときだったり。
この『夏の砂の上』の風景の中を流れるジリジリとした熱い感情と、しかし静かに刻む時間の一刻一刻に身を任せ、この荒涼とした現在から、そこにその時生活していた人たちを見つめてみたい。

 

◆松田正隆 コメント
「夏の砂の上」という戯曲を書いたのは、ずいぶん昔のことで、平田オリザさんから依頼があって、この戯曲は青山円形劇場で上演されました。1998年のことです。
思い出すのは、この戯曲を書くにあたって、まだ、プロットも固まっていない時に、さんざん夏の長崎を歩き回ったことです。汗をかいて坂をのぼりくだりしているうちに、次第に劇の輪郭が生まれてくるような気がしました。故郷の長崎を遠くから想像してつくるようなドラマではなく、石段に身体がへばりつく感覚でセリフを書いた覚えがあります。渇水の町で洪水にのまれ、閃光に焼かれるイメージを得られたのは、長崎をただひたすらに歩いた経験がもたらしたものでした。
カラダが立ち、歩く、座るという姿勢から、うつ伏せ、横たわり、挙句に蒸発し影となり流されるということ。生命の水準についての劇は時代の重力に従順になるほど、露わになります。私は、「日常」の劇から「生と死」に直面する劇へと変容するような戯曲を書きたかったのかもしれません。
それでも、おそらくは「作者の思い」などこえて上演されるのが演劇の面白さでしょう。上演を拝見するのがとても楽しみです。


◆田中圭 コメント
2019年の『CHIMERICA チャイメリカ』以来、栗山さんのもとで演劇ができる2度目のチャンスをいただき、とても嬉しいです。松田さんの深みを持つこの作品をどこまで掘り下げていけるか、栗山さんの演出でどんな舞台になっていくのか、僕自身がどう体感していくのか…とても楽しみにしています。皆様にもぜひ一緒にこの作品の深さやその奥にうごめくものを感じていただければと思っています。劇場でお待ちしております。

 

◆西田尚美 コメント
何度も拝見してきた栗山さんの演出を受けるのは今回が初めてで、世田谷パブリックシアターの舞台に立たせていただくのも初めてです。どんな風景が見えるのだろう、ぜひ挑戦したいと思いました。松田さんの『夏の砂の上』はとても素晴らしい戯曲なので、共演の皆様とともに長崎の湿度を感じるような舞台を築いていけたらいいなと思っています。ぜひ皆様にも舞台の私たちと同じ空気をじっとりと感じていただければと思っています。

 

◆山田杏奈 コメント
初めての舞台出演で、出演が決まってからずっと、頭のどこかに「舞台」への緊張感があります。目の前で観てくださるお客様がいる舞台ってどんなものだろうとワクワクもしています。これまでの数少ない経験や価値観を、一度捨てられるような勇気を持って、新しくお芝居を始めるような気持ちで挑みたいと思っています。栗山さんのご指導と、舞台経験豊富な共演者の皆様に精一杯ついていけるよう、まっさらにして臨みたいと思います。

スタッフ/キャスト

【作】松田正隆 
【演出】栗山民也

 

 

 

 

 

 

【出演】田中圭 西田尚美 山田杏奈
    尾上寛之 松岡依都美 粕谷吉洋 深谷美歩 三村和敬

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【美術】二村周作
【照明】服部基  
【音楽】国広和毅
【音響】井上正弘
【衣裳】前田文子 
【ヘアメイク】鎌田直樹 
【方言指導】柄澤りつ子
【演出助手】須藤黄英 
【舞台監督】田中直明

【芸術監督】白井晃

【宣伝美術】相澤千晶
【宣伝写真】若木信吾
【宣伝スタイリスト】髙木阿友子
【宣伝ヘアメイク】YOSHi.T

ツアー情報

★兵庫公演
[日時] 11月26日(土)17:00、27日(日)12:00/16:00
[会場] 兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
[チケット取扱い・お問合せ] 芸術文化センターチケットオフィス 0798-68-0255(10:00~17:00 月曜休/祝日の場合翌日)
[主催] 兵庫県、兵庫県立芸術文化センター

 

★宮崎公演
[日程] 12月3日(土)14:00、4日(日)14:00
[会場] メディキット県民文化センター(宮崎県立芸術劇場) 演劇ホール
[チケット取扱い・お問合せ] メディキット県民文化センターチケットセンター 0985-28-7766(10:00~18:30月曜休/祝日の場合翌日)
[主催] 公益財団法人宮崎県立芸術劇場、公益社団法人全国公立文化施設協会
[共催]MRT宮崎放送

 

★愛知公演
[日程] 12月10日(土)12:00、11日(日)12:00
[会場] 刈谷市総合文化センター 大ホール
[チケット取扱い] メ~チケ 
[お問合せ]メ~テレ事業 052-331-9966(祝日を除く月~金10:00~18:00)
[主催] メ~テレ、メ~テレ事業
[共催] 刈谷市、刈谷市教育委員会、刈谷市総合文化センター(KCSN共同事業体)

 

★長野公演
[日程] 12月16日(金)19:00、12月17日(土)13:00
[会場] まつもと市民芸術館 主ホール
[チケット取扱い・お問合せ]まつもと市民芸術館チケットセンター (10:00~18:00)
0263-33-2200
[主催]一般財団法人松本市芸術文化振興財団
[後援]松本市、松本市教育委員会

ご来場のお客様へ

世田谷パブリックシアター/シアタートラムでは、新型コロナウイルス感染症拡大予防のため、十分な安全対策を行い、館内の衛生管理につとめております。
お客様の安全な観劇のため、感染予防対策にご協力をお願いします。

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「ご来場のお客様へ」「劇場内でのお願い」PDFダウンロードはこちら 

転売行為の禁止について

営利を目的とした入場券の転売は、いかなる場合にも固くお断りいたします。
お客様に公平にチケットをご購入いただけますよう、ご理解ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。

過去の公演におきまして、転売されたチケットをお持ちのお客様にはご入場をお断りしたケースもございます。
今後もご本人確認を行うことがございます。その際、このような行為・チケットを確認した場合にはご入場をお断りさせていただきます。

また、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、当日会場にてご本人確認を行う場合もございます。
あらかじめご了承ください。

 

公式チケットリセール「チケトレ」について
世田谷パブリックシアター11月公演『夏の砂の上』では、ご購入者様ご本人の来場が難しい場合、公式チケットトレードリセール「チケトレ」にて対応いたします。
チケットの購入をご希望のお客様は、https://tiketore.com/ からご確認ください。

 

 

 

 

チケトレに関するお問い合わせはこちら
http://redirect.pia.jp/pc/tiketore.html

公演日程表

〇=貸切公演

△=収録のため客席にカメラが入ります

◎=終演後ポストトークあり
  11月11日(金)19:00 松田正隆 白井晃(世田谷パブリックシアター芸術監督)
  ※開催回のチケットをお持ちの方がご参加いただけます

 

聞こえにくい方のための音声サポート(要事前申込・無料)
音声が聞き取りにくい方に、当日劇場ロビーにてイヤホンをお貸出しいたします。ご観劇日の3日前までにお申込みください。
お問合せ・お申込み:
お問合せフォームはこちら TEL 03-5432-1526  FAX 03-5432-1559

観劇サポート

託児サービス

世田谷パブリックシアター、シアタートラムで行われる、前売入場券を販売する公演では基本的に託児サービスがございます。

料金 2,200円(1名につき)
対象 生後6ヶ月以上9歳未満
申込 03-5432-1526 世田谷パブリックシアター
ご利用希望日の3日前の正午まで受付けますが、定員になり次第締め切らせていただきます。お早めにご予約ください。また、障害のあるお子様についてはご相談ください。
委託 キッズルーム・てぃんかぁべる三茶

車椅子スペース

世田谷パブリックシアター、シアタートラムとも車椅子のままご観劇いただける車椅子スペースがございます。定員に限りがございますので、ご利用にあたり予約が必要です。

料金 該当エリアチケット料金の10%割引【付添者は1名まで無料】
申込 03-5432-1515 劇場チケットセンター

ご利用希望日の前日(予定)の19時まで受付けますが、定員になり次第締め切らせていただきます。お早めにご予約ください。