概要
●解体新書とは
現代芸術の世界を構成しているさまざまな分野、要素をパーツに分け解体しながら、それぞれの成り立ちと根拠をあらためて問い直すシリーズです。新たな「日本演劇」の創造と劇場の基礎づくりを目的に、毎回多彩なゲストをお招きし、お互いの専門分野を駆使しながら、共通する必要不可欠なもの=「表現の本質」を探っていく企画です。通常の公演とは一線を画し、内容によって、スタイルもその都度変わるフレキシブルなものを考えております。舞台進行は、野村萬斎がホスト役となり、ゲスト・アーティストと〈トーク&パフォーマンス〉を繰り広げていくものです。ただ一方的に観て、楽しむというだけではなく、より深く舞台芸術を楽しみたいと願っている観客に向けて、その真髄を発信することを目指しています。
●今回のテーマは「解析」。
現代のテクノロジーによって野村萬斎を解析します。
長い年月を経て確立された「型」。その伝承によって芸が保たれてきた狂言の世界は、一見するとアナログ的に思えます。しかし、萬斎は若いころから、自らを“狂言サイボーグ”と称し、「型」を身体にプログラミングすることの必要性・重要性を説いてきました。その芸にひそむデジタル的側面を可視化していくことは、現代だからこそ可能なアプローチです。その解析を担ったのは、メディアアーティスト真鍋大度が率いるライゾマティクス リサーチ。今回の萬斎解析データは本邦初公開です。その可視化される伝統芸能に、時代の先端を走る二人のクリエーティブ・ディレクター、菅野薫(広告)と森内大輔(映像)が迫ります。
プログラマー 登本悠介の出演も決まりました。
スタッフ/キャスト
【出演】
野村萬斎
菅野薫(電通 クリエーティブ・ディレクター/クリエーティブ・テクノロジスト)
森内大輔(NHK クリエーティブ・ディレクター/プロデューサー/デザイナー)
登本悠介(プログラマー)
真鍋大度(メディアアーティスト/プログラマー/インタラクションデザイナー)※映像参加
Rhizomatiks Research [ライゾマティクス リサーチ]
出演者プロフィール
●野村萬斎(のむら・まんさい)
1966年東京都出身。狂言師。世田谷パブリックシアター芸術監督。人間国宝・野村万作の長男。重要無形文化財総合指定者。「狂言ござる乃座」主宰。国内外の能狂言公演はもとより、『まちがいの狂言』など狂言の技法を駆使した舞台や、『神なき国の騎士―あるいは、何がドン・キホーテにそうさせたのか?』『国盗人』『敦―山月記・名人伝―』など古典芸能と現代劇の融合を図った舞台を演出・主演、『サド侯爵夫人』を演出。構成・演出・主演を務めた『マクベス』は、日本で再演を重ねるほか、海外公演(ソウル、ニューヨーク、シビウ、パリ)も行う。このほか、主な舞台出演に『オイディプス王』(蜷川幸雄演出)、『ハムレット』(ジョナサン・ケント演出)、『子午線の祀り』(観世栄夫演出)、『ベッジ・パードン』(三谷幸喜演出)、『かもめ』(ケラリーノ・サンドロヴィッチ演出)など。映画出演に『乱』(黒澤明監督)、『陰陽師』(滝田洋二郎監督)、『のぼうの城』(犬童一心・樋口真嗣監督)、またNHK「にほんごであそぼ」に出演するなど幅広く活躍。著書に『萬斎でござる』(朝日新聞社/朝日文庫)、『狂言サイボーグ』(日本経済新聞社)、『狂言三人三様・野村萬斎の巻』(岩波書店)、『MANSAI◎解体新書』(朝日新聞出版)などがある。芸術選奨文部科学大臣新人賞、文化庁芸術祭賞演劇部門優秀賞、紀伊國屋演劇賞など受賞多数。
●菅野薫(すがの・かおる)
クリエーティブ・ディレクター/クリエーティブ・テクノロジスト
東京大学経済学部卒業。電通入社後、自然言語処理やデータ解析の研究開発業務や、国内および海外の商品サービス開発、広告キャンペーン企画などのクライアント業務に従事。テクノロジーやデータで人の心を動かす新しい表現方法を開拓している。
カンヌライオンズ チタニウム部門 グランプリ/D&AD Black Pencil(最高賞)/London International Awardsグランプリ/One Show -Automobile Advertising of the Year-/Spikes Asia グランプリ/ADFEST グランプリ/ACCグランプリ/TIAA グランプリ/文化庁メディア芸術祭 大賞/Prix Ars Electronica 栄誉賞/2014年「クリエイター・オブ・ザ・イヤー」など、国内外の広告・デザイン・アートほか、さまざまな領域で受賞多数。
●森内大輔(もりうち・だいすけ)
クリエーティブ・ディレクター/プロデューサー/デザイナー
1975年東京生まれ千葉育ち。武蔵野美術大学卒業後、NHKへ入局。「紅白歌合戦」を中心に舞台美術やCGのデザインに携わる。2010年NHKエンタープライズに出向。社内プロジェクト「劇的」で映像事業の企画制作を担当。東京駅保存・復原工事完成を記念した「TOKYO STATION VISION」や会津若松市の鶴ヶ城など複数のプロジェクションマッピングを手がける。現在は、NHKデザインセンターで超高精細映像やインタラクティブ技術を活用したコンテンツのデザインを担当。2015年1月放送の「NEXT WORLD 私たちの未来」ではサカナクションとライゾマティクスによるバーチャルライブをプロデュースした。CEDEC AWARDS 2013 優秀賞、2013年度グッドデザイン賞など受賞多数。
●登本悠介(ともと・ゆうすけ)
プログラマー
1982年東京生まれ。早稲田大学大学院理工学研究科 物理学及応用物理学専攻修了。大手医療機器メーカーのR&Dエンジニアを経て、ライゾマティクスに入社。主なプロジェクトは、『Perfume 4th Tour in DOME 「LEVEL3」 supported by チョコラ BB』(3Dスキャンシステムプログラミング)、『traders』(システムプログラミング)、『センシング・ストリームズ 不可視、不可聴』(センサシステム・映像プログラミング)、『Nike RISE ”House of Mamba”』(トラッキングシステムプログラミング)、『JINS MEME “MIND UNIVERSE”』(プログラミング)、『野村萬斎 “敦―山月記・名人伝―”』(映像プログラミング)、『ライゾマティクス グラフィックデザインの死角』(データ解析)がある。
●真鍋大度(まなべ・だいと)《映像参加》
メディアアーティスト/プログラマー/インタラクションデザイナー
1976年東京生まれ。東京理科大学理学部数学科、国際情報科学芸術アカデミー(IAMAS)卒業。2006年に「Rhizomatiks(ライゾマティクス)」を設立。2015年よりRhizomatiksの中でもR&D(研究開発)的要素の強いプロジェクトを行う「Rhizomatiks Research (ライゾマティクス リサーチ)」を石橋素氏と共同主催。高解像度、高臨場感といったリッチな表現を目指すのでなく、注意深く観察することにより発見できる現象、身体、プログラミング、コンピュータそのものが持つ本質的な面白さに着目している。インスタレーション、データ解析を担当した『Sound of Honda / Ayrton Senna1989』は2014年 Cannes Lions International Festival of Creativityにおいて Titanium & Integrated部門グランプリ、8部門でゴールド6つ、シルバー6つを含む15の賞を受賞するなど、国際的評価が高い。また文化庁メディア芸術祭においてはこれまでに大賞2回、優秀賞3回、審査委員会推薦作品選定は8回を数える。
●Rhizomatiks Research (ライゾマティクス リサーチ)
Rhizomatiks Research (ライゾマティクス リサーチ)は人とテクノロジーの関係について研究し、アーティスト、研究者、デザイナー、ダンサー、振付家、音楽家、エンジニアなど様々なクリエーターとのコラボレーションワークを通じて世の中にアート、エンターテイメントプロジェクトを発表していく組織。
当日券情報
1.電話予約
当日朝10:00~開演の2時間前まで世田谷パブリックシアターチケットセンター(電話 03-5432-1515 )にて承ります。
2.窓口販売
開演の1時間前より、劇場入口右手の当日券ボックスにて販売します。
※前売券は残席がある限り、前日までご予約を承ります。
・世田谷パブリックシアターチケットセンター
公演日前日19:00まで、店頭&電話03-5432-1515にて受付
・世田谷パブリックシアターオンラインチケット
公演日前日23:30まで受付
公演日程表
※未就学児童はご入場いただけません。
※開演後は、本来のお席にご案内できない場合がございます。ご了承ください。
●聞こえにくい方向けの音声サポートシステム
当日劇場ロビーにて、音声が聞こえにくい方向けにイヤホン(無料・事前予約不要)をお貸出いたします。ぜひご利用ください。
観劇サポート
託児サービス
前売入場券を販売する公演では、基本的に託児サービスがございます。
定員に限りがございますので、ご利用にあたり予約が必要です。
料金 | 2,200円(1名につき) |
---|---|
対象 | 生後6ヶ月以上9歳未満 |
申込 | 世田谷パブリックシアター TEL 03-5432-1526 |
委託 | キッズルーム・てぃんかぁべる三茶 |
ご利用希望日の3日前の正午まで受付けますが、定員になり次第締め切らせていただきます。
お早めにご予約ください。
また、障害のあるお子様についてはご相談ください。
車椅子スペース
車椅子のままご観劇いただける車椅子スペースがございます。
定員に限りがございますので、ご利用にあたり予約が必要です。
料金 | 該当エリアチケット料金の10%割引【付添者は1名まで無料】 |
---|---|
申込 | 劇場チケットセンター TEL 03-5432-1515 |
定員になり次第締め切らせていただきます。
お早めにご予約ください。
当劇場の観劇サポート・バリアフリーサービスについてはこちらよりご確認ください。