概要

【最終版】『森 フォレ』メインビジュアル第2弾

宣伝美術:秋澤一彰 宣伝写真:山崎伸康

数々の演劇賞を受賞した『炎 アンサンディ』『岸 リトラル』に続く
 “「約束の血」4部作”第3弾 待望の上演決定!
ワジディ・ムワワド作の一大叙事詩の集大成に、再び上村聡史が挑む

 

世⽥⾕パブリックシアターではこれまでに『炎 アンサンディ』(2014年初演、17年再演)、『岸 リトラル』(17年戯曲リーディング公演、18年本公演)と、気鋭の劇作家ワジディ・ムワワド作“「約束の ⾎」4部作”シリーズを上演してまいりました。宗教・戦争・歴史といった、⽇本⼈にとっては⼀筋縄ではいかない題材を超越していく、スリリングなストーリー展開と観客を魅了する圧倒的な台詞の響き。そしてなによりそれらを表出していく充実のスタッフワークとキャスト陣の演技。これらが⾼く評価され、数々の演劇賞を受賞するにいたりました。続く第3弾の上演を⼼待ちにする声を多数頂いておりましたが、『岸 リトラル』の上演以来、3年の歳⽉を経て、満を持して『森 フォレ』を上演いたします。

演出を手掛けるのは、『炎 アンサンディ』、『岸 リトラル』を数多くの演劇賞受賞(※1)へと導いた上村聡史。役の心情のみならず、社会・政治背景まで正確に分析して表現する緻密な演出力を生かし、同シリーズの中でも集大成と言える大作『森 フォレ』に挑みます。
またスタッフ陣も『炎 アンサンディ』以来、全員同じ布陣が今作でもまた顔を合せ、最高のスタッフワークで臨みます。

出演には、『岸 リトラル』で読売演劇大賞最優秀男優賞を受賞した岡本健一、『炎 アンサンディ』で菊田一夫演劇賞大賞を受賞した麻実れいほか、栗田桃子亀田佳明小柳友といった前2作でその研ぎ澄まされた演技をいかんなく発揮した顔ぶれが並びます。
更に、成河瀧本美織岡本玲松岡依都美前田亜季大鷹明良といった、近年の演劇界を牽引するメンバーが加わり、総勢11名の実力派俳優が集結。世界の歴史の背景に翻弄された人間たちの宿命的な生きざまを一大叙事詩として、2021年の日本にて表出します。どうぞご期待ください。

※1
『炎 アンサンディ』
◆2014年初演
第69回文化庁芸術祭賞 演劇部門 関東参加公演の部 大賞
第22回読売演劇大賞 最優秀演出家賞(上村聡史)
第56回毎日芸術賞 第17回千田是也賞(上村聡史)
第7回小田島雄志・翻訳戯曲賞(藤井慎太郎)
◆2017年再演
第42回菊田一夫演劇賞 演劇大賞(麻実れい)

『岸 リトラル』
第26回読売演劇大賞 優秀作品賞
第26回読売演劇大賞 最優秀男優賞(岡本健一)


【受賞】
第五十六回 紀伊國屋演劇賞 個人賞
上村聡史(『森 フォレ』(世田谷パブリックシアター)、『Osloオスロ』(サンライズプロモーション東京)の演出において)

第29回 読売演劇大賞 
最優秀演出家賞 上村聡史(『森 フォレ』『Oslo』の演出)
優秀スタッフ賞 国広和毅(『森 フォレ』『Oslo』『ザ・ドクター』の音楽)
優秀スタッフ賞 長田佳代子(『森 フォレ』『一九一一年』の美術)


作品について

本作を生み出した劇作家ワジディ・ムワワドはレバノン生まれで内戦を経験。フランス、次いでカナダに亡命後にフランスへ渡り精力的な演劇活動を続けていますが、自己の体験から戦争を背景に自らのルーツを辿る作品を多く発表しています。彼の代表作である“「約束の血」4部作”は家族をテーマに扱った作品群で、その中の一作が2006年に創られた『森 フォレ』です。

母の死により自らのルーツを辿ることになる少女の成長が、人々が繋げる「血の創生」に着目しながら、8世代と2大陸にまたがる壮大な時空間の中に立ち上がる構成を取っています。ときは現代からベルリンの壁崩壊、第二次世界大戦、第一次世界大戦、普仏戦争、産業革命後のヨーロッパまでさかのぼります。二つの世紀をまたぎ、娘から母へ、母から祖母へ、祖母からまたその母へと、戦争の世紀に押しつぶされた声なき人たちの声を現代に響かせます。

 


STORY

1989年11月ベルリンの壁崩壊直後、モントリオールに住むエメ(栗田桃子)に発作が起き、知るはずもない第一次世界大戦中のフランス兵・リュシアン(亀田佳明)の名前を口にする。妊娠中のエメの脳に生じた悪性腫瘍がその原因として考えられ、エメが生き延びる為には、堕胎を選択するしかなかったが、彼女は出産を決断し、娘ルーを産んだ。その後エメは意識不明の状態に陥り、15年後に息をひきとった。

20歳に成長した娘ルー(瀧本美織)は、偶然にも母エメと同じ形をした第二次世界大戦時の被害者の頭蓋骨を所持するというフランスの古生物学者ダグラス(成河)の来訪により、母の死の真相を、父バチスト(岡本健一)から聞くことになる。「母エメは双子を妊娠したが、男児の方が、エメの子宮から脳へと移り住み、まるで、その男児が悪性腫瘍を引き起こしたようだ」と。

ダグラスの説得により、ルーはカナダ北部セントローレンス川の畔に住む、母を捨てた祖母リュス(麻実れい)に会いに行くことになるが、さらにリュスの母が第二次世界大戦をレジスタンスとして生きたリュディヴィーヌ(松岡依都美)であるということを知る。ルーとダグラスは偶然に導かれながら、自らのルーツを探るために、フランスへと旅立って行く……。

 


演出・上村聡史からのメッセージ

再びワジディの台詞に出会えることを大変嬉しく、改めて、想像力というものが、いかに人生にとってかけがえのない産物かということを思わせてくれる氏の世界観に、表現の可能性を感じ、演出できる喜びを噛みしめています。

いつもながらの、個人の小文字の物語と歴史の大文字の物語が交差する作劇は、深遠な想像を喚起することはさることながら、今作は、前二作の中東をイメージした舞台設定から、ヨーロッパへと舞台を移します。時間軸も、産業革命後の資本社会が台頭する1870年から、第一次・第二次世界大戦という戦争の世紀を潜り抜けて、閉塞感漂う神なき現代までの約150年が描かれます。とりわけ、『森 フォレ』は“女性の身体”が重要なキーワードとなっていて、愛や憎しみ、不安や渇望といった普遍的な感情が、脳、血、顎、腹、肌、性器、心臓といった身体のパーツへと反映され、それら身体の神秘と可能性が物語を大きく突き動かしていきます。その純然たる身体と感情の迸りを、“約束の継承”とも言うべきテーマへと繋げ、熱量と詩的な奥行きを感じる、歴史と個人の一大叙事詩として、今の時代に仕立てたいと思います。

これまでの『炎 アンサンディ』『岸 リトラル』を共に創りあげた心強いスタッフ・キャストと、今回が初参加になるキャストとの刺激的かつ鮮度ある組み合わせで、本シリーズの集大成となるべく醍醐味に、どうぞご期待ください。

スタッフ/キャスト

【作】ワジディ・ムワワド 【翻訳】藤井慎太郎
【演出】上村聡史

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ワジディ・ムワワド
ⒸSarah Moon

上村聡史
Ⓒ秋倉康介

 

 

 

 

 

 

 

【美術】長田佳代子 【照明】沢田祐二 【音楽】国広和毅 【音響】加藤温 【衣裳】半田悦子
【ヘアメイク】川端富生 【アクション】渥美博 【演出助手】生田みゆき 【舞台監督】大垣敏朗

 

【出演】
成河 瀧本美織 /
栗田桃子 前田亜季 岡本玲 松岡依都美 / 亀田佳明 小柳友 大鷹明良 /
岡本健一 麻実れい

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初日コメント

『森 フォレ』 開幕!

演出の上村聡史、出演の成河、瀧本美織、栗田桃子、前田亜季、岡本玲、松岡依都美、亀田佳明、小柳友、大鷹明良より、公演初日(7/6)を終えた心境について、コメントが届きました。

▼演出/上村聡史
十年前にこの戯曲に惹かれ、そしてその間に高い壁であることを理解しながらも、改めて今日ワジディ・ムワワドという作家の凄さを再認識し、自分が目指したかった演劇は間違いでなかったことを劇場に集った全ての方々が証明してくれた、そのような初日でした。それは、11人の出演者たちをはじめとするカンパニーの皆が、この状況下、勇気を振り絞って劇場にご来場したお客さまとともに140年もの時間を旅し、世界に押し潰された声を、自分自身で押し潰してしまった声を、共に血の滲む思いで掬い上げ、劇場が怒りと喜びで一体化できたこと、このことに尽きます。

決して「楽しい芝居」というシンプルな言葉では表せない作品ですが、この混迷の今だからこそ、『森』の中にうごめく声たちが、皆さんの心を解放してくれると思います。是非、劇場で体験いただけたら何よりです。

▼成河
幕が開くまでは、お客様はこの物語をどのように感じてくれるのだろうかと不安を感じていました。
でも今日、初日の公演で、お客様が素直にこの物語を受け止め、ついてきてくださったおかげで、
演じている僕自身もよりこの物語への理解度が高まるという、貴重で稀有な体験をしました。

上村さんにはずっと見えていたであろうロジックのおかげで、この戯曲に立ち向かうことができました。
上村さんが与えてくれた武器を手に、最後の最後まで感覚を研ぎ澄ませて、この舞台を務めたいと思います。

▼瀧本美織
個人的には舞台が三年ぶりでして、世の状況も相まってお客様の温かい拍手と表情に心から感動しました。
劇場に赴き、壮大な旅を共にしていただいたことに感謝致します。
諦めずルーという役に立ち向かってきて良かったと思えた瞬間でした。

また、上村さん、スタッフさん、素晴らしい先輩方と今作で出逢えて幸せです。
魂を込めてルーを生き抜きたいと思います。

▼栗田桃子
なかなか、落ち着かない状況の中で、無事に初日を迎えることが出来たこと、
そして何よりも劇場まで足を運んで、観てくださったお客様に感謝の気持ちでいっぱいです。
ありがとうございました。生の舞台だからこそ伝えられるものがあると思います。

劇場は、感染対策に万全を期してお客様をお待ちしています!
一人でも多くの方に観ていただきたいです。是非、観にいらしてください。

▼前田亜季
幕が開き、お客様と共にエネルギーの交換をしながら熱量が上がっていく体感がありました。
板の上でも、袖で舞台を見つめている時も、心に突き刺さる言葉が沢山あります。
そして舞台上でそれぞれの役として生き、バトンを渡し繋いでいく事にも心震える初日でした。

全てを理解するというのは難しい芝居なのかもしれませんが、その瞬間の光、言葉など、ハッとするような美しさのある作品だと思います。
心に引っかかる瞬間があると嬉しいです。劇場に足を運んでくださったお客様に心から感謝します。

▼岡本玲
初日を終えて、やっとこういう作品だったんだと全貌が見えました。
すごく良い緊張感をもって観てくださる空気が伝わってきて、もっとこの作品空間をお客さまの方に広げていけるように…と、
お客さまへの感謝の思いで動かされた部分が大きかったです。

前情報でちょっと難しそうな作品かもと思う方も、劇場に来て生でこの作品を感じてもらえたら、
きっと自分の人生が、家族だったり大切なものと結びつく何かが見つかると思うので、
ぜひ怖がらずに見に来ていただけたら心から嬉しいです。

▼松岡依都美
カーテンコールでお客様がスタンディングオベーションをしてくださって、こちらが感動してしまいました。
皆さん凄い集中力で観てくれていて、お客様のリアクションでこちら側ものってくる感じがありました。
客席からエネルギーを感じて、やっぱり演劇はお客様が入って完成するんだと再確認させてもらいました。

観ていて色々な感情が出てくる作品だと思うので、こういう世の中だからこそ、
この作品を観て色々な気持ちを発散してもらえたら良いなと思います。

▼亀田佳明
外出にリスクを伴う中、劇場にいらして下さいましたこと感謝申し上げます。
緊張の初日でしたがお客様の集中力に支えられ、その反応や空気に気付かされることが多くあり、作品を共有している喜びを感じました。

役を通して、人間の心根の深さ、不確かさを考え続けています。
少しでも深部に触れることができたらと思います。

▼小柳友
こんなに喜びに満ちた笑顔でおつかれさま!と言えたのは想像以上で、皆で乗り越えることができて良かったと、本当に思いました。
初日のお客さまの優しさはもちろん、スタッフの方々の感染対策のおかげで舞台に立てたからこそ、
スタンディングオベーションをいただけたのだと思います。

コロナ禍で心が本当に疲れていく今だからこそ、皆さんに作品でメッセージを届けたいです。

▼大鷹明良
この舞台をお客様と一緒にできたということは、お客さんと一緒に3時間強、140年にわたる旅をしたな、という感覚です。
非常に素晴らしいお客様たちで、本当に安心して舞台にたてました。

このコロナ禍でこれだけのお客様に来ていただき、そして真剣に見ていただいて、僕らもそれに応えることができて本当に良かったと思います。
明日以降いらっしゃるお客様も、ぜひ一緒に旅をしましょう。

▼岡本健一
壮絶な状況の中、懸命に生きる登場人物たちが織り成す家族・友人たちとの絆の強さに、
自分自身がもっと懸命に生きなければいけないなと感じさせられました。

ワジディ・ムワワドが紡ぎだす独自の世界観と、美しい言葉の中には、
これからの世界を築いていく若い世代への痛烈なメッセージが込められています。
言葉では伝えきれないこの世界観を、ぜひ皆様にも体感していただきたいです。

劇場では、物語の世界にすぐ浸っていただけるような環境を作り上げています。
キャスト・スタッフ共に万全を期しています。
ぜひ、『森 フォレ』の世界にお越しください。

▼麻実れい
お客様が、この物語の時空を超える長い旅を私たちと共に過ごしてくださったことを実感しました。
カーテンコールでスタンディングオベーションをいただけたことにも感動しました。

この壮大な物語を千秋楽まで演じ遂げられるよう、努めたいと思います。
豊かな、素晴らしい作品に出会えたこと、素晴らしい仲間たちと演出家に出会えたことに感謝しています。
幸せです。

ご来場のお客様へ

世田谷パブリックシアター/シアタートラムでは、新型コロナウイルス感染症拡大予防のため、十分な安全対策を行い、館内の衛生管理につとめております。
お客様の安全な観劇のため、感染予防対策にご協力をお願いします。

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※ご観劇当日のご来場に際しまして、新型コロナウイルス感染症対策に関してのご心配やご不明点は、ご来場当日開演3時間前までにこちらからお問合せください。
※お返事にはお時間をいただきますので予めご了承ください。
【受付は終了しました】

当日券情報

当日券は、公演当日朝10:00~開演の2時間前まで世田谷パブリックシアターチケットセンター(電話03-5432-1515)にて電話予約を承ります。
前売券の発売状況によって、当日券の発売がない場合がございます。
事前にチケットセンターにお問合せ下さい。

なお、7/17(土)12:00公演のみ、10:00から開演の1時間30分前(10:30)まで受付。

※前売券は残席がある限り、前日までご予約を承ります。
 世田谷パブリックシアターチケットセンター:公演日前日19:00まで、電話03-5432-1515にて受付
 世田谷パブリックシアターオンラインチケット:公演日前日23:30まで受付

※下記公演に関しては、7月12日(月)以降、前売券及び当日券の販売はございません。
 7月16日(金)14:00
 7月22日(木・祝)14:00
 7月23日(金・祝)14:00
 7月24日(土)13:00

メインビジュアル第1弾(画:榎本マリコ)/チラシ

 

【最終版】『森フォレ』チラシ表面

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メディア情報

▼初日コメント・レビュー・劇評
8/13(金)日経MJ 中本千晶のレビューレビュー 公演レポート
7/19(月)Yahoo!中本千晶 公演レポート
7/17(土)ニュースソクラ 劇評
7/15(木)毎日新聞 夕刊 劇評 
7/15(木)朝日新聞 夕刊 劇評
7/13(火)読売新聞 夕刊 劇評
7/9(金)シアターテイメントニュース 初日コメント・舞台写真
7/9(金)エンタメターミナル 初日コメント・舞台写真
7/9(金)ローチケ!演劇宣言 初日コメント・舞台写真
7/8(木)おけぴ 初日コメント・舞台写真
7/8(木)エントレ 初日コメント・舞台写真
7/8(木)ステージナタリー 初日コメント・舞台写真
7/8(木)SPICE 初日コメント・舞台写真
7/8(木)ぴあアプリ 初日コメント・舞台写真

▼インタビュー・公演紹介など
8/7(土)読売新聞 朝刊 岡本健一 インタビュー
7/6(火)「すばる」8月号 藤井慎太郎、上村聡史 インタビュー
7/2(金)ぴあアプリ「中井美穂めくるめく演劇チラシの世界」 上村聡史、榎本マリコ インタビュー
6/29(火)SPICE 上村聡史、成河、亀田佳明 インタビュー
6/29(火)ステージナタリー「ケイコレ」 麻実れい インタビュー
6/29(火)読売新聞 夕刊 麻実れい インタビュー
6/25(金)「BEST STAGE」8月号 成河、亀田佳明 インタビュー
6/25(金)「STAGE navi」 麻実れい、岡本健一 インタビュー
6/24(木)朝日新聞 夕刊 岡本健一 インタビュー
6/24(木)朝日新聞 夕刊「おんなのイケ麺」 麻実れい インタビュー
6/10(木)「文藝春秋」7月号 瀧本美織 随筆
6/7(月)早川書房 「悲劇喜劇」7月号 戯曲掲載
6/6(日)ザテレビジョン 瀧本美織 インタビュー
6/1(火)バレエチャンネル「ステージ交差点」公演紹介
5/28(金)ぴあアプリ 上村聡史、瀧本美織インタビュー
5/27(木)朝日新聞 夕刊「おんなのイケ麺」 瀧本美織インタビュー
5/18(火)サンデー毎日 岡本健一 インタビュー
5/13(木)朝日新聞  夕刊「オトコの別腹」 上村聡史インタビュー
5/13(木)act guide 2021 Season 8  麻実れい、岡本健一、栗田桃子、小柳友 インタビュー
5/13(木)act guide 2021 Season 8  上村聡史、成河、瀧本美織、亀田佳明 インタビュー
5/12(水)anan 岡本健一 インタビュー
5/6(木)BEST STAGE Plus VOL.4 上村聡史 インタビュー

▼TV・ラジオ出演
6/8(火)19:00~ フジテレビ「今夜はナゾトレ」瀧本美織ゲスト出演
6/7(月)23:00~(全10回放送) タカラヅカ・スカイ・ステージ「OGエンターテイメントTV NAVI」#235 麻実れい インタビュー
6/7(月)20:00~ フジテレビ「痛快TV スカッとジャパン」瀧本美織ゲスト出演
6/5(土)13:00~放送 ニッポン放送「サタデーミュージックバトル 天野ひろゆき ルート930」岡本健一、瀧本美織 ゲスト出演

 

ツアー情報

名古屋公演
会場:日本特殊陶業市民会館ビレッジホール
日時:2021/7/28(水)17:00
(お問い合わせ メ~テレ事業:052-331-9966 10:00~18:00/土曜・祝日休)

兵庫公演
会場:兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
日時:2021/8/7(土)・8/8(日・祝)各日13:00
(お問い合わせ 芸術文化センターチケットオフィス:0798-68-0255 10:00~17:00 月曜休/祝日の場合翌日)

 

撮影・インタビュー岡本健一 『森 フォレ』稽古場インタビュー動画 公開中

7月6日の開幕に向け、連日熱気あふれる稽古が続く稽古場で
岡本健一さんが出演者・スタッフの皆さんにインタビュー・撮影した動画を
世田谷パブリックシアターyoutubeチャンネルで順次公開いたします。

稽古場の雰囲気や、公演への意気込みなど、カンパニーの一員である岡本さんだからこそ引き出せたエピソードの数々。
ご観劇前にぜひご覧ください。

※名前をクリックするとyoutubeに接続します。

★『森 フォレ』稽古場インタビュー 亀田佳明 その① 亀田佳明 その②
★『森 フォレ』稽古場インタビュー 前田亜季 その① 前田亜季 その②
★『森 フォレ』稽古場インタビュー 舞台監督 大垣敏朗
★『森 フォレ』稽古場インタビュー 小柳友 その① 小柳友 その② 小柳友 その③
★『森 フォレ』稽古場インタビュー 大鷹明良 その① 大鷹明良 その②
★『森 フォレ』稽古場インタビュー プロンプター 武田知久
★『森 フォレ』稽古場インタビュー 松岡依都美 その① 松岡依都美 その② 松岡依都美 その③
★『森 フォレ』稽古場インタビュー 成河 その① 成河 その② 成河 その③
★『森 フォレ』稽古場インタビュー 岡本玲 その① 岡本玲 その② 岡本玲 その③
★『森 フォレ』稽古場インタビュー 栗田桃子 その① 栗田桃子 その② 栗田桃子 その③
★『森 フォレ』稽古場インタビュー 瀧本美織 その① 瀧本美織 その② 瀧本美織 その③
★『森 フォレ』稽古場インタビュー 麻実れい その① 麻実れい その② 麻実れい その③
★『森 フォレ』稽古場インタビュー 上村聡史 その① 上村聡史 その② 上村聡史 その③
★『森 フォレ』稽古場インタビュー 岡本健一 その① 岡本健一 その② 岡本健一 その③

『森 フォレ』公式Twitter 情報配信中!

『森 フォレ』の公式Twitterが始動いたしました。

森 フォレ2021 現場便り世田谷パブリックシアター(公式)
@mori_forets2021

稽古場の雰囲気や進行状況、『森 フォレ』作品の豆知識などをお届けします。
ぜひチェックしてみてください!

動画

舞台写真

no images were found

『森 フォレ』作者ワジディ・ムワワド 覚書

『森 フォレ』はワジディ・ムワワドによる「約束の血 4部作」の第3部となる作品ですが、
ストーリーとしては1部『炎 アンサンディ』、2部『岸 リトラル』とは独立したものになります。

作者ムワワドのこのシリーズへの思いが書かれた文章を掲載いたします。ご観劇の手引きになればと思います。

あらゆるものを存在せしめる矛盾

自然は身を隠すことを好む
ヘラクレイトス

出来事はしばしば、私たちの知らない間に決まり、生じるものだ。私たちのもとにやってくるときには、すでに起きてしまっているのである。すでに出来事は過ぎ去り、到来してしまっている。再見することも、見つめることもできない、というのは時間によってすでに私たちはそこから遠ざけられているからだ。出来事が出現し、到来し、目に見えるものの領域に参入するときの衝撃のみが残っている。私たちにとっての目に見えるもの。このようかたちで歴史=物語(histoire)を見つめることが私は好きだ。私が物語=歴史をつくり出すのではなく、歴史=物語が私に姿を見せるのだと考えることが。まさに私の死角、私の盲点に位置し、私には見ることができずにいた歴史=物語がこうして立ち現れる。私が歴史=物語を見出すよりも前に、歴史=物語が私を見出すのだ。私は何もつくり出さない、単に迎え入れようと努めるだけである。ひょっとすると、他者から選ばれたいとの若さゆえの欲望なのかもしれない。それも移り過ぎていくだろう。変わりやすいといわれる若さが移ろうのを待つ間にも、『森』の刊行とともに、ずっと長いこと、四部作として書かれる作品に取り組んでいることを、気づかぬままにどれだけ気づいていたか、気づくのである。しかし、第一部を書いていたときには、まさしく、それが第一部であったとは言うことができなかったのだ。そうしたことはみな少しずつ明らかになっていったのであるが、それは、霧の中を進み、そこを抜け出しては、進むとともに地面が明るく照らされ、同時に、私の後ろにあるものは再び閉ざされていくようなものであった。

こうしたことすべてはいかに始まったのか。歴史を問題にするなら、2003年に『炎 アンサンディ』を書いていたとき、私は自分を反復しているという嫌な印象と闘っていた。その前に『岸 リトラル』があったのだが、両者の作劇法は結びつき、混じり合っていた。文、そして段落、さらには語りの方法までが、一方から他方へと軽やかに移り住むようになり、私は自分自身を模倣している不快な感覚を覚えていた。物語=歴史は同じではないにも関わらず、『炎 アンサンディ』は『岸 リトラル』と同じことを語っていた以上、それは想像力の明らかな欠如を思わせた。ならば『炎 アンサンディ』を書いても一体何になるのか。

そうして、連作という考えが生まれた。それによれば『炎 アンサンディ』は、『岸 リトラル』を第一作とするような「何か」の第二作になることになる。この「何か」とはいかなるものか、何がそれを構成するのか。第三作、ひいては第四作もあるのだろうか。その問いを立てることが、見通しのきく地平を出現させ、またその地平から、私は誰かが、ある影が到来するのを見たのだが、私のもとに至るまでのその影の足どりは眺めるにも壮麗で情熱をかき立てる。その影が私に言ったのだ、「私、私こそが『森』だ」。

『森 フォレ』をもって、私にとっては、物語=歴史を語り、展開するひとつの方法が完結し、また起源を持ち遺産を継承する必要があるという確信が完結するように思われる。あたかも、私たちの存在の暴力を明らかにするために、過去よりもなおのこと重要な、命や理性を犠牲にしてまで入り込むべき闇の部分があるかのように。その意味では『森 フォレ』は、この名前も、タイトルも、何もないまま、一九九七年に創始された「何か」に決定的なかたちで幕を下ろすものである。『岸 リトラル』のウィルフリードがまず取り組み、『炎 アンサンディ』のジャンヌが引き継ぎ、『森 フォレ』においてルーがその結末へと至らせる旅の物語(オデュッセイア)に似ているともいえる「何か」。正体も不明なまま、しかし、私が思うに、約束という問題をめぐって回り続ける「何か」。守られた約束、守られなかった約束。口にされた約束、諦められ、裏切られ、守られ、そして忘れられ、そしてふたたび守られ、捨てられ、拒絶され、否定され、軽くあしらわれ、そして涙に濡れた約束。約束とその必要性。過失あるいは幸福のように、断罪あるいは勝利のように。私たちを切り刻む感覚、私たちを溺れさせる空虚に抗してなされる戦争のような約束。天空における友情としての。

天空。
まさしく。

そうしたことすべてが語られ、書かれ、編集され、演出され、上演された今、すべてを転覆させたいという奇妙な欲望を覚える。何かを語ろうとすることへの強いこだわりや、過去と起源と闇と約束のすべてを同時に掘り起こすことの重要性も、生きる上では必ずしも必要ではないことを証明しようとする切迫した必要のような。そうしたことすべての対極にいても、私たちが存在できることを。『森 フォレ』を書きながら、このような、先に到来したものと見事に矛盾するような残酷な相補物なしには、この旅の物語は完成し、結ばれ、合わせられ、再統一されることがないという確信を得た。最後のフェルマータのように訪れるこの矛盾なしには、暴力は完全なものにはなりえないのだ。

―中略―

最後に、もう一度、この冒険に盲目的にそして完全なかたちで参加してくれた俳優と考案者なしには、『森 フォレ』の執筆の最後までたどりつけなかっただろうし、その気力もなかっただろう。『岸 リトラル』と『炎 アンサンディ』でもそうだったが、『森 フォレ』にはとりわけ当てはまる。彼らの注意深さ、友情、たえまない励まし、テクストを引き受け、完全燃焼しようとする終わりなき熱意、狂乱を求めようとする狂乱、『森』が自らの人生を狂わせることを許すほどの柔軟性がなかったら、森のただなかに光を見出すことは絶対にできなかった。果たされた約束のように、与えられ、失われ、救われた命のように、彼らが与えてくれた力に対してここで彼らに感謝することは私の義務である。

ワジディ・ムワワド
2006年4月25日

ワジディ・ムワワド作『森』より引用
Forets by  Wajdi Mouawad
出版社:Actes Sud 2012年版

公演日程表

◎=終演後ポストトークあり
登壇予定者
7/11(日)13:00 成河、岡本健一、亀田佳明、小柳友、大鷹明良 
7/14(水)14:00 瀧本美織、麻実れい、栗田桃子、前田亜季、岡本玲、松岡依都美 司会:岡本健一
7/16(金)14:00 上村聡史、成河、岡本健一/野村萬斎(世田谷パブリックシアター芸術監督)
7/22(木・祝)14:00 上村聡史、成河、瀧本美織、岡本健一、麻実れい

△=収録のため客席にカメラが入ります。

聞こえにくい方のための音声サポート(要事前申込・無料)
音声が聞き取りにくい方に、当日劇場ロビーにてイヤホンをお貸出しいたします。ご観劇日の3日前までにお申込みください。
お問合せ・お申込み:
(TEL)03-5432-1526、(FAX)03-5432-1559、(MAIL)support@setagaya-pt.jp