概要

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人形浄瑠璃文楽に衝撃を与えてきた杉本文楽。
前作「曾根崎心中」では近松門左衛門の原文を忠実に舞台化しました。
今回挑むのは、同じく近松の「女殺油地獄」。この名作は、何と言っても “油まみれの凄惨な殺人”が印象に残ります。杉本文楽では、あえて、その<殺し>のくだりにこだわり、究極の「見取り狂言」をめざします。人間国宝(芸術院会員)鶴澤清治の新作曲「序曲」「下之巻・豊島屋」が聴きどころです。“刺いてはゑぐり抜いては切”の杉本博司演出で、鶴澤清治の奏でる“油の地獄の苦しみ”をお届けします。

公演の構成は、冒頭の[口上]で近松門左衛門(人形)がご挨拶。続く[序曲]では、本作品のテーマとなる三味線曲の演奏。そして[下之巻 ・豊島屋]の「前」は素浄瑠璃の形式で、最後の「奥」では人形浄瑠璃にて、油地獄をしめくくります。

※「見取り狂言」とは 演目の名場面だけを部分的に 上演する形態。

 

「女殺油地獄」について
享保六年(一七二一)大坂竹本座初演。作者は近松門左衛門。油店河内屋の与兵衛は放蕩三昧、借金の返済に困り果てる。継父・徳兵衛と実母・お沢の心配も余所にして、与兵衛は豊島屋の女房お吉に返済の金を無心するが断られ逆上、お吉を殺しに及ぶ。油店での殺人場面では、人形ならではの表現方法で、油まみれの地獄の惨状を演出する。

 

杉本博司 プロフィール
1948年東京御徒町生まれ。1970年渡米、1974年よりニューヨーク在住。杉本博司の活動分野は、写真、彫刻、インスタレーション、演劇、建築、造園、執筆、料理、と多岐に渡る。杉本のアートは歴史と存在の一過性をテーマとしている。そこには経験主義と形而上学の知見を持って、西洋と東洋との狭間に観念の橋渡しをしようとする意図がある。時間の性質、人間の知覚、意識の起源、といったテーマがそこでは探求される。2008年に建築設計事務所「新素材研究所」、2009年には公益財団法人小田原文化財団を設立。1988年毎日芸術賞、2001年ハッセルブラッド国際写真賞、2009年高松宮殿下記念世界文化賞(絵画部門)受賞。2010年秋の紫綬褒章受章。2013年フランス芸術文化勲章オフィシエ叙勲。

スタッフ/キャスト

【作】近松門左衛門(『女殺油地獄 下之巻』より)
【構成・演出・美術】杉本博司
【作曲・演出】鶴澤清治
【振付】山村友五郎

 

【太夫】
竹本千歳太夫 豊竹呂勢太夫 豊竹靖太夫

【三味線】
鶴澤清治 鶴澤藤蔵 鶴澤清志郎 鶴澤清馗

【人形 】
吉田幸助 吉田玉佳 吉田一輔
桐竹紋臣 吉田玉勢 吉田玉翔 吉田玉誉
吉田玉彦 吉田玉路 吉田玉延 吉田簑悠

【囃子】
望月太明蔵社中

 

<配役表>

【口上】
◎人形役割
(近松門左衛門)吉田玉佳

【序曲】
◎三味線
鶴澤清治、鶴澤清志郎、鶴澤清馗

【下之巻・豊島屋】
≪前≫
◎太夫・三味線
竹本千歳太夫・鶴澤藤蔵

≪奥≫
◎太夫・三味線
(河内屋与兵衛)豊竹呂勢太夫・鶴澤清治
(女房お吉)豊竹靖太夫・鶴澤清志郎

◎人形役割
(河内屋与兵衛)吉田幸助
(女房お吉)    吉田一輔

◎囃子:望月太明藏社中

◎人形部:※以下、五十音順
桐竹紋臣 吉田玉翔 吉田玉勢 吉田玉延
吉田玉彦 吉田玉路 吉田玉誉 吉田簑悠

当日券情報

開演の60分前より、世田谷パブリックシアターの劇場入り口、外テーブルにて販売します。

※前売券は残席がある限り、前日までご予約を承ります。
・世田谷パブリックシアターチケットセンター
公演日前日19:00まで、店頭&電話03-5432-1515、オンラインチケットにて受付

公演日程表

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託児サービス

前売入場券を販売する公演では、基本的に託児サービスがございます。
定員に限りがございますので、ご利用にあたり予約が必要です。

料金 2,200円(1名につき)
対象 生後6ヶ月以上9歳未満
申込 世田谷パブリックシアター
TEL 03-5432-1526
委託 キッズルーム・てぃんかぁべる三茶

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お早めにご予約ください。
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車椅子のままご観劇いただける車椅子スペースがございます。
定員に限りがございますので、ご利用にあたり予約が必要です。

料金 該当エリアチケット料金の10%割引【付添者は1名まで無料】
申込 劇場チケットセンター
TEL 03-5432-1515

定員になり次第締め切らせていただきます。
お早めにご予約ください。


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