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現代能楽集II「求塚(もとめづか)」
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能の作品をもとにした新作を、活躍中の気鋭の劇作家が手がけるシリーズ「現代能楽集」の第2弾。今回は、現代社会の病理や人間の持つ心の闇を鋭く描く骨太な作品で評価の高い、演劇企画集団THE・ガジラの劇作家・演出家、鐘下辰男が登場します。能『求塚』は、二人の男に求婚された女性が、葛藤の果てに自殺してしまうという悲恋の物語。極限状況に追い込まれた人間を描いてきた鐘下が、能の情念を現代に甦らせます。 【関連情報】 上演作品を巡るレクチャーシリーズII「求塚」 詳細はこちら>>
私が覗き込んでいたように女もまた池の中を覗き込んでいた。彼女はそこに何を観たのか?何を観たかったのか?今回日常を離れ、違う世界に入り込む事ができた。心が少し元気になった。 (MTさん、39歳) 鐘下さんの舞台はいつも迫力が違う。上演当初から息もつけない緊張感が漂う。舞台美術はほとんどないのに台詞の強さ、役者の演技、そして照明で力強い雰囲気を作り上げる。ストーリーも展開を先読みできない驚きに満ち、現在の日本の社会問題と能の主題の日本古来の言い伝えを見事に融合させたと思う。すばらしい劇場体験でした。 (YTさん、42歳) 登場人物が真実を語り出す。そこはまるで法廷のようで、私達はパズルをはめていくようにただ真実が語られるのを待っていた。シンプルな舞台の上で語るこの悲劇にまつわる人々を、光の線が囲ったり照らしたりして、それが空間や時間を自由にしていたことがとても印象的だった。 (YKさん、32歳) 静かな水の底に沈殿していた苦しみが一つずつ浮んでくるような感じ。隠し続けてきた心の闇が暴かれていく過程での登場人物たちの表情は、言葉を超えたその歪んだ表情で必死に何かを訴えかけてくる能面そのものだった。たぶんそれは原作にも現代にも共通するような、何か普遍的な苦しみなのだと思った。 (YAさん、23歳) 黒皮靴の足音が劇場一杯に響き渡る。舞台は、一面木の床で靴音がいっそう劇場の空気を冷たくさせ、これでもかという程の緊張感に包まれる。能作品である「求塚」の現代バージョンとして上演されても、やはり能独特の緊張感は変わらない。一瞬の気の弛みもなく、観客は舞台と向き合い、また観客と向き合う。そしてそこには不思議な世界が広がっていた。 (TOさん、21歳) ひとつの事件やひとつの言葉から、どんどん掘り下がって広がっていく核となる物語に 登場人物ひとりひとりの様々な見方から生まれる物語や答えが、とめどなく切なく感じました。日常、ひとつの出来事だって、こんな風に根深く広がっているものなんだとしみじみ感じました。 (YNさん、26歳) まさに、古典が今を生きる我々の演劇にリニューアルしているのだ。男と女の不条理は、いつの世も人間一代の寿命では解明できず、ギリシャ悲劇から日本の古典に至るまで綿々と引き継がれているのでしょう。 (MKさん) 今と過去に生きる人の計り知れない空白の時間に、能の持つ陰と陽の表現効果、言葉の抑揚など、自然と現代劇に融合し、語り継がれている「求塚」が新しい形として再生した興味深い作品でした。 (chiさん、33歳) 観客は息をひそめて真実を見つめ、そして表と裏はいつしか交錯し混ざり合うのを知る。 現代社会の闇と能の奥深さを、表裏一体に表現しようとした意欲作である。 (AHさん、27歳) この作品で描かれた、時代は違っても変わることのない人間の本質や情念。それは、能で伝えられてきたそのものである。時代を越え、生き生きと活性化された現代版「能」を観れたことを嬉しく思う。 (YKさん、18歳) 能の世界には「鬼」がよく登場する。人の心の複雑さ、曖昧さを「鬼」という形で表現しているのだと思う。安定を求める気持ちと新しい刺激を求める気持ちの矛盾、自分の中にもある「鬼」の存在を自覚させられる舞台だった。 (MAさん、34歳) 語られなければならない思い。語っても語れない強い思いがあったから、月子、輪子の身体によって表出したのではないか。現代が急速に忘れていってしまいそうな、過去の風習、私たちの祖先が昔、当たり前に行っていた、祈りとかまじないなんてものは決しておろそかにしてはならないノそういうことを感じさせてくれるお話だった。吉本さんの凛とした美しさと狂気が物語をいっそう神秘的なものにしてくれた。 (CFさん、32歳)
こんにちは!現代能楽集?「求塚」。無事に初日迎えることができました。 プレビューをいれて3回目ですが、とても暖かい拍手を頂いています。 嬉しい限りです!!! 劇場にはいってお芝居はぐんと迫力を増し、素敵に仕上がっています! 劇場と舞台で、照明や音響が入ってくると、演劇とは総合芸術であり、贅沢なものだなぁと痛感します。 島さんの考え抜かれたシンプルで象徴的なセット。 美しく、神秘的な中川さんの照明。 緊張感を高め、芝居を導く井上さんの音響。 それらすべてが、俳優さんの肉体と共鳴しあって、ひとつの世界を創りあげています。 アンケートにも「独特の世界観にひきこまれました」という感想を頂きました。 本当に素敵ですよーーー。 また、鐘下さんのお芝居は登場人物が極限状況に追いこまれ壊れてゆく様が、 エネルギッシュに描かれていることが多いのですが、今回は現代能楽集ということで 「動」的なその様が、「静」なるエネルギーとして表現されています。それがとっても想像を掻き立てるんです。 「ストーリー物語を追って欲しくない」 鐘下さんはそうおっしゃっています。 皆さんが、目の前に展開する状況を感じることで、それぞれの物語を創りあげて欲しい。 「求塚」は観客の想像力がプラスされて初めて完成される作品です。 さぁ!未知なる体験に向けてシアタートラムまでレッツゴー! とその前に、ちょっとだけ、注意事項をひとつ。 今回は、遅れてきたお客様は、お芝居が始まってから15分間客席に入ることが出来ません。 (客席が対面式なので、とっても目立っちゃうんです) もったいないですよーーー。 その15分間には笑えるネタも用意されてるし・・・。ふふっ。 是非、最初から見てくださいね! それでは、若月のレポートは今回にて最終回! 読んで下さった皆さま本当にありがとうございました。 劇場で是非お逢いしましょう!!! 若月理代 ◆ポストトーク開催◆ 7月15日と16日公演終了後、ポストトークを開催いたしました。 ■15日 出演:鐘下辰男×野村萬斎(世田谷パブリックシアター芸術監督) ■16日 出演:鐘下辰男×永井愛(劇作家・演出家) <今後のポストトーク出演者> 21日 鐘下辰男×西川扇与一(舞踊家・「求塚」振付) 22日 鐘下辰男×観世栄夫(能楽師・俳優・演出家)
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