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2002/03 JANUARY−MARCH
SePTのレクチャー(後期) |
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1.創作の方法<番外編> 『アメリカン・プレイライティングの現在』 2.20世紀の舞台芸術<番外編> 3.シアター・マネージメント講座W 『公共劇場の運営を考える』 “観客”として舞台をより楽しみたいと思っている方、“舞台づくりのプロ”になりたいと考えている方、あるいはすでに“プロ”で新しい創作のヒントがほしいと思っている方、こういった興味も経験もさまざまな人たちが集まって、舞台芸術についての新たな楽しみや知識を共有する場、それが<SePTのレクチャー>です。 このレクチャーには、たんに机に座って講師の話を聞くだけではない、さまざまな仕掛けが用意されています。 たとえば、世田谷パブリックシアターの上演作品をめぐって参加者同士が意見を交換したり、プロの作り手からものづくりの秘訣を受講者が聞き出したり、舞台作品やその創作の方法をめぐって、活発なやりとりが生まれるような場づくりが考えられています。 世田谷パブリックシアターが6年目を迎えた今年も、前期と後期に分けて6つのコースを開催するはこびとなりました。 後期の3コースでは、 劇作家・長谷基弘さんが、ミネソタポリスの「劇作家センター」に1年間留学し、アメリカの劇作家の創作環境や、その手法と技術について学んだ体験を語る「創作の方法<番外編>」、 現代芸術論を専攻する熊倉敬聡さんが、脱/舞台芸術をテーマに、ダム・タイプや伊藤キムなどの独創的な活動を通して、芸術の新たな社会的可能性を探る「20世紀の舞台芸術<番外編>」、 また、当劇場のゼネラルプロデューサー高萩宏が、アーツ・マネージメントの基礎にも触れながら、世田谷パブリックシアターの事例を中心に、公共劇場の運営について考える「シアター・マネージメント講座IV」など、充実した企画が並んでいます。 今回は番外編がふたつならびましたが、それぞれ興味深いポイントがあります。たとえば、長谷さんの講座では<戯曲読解技術マニュアル>『行きつ戻りつ』という本を紹介予定。この本は、戯曲が「何を意味するのか」ではなく、「いかに機能するのか」ということに焦点をあてて、読解技術を提供しようというもので、劇作家志望の方のみならず、俳優、スタッフ、観客、誰にとっても役立つ本です。 また、熊倉さんの講座では、<劇場空間>ではなく<公共空間>のなかに芸術的感性を解き放つ、新しいタイプのアーティストの実践と、その理論・コンセプトについて考察していきます。舞台にとどまらず、現代芸術に共通する新たな地平を垣間見ることになるでしょう。 世田谷パブリックシアターの上演事業とともに、舞台芸術との新たな出会いの場であるSePTのレクチャーに、どうかご参加ください。 1.創作の方法<番外編> 『アメリカン・プレイライティングの現在』
私が1年間の在外研修中に身を置いたのは、米国ミネアポリスにある「劇作家センター」と呼ばれるNPOです。同センターは、劇作と演劇の発展、そして市民と劇作家の繋がりをつくるための活動を行っていました。それは例えば、創作講座のようなものから、毎週行うリーディング&ディスカッション、劇作家個人に対する助成金の支給、センター内にある小劇場を使った公演、市民も招いたパーティ的なものまで、もう多種多様です。 この講座では、同センターの活動を中心に、米国における劇作と演劇をめぐる状況を語りつつ、時には受講生の皆さんに米国での戯曲学習の「体験」を味わって頂けるようなこともしていく予定です。 と同時に、私が米国で出会い、いまだに常時鞄に忍ばせて愛読している<戯曲読解技術マニュアル>「行きつ戻りつ」(3月にブロンズ新社より国内刊行予定)の内容についても紹介していきます。 米国の今を知ることで、演劇をより深く理解し味わっていくための視点を、楽しみながら養っていける講座になることでしょう。 講師プロフィール
2.20世紀の舞台芸術<番外編> 『脱/舞台芸術〜公共空間のなかのアーティストたち』
ようやく日本でも最近(まだまだ少数ですが)、「芸術」という聖域から外に出て、社会の中で新たな試みをするアーティストたちが現れてきました。彼らは、教育、福祉、まちづくりなどの現場に果敢に入り込み、自分たちが今までアーティストとして培ってきた能力・技術・感性を活かしながら、従来の公共サービスにはなかった、独創的な活動を展開しつつあります。しかも、一方的な押し付けではなく、市民や学生と協働しながら、未知なるものを「双発」しようとしています。 そうした、芸術の新たな社会的可能性を、ダムタイプ、伊藤キム、ASIAS(Artist's Studio in a School)などの具体的な事例を取り上げつつ、皆さんと考えていきたいと思います。
3.シアター・マネージメント講座W 『公共劇場の運営を考える』
2001年11月に芸術文化基本法が制定され、公共の文化政策が話題にのぼることが多くなってきています。公共劇場の地域における役割を、世田谷パブリックシアターを例に、劇場を運営する組織体制、劇場を支える部門の役割、事業の進め方などから考えてみます。 アーツマネージメントの基礎知識にも触れながら、日ごろ疑問に思っている日本の公共劇場の常識、世界の舞台芸術界の常識への疑問もいっしょに考えていきたいと思っています。 グループでの討論の時間も設定し、参加者のみなさまにもできるだけ発言の機会を多く持ちたいと思っています。 劇場の運営方法というものは、立地条件、形、付近の類似施設との関係などから、個性的であるべきで、一概にはとても語れるものではありませんが、世田谷パブリックシアターについて考えていく中で、日本の公共劇場の理想的な運営方法の標準値が少しでも見えてくることを期待しています。
開講時間:午後7時00分〜午後8時45分(すべてのコース共通)
〒154-0004 世田谷区太子堂4-1-1キャロットタワー5F ※ 複数のコースを受講される場合は割引料金があります。 ※ 応募が定員をこえた場合は抽選となります。 お問合せ:世田谷パブリックシアター学芸係 TEL:03-5432-1525 FAX:03-5432-1529 |
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2002/03 JUNE−MARCH
SePT Lecture on contemporary drama and dance SePTのレクチャー(前期) |
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1.【創作の方法】井手ダンス感 2.【20世紀の舞台芸術】街と劇場〜ロンドン: 90年代演劇の「恐るべき子どもたち」 3.【舞台芸術のクリティックXI】批評、もうひとつの創造へ “観客”として舞台をより楽しみたいと思っている方、"舞台づくりのプロ"になりたいと考えている方、あるいはすでに"プロ"で新しい創作のヒントがほしいと思っている方、こういった興味も経験もさまざまな人たちが集まって、舞台芸術についての新たな楽しみや知識を共有する場、それが<SePTのレクチャー>です。 このレクチャーには、たんに机に座って講師の話を聞くだけではない、さまざまな仕掛けが用意されています。 たとえば、世田谷パブリックシアターの上演作品をめぐって参加者同士が意見を交換したり、プロの作り手からものづくりの秘訣を受講者が聞き出したり、舞台作品やその創作の方法をめぐって、活発なやりとりが生まれるような場づくりが考えられています。 世田谷パブリックシアターが6年目を迎える今年も、前期と後期に分けて6つのコースを開催する予定です。 前期の3コースでは、ユーモアあふれる動きと音楽で人気のダンス・カンパニー=イデビアン・クルーの振付家・井手茂太さんが、音楽を中心に自らの振付方法を語る「創作の方法」、イギリス現代演劇研究の谷岡健彦さんが、ロンドンの劇場で若手劇作家が発掘されるプロセスとその成果を、戯曲のリーディングを交えながら紹介する「20世紀の舞台芸術」、批評家の八角聡仁さん、森山直人さんを講師に迎え、受講生みずからが文章を書き、発表なども行う実践的な批評のゼミナール「舞台芸術のクリティックY」など、充実した企画が並びます。 今回は、世田谷パブリックシアターのレクチャーとドラマ・リーディングの共同企画として、「20世紀の舞台芸術」最終回に、夭折の劇作家サラ・ケインの『4時48分 サイコシス』を、シアタートラムでご覧いただくことになっています。レクチャーで作品の背景などを知ったうえで、リーディングをご覧になってみてはいかがでしょうか? また、「舞台芸術のクリティック」は、西堂行人さんにかわり、八角さん・森山さんの二人体制で再出発をはかることになりました。またゼロからのスタートとなりますので、参加者のみなさんとともに、より良い講座のあり方を模索していければと思っています。 世田谷パブリックシアターの上演事業とともに、舞台芸術との新たな出会いの場であるSePTのレクチャーに、どうかご参加ください。 1.【創作の方法】 井手ダンス感
ダンスを創作する過程で、音楽は私にとって必要不可欠な存在です。作品に使用する曲目、曲順などは、振付と同様に大切な創作作業なのです。振付家によって選曲センスも違いますし、オリジナル曲を使用することもあるでしょう。今回このレクチャーでは音楽を中心に井手茂太流ダンスの創作方法を、みなさんと一緒に解剖して振付の方法を改めて考えていきたいと思います。とは言っても頭で難しく考えるのではなく、音楽を聴いて無意識のうちに出てくる体の動きを「ダンス」に結びつけていくことから、振付が自然と始まるのです。「音楽」を媒体とした簡単で単純なゲームみたいなものです。「音楽」といってもいろいろあります。テンポの速い曲や遅い曲、または全くリズムも楽器もない効果音など様々です。「曲に合わせてダンスすること」から「BGMのように流れる音楽と、動く人との距離感を演出すること」まで、音楽との関わり方を最大限に体験するレクチャーにしたいと思っております。
2.【20世紀の舞台芸術】街と劇場〜ロンドン: 90年代演劇の「恐るべき子どもたち」
1997年の総選挙に勝利して政権の座についた労働党のトニー・ブレアは、ことあるごとにメディアに向かって自らの若さをアピールし、英国の「新生」を内外に強く印象づけましたが、演劇の分野では、こうした「新生」はすでに労働党政権の誕生に先だって進行していたと言えるかもしれません。95年1月にロイヤル・コート劇場でサラ・ケインの『ブラステッド』という作品が上演され、大きな反響を引き起こしたのを皮切りに、ロンドンの演劇界には、20代から30代前半にかけての若い劇作家が次々に登場してきたのです。5月にシアタートラムで上演される『ピッチフォーク・ディズニー』の作者フィリップ・リドリーもそうした劇作家の一人ですが、性と暴力を正面からあからさまに描こうとするのが、この90年代の「恐るべき子どもたち」に共通した大きな特徴です。 このレクチャーでは、ケインやリドリーをはじめとする現代英国の若手劇作家の作品をいくつか紹介するとともに、ロンドンではどのようにして若い劇作家が発掘され、養成されているのかをロンドンの小劇場の文芸係が果たしている役割に注目しながら探っていきたいと思います。また、レクチャーの最終回では、99年に28歳の若さで自ら命を絶ったケインの絶筆『4時48分 サイコシス』のドラマ・リーディングをご覧いただきます(会場:シアタートラム、7月20日もしくは21日を選択)。 ウェスト・エンドの大きな劇場にかかっているミュージカルとはまた一味ちがったロンドンの演劇がきっと見えてくることでしょう。
3.【劇場のディレクショVI】批評、もうひとつの創造へ
シリーズ〈舞台芸術のクリティック〉は、演劇やダンスなどの批評を実践していく講座です。ここで言う批評とは、単に作品の良し悪しを裁定したり、芸術を材料に使って思想や主張を展開するようなものでは必ずしもありません。他者の表現に接して、自分なりに感じたこと、考えたことを、また別のかたちで、別の他者へ向けて発信していく。その営みをひとまず「批評」と呼ぶことにします。もちろん、その意味では批評もまた一つの作品です。創造的な視点で舞台芸術を捉えなおすために、受講者の積極的な発言や議論を期待します。 今回の講座は二つの軸によって構成されます。一方では、さまざまな演劇理論や身体理論を多角的に参照しながら、今日の舞台芸術を考察するための方法論を探ります(担当=八角)。そしてもう一方では、日本で現在上演されている作品を題材にして、それをどう読み解くかを具体的に考えていきます(担当=森山)。それぞれを隔月で交互に進めて、受講者による発表や討議などを重ねながら、最終的に二つの軸が交わる地点を模索し、年度末に8000字程度の批評を書き上げることを目標とします。優秀作品は、雑誌『舞台芸術』(京都造形芸術大学舞台芸術研究センターより刊行)に掲載される予定です。 舞台芸術に対する視野を拡げることで、観劇体験をより豊かなものにしたいと思っている方、演劇批評やダンス批評を書いていきたいと思っている方、現在の舞台芸術に対する意見交換の場を持ちたい方など、幅広い受講者の参加を歓迎します。
開講時間:午後7時00分〜午後8時45分(すべてのコース共通)
〒154-0004 世田谷区太子堂4-1-1キャロットタワー5F ※ 複数のコースを受講される場合は割引料金があります。 ※ 応募が定員をこえた場合は抽選となります。 お問合せ:世田谷パブリックシアター学芸係 TEL:03-5432-1525 FAX:03-5432-1529 |
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