概要

 

 

社会主義体制下のやるせない愛と人生を描いたドイツ発の同時代戯曲 
翻訳・演出:小山ゆうな、出演:浦井健治/前田旺志郎 岡本夏美/高岡早紀 ほか
実力派メンバーにより上演

社会主義体制が永遠に続くかに見えた時代のやるせない愛と人生を描いた『愛するとき 死するとき』をお届けいたします。翻訳・演出は、生まれ育ったドイツ作品の翻訳劇を中心に、昨今の活躍が目覚ましい小山ゆうな。出演者には 浦井健治高岡早紀前田旺志郎小柳友篠山輝信岡本夏美山﨑薫の実力派 メンバーが集結いたします。       

長引くコロナ禍により日々の生活に閉塞感を抱える人も多い今だからこそ、日常と対比しながら、人類にとって普遍的なテーマである「愛」を通し、現実への反発と許容をより明晰に描き出す人間ドラマ『愛するとき 死するとき』。どうぞご期待ください。

 


 

三部構成でお届けする本作。出演者が各部でそれぞれ年齢も背景も異なる複数役を演じ分けるのも見どころです。

物語の中核を担うのは、ミュージカル、ストレートプレイ、映像作品と多分野で安定した演技力を披露する浦井健治。世田谷パブリックシアター主催公演では、シェイクスピア作『トロイラスとクレシダ』(演出:鵜山仁)で戦いに翻弄され変わっていくトロイラスを、イプセン作『ペール・ギュント』(演出:ヤン・ジョンウン)で幸せを追い求め彷徨うペールを、繊細な演技で体現してきました。シアタートラムには本公演が初登場となります。音楽劇的な部分もある本作では、その歌声を聞けるところも楽しみのひとつとなるでしょう。

恋人、母親など複数役を演じ分けるのは高岡早紀。世田谷パブリックシアター×東京グローブ座『エレファント・マン』(演出:森新太郎)のケンダル夫人では、その知的な演技と優美な姿で観客を魅了しました。様々な女性像をどのように描き出すのか、幅広い演技に期待がかかります。

子役デビュー、兄弟お笑いコンビを経て俳優活動を行う前田旺志郎もシアタートラムに初登場。NHK連続テレビ小説「おちょやん」への出演が記憶に新しい前田が、客席数約200席という濃密な空間で新境地を拓きます。

ワジディ・ムワワド作 “約束の血”4部作へは全作(世田谷パブリックシアター主催『炎 アンサンディ』、『岸 リトラル』、『森 フォレ』)に出演し鮮烈な演技が話題となった小柳友、『チック』(17・19)、リーディング公演『イザ ぼくの運命の人 / PICTURES OF YOUR TRUE LOVE』(18)に続けての小山ゆうな演出作への出演となる篠山輝信、さらにモデルでデビューし、近年、舞台・映像での活躍が著しく注目を集める、シアタートラム初登場の岡本夏美、今や若手実力派とも称される山﨑薫も加わります。

小山ゆうな演出のもと、7人の精鋭メンバーで「愛」がテーマの人間ドラマを描き出します。

 


作品について

 

本作は、映画「Time Stands Still」(1981年、ハンガリー、ペーテル・ゴタール監督)や、映画「A Time to Love and a Time to Die」(1958年、エリッヒ・マリア・レマルク原作、ダグラス・サーク監督)などからインスピレーションを受け、ドイツの作家フリッツ・カーターが綴った三部構成の戯曲です。東ドイツで生まれ、東ベルリンで育ったカーターは成人後、西ドイツに移住。ベルリンの壁崩壊後、再びベルリンに戻り、創作活動を行います。ベルリンの壁崩壊前の社会主義体制下で青春期を過ごした作家自身の経験を活かし、社会主義国家の息苦しい日常や反体制運動、西ドイツへの逃亡などを背景に、ときにコミカルに、ときにシリアスに、またときにメランコリックに、普遍的な人間の感情を描いたのが『愛するとき 死するとき』です。

翻訳・演出を手掛けるのはドイツで生まれ育ち、劇団NLTの演出部を経て、現代劇、リーディング、ミュージカルと幅広く活躍する小山ゆうな。世田谷パブリックシアター主催公演では『チック』、リーディング公演『イザ ぼくの運命のひと / PICTURES OF YOUR TRUE LOVE』に続く三作目の演出作品となります。『チック』での複数の演劇賞受賞を機に様々なジャンルの演出経験を積み上げてきた小山にとって、本公演は凱旋公演とも言えるでしょう。

音楽・演奏は国広和毅が務めます。 小山ゆうな演出作『イザ ぼくの運命のひと / PICTURES OF YOUR TRUE LOVE』や、“約束の血”4部作『炎 アンサンディ』『岸 リトラル』『森 フォレ』などにおいて、物語の世界観を高める音楽を創造してきた国広が本作のために作曲したオリジナル楽曲を用い、舞台の前半部分は音楽劇と言っても過言ではない日本版だけの特別構成でお届けします。数々のミュージカルで主演を務めてきた浦井健治とのコラボレーションは必見です。

独立した三つのお話からなる本作ですが、浦井健治が青春ど真ん中の無軌道な青年、そして青春期を過ぎ現実の壁を目のあたりにする男性、さらに人生のやり直しを試みようとあがく壮年期の男性を演じ分けていくことで、一人の人間の時間経過に寄り添っていくようにも見える構成を組み立ててお届けしてまいります。

 

 

STORY

第1部 
東西統一前の東ベルリン。典型的な社会主義国の若者たちの他愛のない日常が描かれる。青春の悩みは壁のこちら側でもあちら側でも同じ。生きること、愛することの葛藤と悩みはつきない。そして青春時代は瞬く間に過ぎていく。

第2部 
父親が妻とまだ小さな子供たちを残して西側へ逃亡してしまったとある家族。月日は経ち10代後半に成長した2人の息子は母親と3人で東側で暮らしている。かつての反体制派の英雄ブロイアーおじさんが刑務所から出てきたが、今となっては「目立つな、英雄を気取るな、列に並んでみんなと一緒に行動しろ」というのが若者たちへの助言だ。昔の輝きはまったく無い。だがブロイアーは母親と急接近していく。兄弟の間に一人の女性が現れる。弟は彼女に夢中になるが、気づくと彼女は兄の彼女になっていた。彼らは恋と失恋をたくさん繰り返しながら、ままならない日常の中で大人に近づいていく。母親とブロイアーの関係はまだ続いていた。そしてある日……。

第3部
妻子ある男は、仕事のためにある土地に移り住み一人暮らしを始めたが、これといってかわりばえのない日々を過ごしていた。しかし彼は食堂で働く女性と出会ってしまった。男と女はあっという間に恋愛関係に陥る。二人は旅行にも行って、喧嘩もして、そして仲直りもする。とうとう男は妻子と別れる決心をした。だが彼女は……。

スタッフ/キャスト

【作】フリッツ・カーター 
【翻訳・演出】小山ゆうな

【音楽・演奏】国広和毅 【美術】乘峯雅寛 【照明】佐藤啓 【音響】尾崎弘征 【衣裳】半田悦子 
【ヘアメイク】林みゆき 【振付】田井中智子 【演出助手】高嶋柚衣 【舞台監督】澁谷壽久

【宣伝美術】秋澤一彰 【宣伝写真】牧野智晃 
【宣伝ヘアメイク】松橋亜紀 【宣伝スタイリスト】立山功

【出演】浦井健治 /
    前田旺志郎 小柳友 篠山輝信 /
    岡本夏美 山﨑薫 /
    高岡早紀

 

翻訳・演出:小山ゆうな コメント

 

小山さん(名前あり)0803_hp

『愛するとき 死するとき』は、東ドイツで育ち、東西ドイツ統一を経験したフリッツ・カーターが、2002年に発表した作品です。

カーターは、現在、ドイツ演劇界を代表する演出家・劇作家の一人で、2002年には本作で『テアターホイテ』誌の「今年の作家」に選出されました。
2000年代初頭は、東西ドイツの壁が崩壊し、二つの国が統合されてから、約10年経ったにもかかわらず、人々が、埋まらない精神的「分断」や、悪化する格差にある種絶望感を覚え、東西ドイツに関する芸術作品も沢山生まれた時期でした。

それから、更に20年が経とうとし、ドイツでも分断は解消されるどころか亀裂は深まり、世界的に「分断」がキーワードとなる現在、『愛するとき 死するとき』に登場する人物達が抱える問題や、諦念、希望は今の私たちの抱える様々なジレンマをはっきり映す鏡となっています。

初めて浦井さんとお目にかかったのは、コロナウィルスの影響が日本にも広がり始めた時期でした。無意味な「分断」を生み出さない稽古場の大切さについて語っていらした姿に、暗くのしかかる不安を跳ね除ける清々しさを感じました。

浦井さんを始め、高岡さん、前田さん、岡本さん、小柳さん、篠山さん、山﨑さん、いつも舞台に清らかな空気や温かい空気を運んで下さるメンバーが出演します。作品も、時間をかけた創作過程も、このメンバーの集結も世田谷パブリックシアターさんにしかできない企画だろうと思います。「分断」された社会の中で愛と死を通過しながら、必死に生きる人々を皆で描き出していける事が楽しみです。

この状況下、観てよかったと思っていただける作品にすべく稽古していきたいと思っております。

出演者コメント

◆浦井健治
どんな作品をやろうかと、プロデューサーさんと共に、演出の小山さんとお会いした時、世の中が急変していく時期で、今後の作品が上演出来るのかどうかという不安や、演劇界自体の灯火を消さないようにみんなで繋がっていく心の結びつきを感じていました。それが今、緊急事態宣言というものが、私たちの生活の中に、ここまで常にある状況になるとは。

この戯曲は、今の時代だからこそ、とても心に刺さってくると感じています。

戯曲の時代設定の中での、人の精神状態や、環境による葛藤。その中でも、人間は、青春を謳歌しようとし、群像劇として立ち上がって見えるのは生きる力であって、それは老若男女、誰もが、死というものを見つめながら、それが近いものであるかもしれないことを知りながら、懸命に生きることを全うしようとする。助け合う。繋がろうとする。その心に、戯曲が時にポップに、時に淡々と、独特のリズムで迫ってくる気がします。

今回初めてシアタートラムという空間でやらせて頂けること。ある先輩が、浦井はトラムみたいな小屋でもどんどん芝居をやらせてもらえ!な!面白いんだから!な!と、ニヤニヤしながら伝えてくれたこと、忘れません。そのトラム。大切に務めます。

 

◆高岡早紀
今回、演出家の小山ゆうなさん、主演の浦井健治さんも含めてほとんどの出演者と初共演になります。そして、シアタートラムは観客として足を運んでいましたが客席がものすごく近く、緊張感しかない劇場に私が立てることが、とても楽しみで仕方ありません。

愛と死をテーマに、小山さんがどのような演出をなさるのか、ドキドキしながら稽古に臨みたいと思います。

 

◆前田旺志郎
今回この作品に参加させてもらえることが決まった時はドキドキしました。これまで自分がやった事のない舞台であることは、台本を読んだ瞬間すぐに分かったからです。まだ稽古に入っていないのでわからない事だらけですが、未知の時間を共演者の皆様と一緒に模索しながら楽しめたらと思っております。世の中はコロナが中々収まらず危ない状況ではあると思いますが、感染対策には最善を尽くします。娯楽が少ない今だからこそ劇場に足を運び、少しでも楽しんでもらえたらと思います。

 

◆小柳友
新しい挑戦の日々が訪れることに正直、震えております。毎日、震えております。ですが台本を読めば読むほど不思議と高揚している自分もいます。東西に分けられていた閉塞的な世界の中でもがきながらも、弾ける青春のエネルギーの一つになれたら幸いです。

このご時世に劇場に足を運んで下さる皆様には本当に感謝しかありません。舞台に立たせていただける喜びを胸に駆け抜けたいと思います。

 

◆篠山輝信
僕にとって、小山ゆうなさんとシアタートラムは、これまで『チック』と『イザ ぼくの運命のひと / PICTURES OF YOUR TRUE LOVE』という作品を共につくって来た、言わば「戦友」のような存在です。そして今回また、小山さんと、トラムで、新たな挑戦の機会をいただきました。最高に信頼する演出家と、俳優と観客を暖かく包み込んでくれる最高の劇場、そして、今回初めてお会いする素晴らしいメンバーとの新しい旅が、このコロナ禍の日本でどういう意味を持つのか。持たせられるのか。緊張とともに楽しみでなりません。感染対策を十分に講じた上で劇場でお持ちしております。

 

◆岡本夏美
役者を始めてから、いつかは⽴ちたいと胸に抱いていた、シアタートラムでの公演。有難い気持ちと同時に、数々の名作を観てきたこの場所で、⾃分がどういう姿なのか…想像もつかない緊張感も溢れ出てきます。尊敬する先輩⽅の胸を借りるつもりで、思い切りこの作品に⾶び込み、数々の役柄と共に、悩み葛藤し、強く⽣きられたら、と思います。そして、この作品の、抑圧のかかる⽇常の中で、愛を知り、時に下を向き、また前を向いて歩いていく、そんな⼈々を⾊濃く表現し、皆様の⼼に何か残るように演じたいと思います。

 

◆山﨑薫
人が避けては通れない「愛するとき」や「死するとき」。
コロナ禍、このタイトルに大きく心を揺さぶられている自分がいます。
台本に初めて目を通した時、句読点のない文字の羅列に大変魅力を感じました。
切れ目のない羅列に、作者の「分断」への大きな投げかけが伝わってきます。
役者としてこの作品の言葉を、どう区切り「分断」を掘り下げていけるか。
素晴らしいチームの皆様との稽古に、全身全霊で取り組みたいと思います。

好評につきトラムシートを発売いたします。

 

【料金】 トラムシート  一般  6,800円  高校生以下 3,400円 U24会員 3,400円

【枚数制限】1申込みにつき1公演1席種2枚まで

【発売日】10/16(土)10:00~
※10/16(土)の発売初日はオンラインチケットのみ受付。10/17(日)以降に残席がある場合、電話予約でも受付。

 

※トラムシートは座席ではなく、客席最後部の壁に備え付けられたバーに寄り掛かる半お立見のスペースです。
 通常の座席とは異なります。

※トラムシート発売後に、追加席や当日券で指定席を販売する可能性がございます。
 ご了承のうえお求めください。

 

【トラムシート チケット取扱い】
世田谷パブリックシアター オンラインチケット
https://setagaya-pt.jp/ 

世田谷パブリックシアターチケットセンター 
03-5432-1515(10:00~19:00) ※10/17(日)以降に残席がある場合のみ受付

※世田谷パブリックシアターチケットセンターでの窓口での発売・発券はございません。

 

ご来場のお客様へ

世田谷パブリックシアター/シアタートラムでは、新型コロナウイルス感染症拡大予防のため、十分な安全対策を行い、館内の衛生管理につとめております。
お客様の安全な観劇のため、感染予防対策にご協力をお願いします。

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メディア情報

▼インタビュー・公演紹介
10/12(火)プラスアクト 浦井健治 インタビュー

ツアー情報

名古屋公演
会場:日本特殊陶業市民会館ビレッジホール
日時:2021/12/8(水)12:00 ◎
   ◎終演後、ポストトークを開催。登壇予定者:小山ゆうな 浦井健治 高岡早紀 ほか
(お問い合わせ メ~テレ事業:052-331-9966 10:00~18:00/土曜・祝日休)

★兵庫公演
会場:兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
日時:2021/12/11(土)13:00 ◎
       12/12(日)13:00
   ◎終演後、ポストトークを開催。登壇予定者:浦井健治 高岡早紀 ほか
(お問い合わせ 芸術文化センターチケットオフィス:0798-68-0255 10:00~17:00 月曜休/祝日の場合翌日)

 

メインビジュアル/チラシ

公演日程表

△=記録用収録のため客席にカメラが入ります

◎=終演後ポストトークあり
登壇予定者 小山ゆうな 浦井健治 高岡早紀 ほか
※開催回のチケットをお持ちの方がご参加いただけます

聞こえにくい方のための音声サポート(要事前申込・無料)

音声が聞き取りにくい方に、当日劇場ロビーにてイヤホンをお貸出しいたします。ご観劇日の3日前までにお申込みください。
お問合せ・お申込み:
(TEL)03-5432-1526、(FAX)03-5432-1559、(MAIL)support@setagaya-pt.jp