ワークショップ・レクチャー

『実践の多様性―事例紹介』
~SPTワークショップラボ2013-14~

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「SPTワークショップラボ」は、演劇ワークショップについて考え、実践していくための研究プログラムです。

『実践の多様性』では、様々な場で実践されているワークショップや演劇について考えていきます。
今回は、「障害者との演劇」「幼児教育」「プレイバックシアター」「矯正施設での演劇」「ドラマ教育」に注目し、これらの多様な実践の内容を知ることを目指します。

 
 
日程 Vol.1 知的障害者と支援者でつくるミュージカル
―若竹ミュージカルの実践―
2013年8月6日(火)19時~21時
講師:工藤傑史(若竹ミュージカル代表/筑波大学附属大塚特別支援学校教諭)
   若竹ミュージカルメンバー

Vol.2保育所・幼稚園、保育者養成校におけるワークショップ
2013年8月31日(土)19時~21時
講師:直井玲子(東京家政大学/小田原女子短期大学非常勤講師)

Vol.3つながりを育む即興劇―プレイバック・シアター―
2013年9年12日(木)19時~21時
講師:太田華子(IPTNプラクティショナー)

Vol.4少年院での演劇実践
2013年9月27日(金)19時~21時
講師:谷村昌昭(多摩少年院統括専門官 企画調整担当)
   堀内宰(多摩少年院専門官)

Vol.5英米におけるドラマ教育の日本への応用
―インプロビゼイションとクリエイティブ・パペトリーの実践例―
2013年10月1日(火)19時~21時
講師:小林由利子(東京都市大学人間科学部教授)

 
 
内容 Vol.1知的障害者と支援者でつくるミュージカル
―若竹ミュージカルの実践―
 知的障害のある子どもたちを対象とした特別支援学校では、音楽や演劇などの表現活動は、障害の特性に適した学びの方法として伝統的に取り入れられてきました。「若竹ミュージカル」の活動は、この学校時代の積み重ねを土台に、高等部卒業後の生涯学習や文化芸術活動、社会参加の一つの方法として、主にミュージカル作品を家族や地域の方々とともに作り上げ発表する活動を続け20年目を迎えます。知的障害者本人、支援者、運営スタッフそれぞれの立場からこれまでの取組について報告し、この活動の意義について考えたいと思います。

Vol.2保育所・幼稚園、保育者養成校におけるワークショップ
子どもが好きな「シアターゲーム」や演劇的手法「ティーチャー・イン・ロール」、保育者と子どもとでつくっていく「ストーリーテリング」や「参加劇」についてご紹介します。また、保育者養成校における演劇教育の理論と実践についても、実際にワークショップ形式で体験していただきながら、お話しいたします。保育現場の先生方には演劇であそぶことの楽しさを、演劇関係者には保育現場における演劇ワークショップの可能性をお伝えできればと思います。

Vol.3つながりを育む即興劇―プレイバック・シアター―
プレイバック・シアターはニューヨークで生まれた即興劇です。「人種のサラダボウル」とも呼ばれるニューヨークにおいて、多種多様な人種、文化を理解し合うツールとしても使われています。その鍵はどこにあるのでしょうか。
気持ちがみえない、希薄な人間関係は、誤解を生み、争いを招きます。それはニューヨークに限らず、どこででも起こりうることです。プレイバック・シアターは、お互いの「ストーリー」を知ることによって相互理解と心のつながりを育みます。
現在の日本でも、学校、病院、企業、福祉施設と様々な領域で取り入れられており、そこで、参加者の方が自分自身と出会い、ともに分かち合うお手伝いをしています。
子どもからお年寄りまで幅広く楽しんでいただけるプレイバック・シアターを様々な切り口より皆さんにご紹介します。

Vol.4少年院での演劇実践
少年院では、基礎学力の習得(教科教育)や、勤労意欲や職業上有用な知識・技能の習得(職業補導)、社会の一員として自立した生活を営むための知識・生活態度の習得(生活指導)などに向けた様々な教育活動を展開しています。多摩少年院では、そのような教育活動の一環をして、演劇祭を毎年実施しています。演劇祭は、少年院で生活する少年たちが演劇をつくり、発表し、互いに観劇し合う行事です。
 このレクチャーでは、少年院の教育内容と、その中での演劇祭の位置付けなどを紹介しながら、演劇祭の実施に当たっての私たちの期待や狙い、演劇祭の準備や実施を通じての少年たちの変化などについて幅広くお話ししたいと思います。

Vol.5英米におけるドラマ教育の日本への応用
―インプロビゼイションとクリエイティブ・パペトリーの実践例―
アメリカでのドラマ教育は 、1920年ごろ、ウィニフレッド・ウォードが、シカゴ郊外のエバンストン市で実験的実践である過程中心の活動であるクリエイティブ・ドラマを始めたころに遡ります。
一方、 イギリスでは、1915年に出版された『教育のためのドラマの方法』がドラマ教育のはじまりといわれています。さらに、1960年代に始まったドロシー・ヘスカットによるDIE(Drama in Education)が、現代のドラマ教育に影響を与えています。
日本では、坪内逍遙が『児童教育と演劇』(1923)でクリエイティブ・ドラマ の先駆的活動である「児童教育演劇」を紹介しました。現在、英米で展開、実践されているさまざまなドラマ教育を日本でどのように応用していくかを考えていきたいと思います。
 
 
場所 Vol.1~3、5 世田谷文化生活情報センター ワークショップルームA(三軒茶屋駅前キャロットタワー4階)
Vol.4 世田谷文化生活情報センター セミナールーム(三軒茶屋駅前キャロットタワー5階)
※Vol.5の会場がセミナールームからワークショップルームAに変更になりました。
 
 
講師 《プロフィール》
工藤 傑史(くどう たけし)
「若竹ミュージカル」の設立に参加し、現在、代表を務める。
東京学芸大学附属特別支援学校教諭、長崎大学教育学部附属特別支援学校教諭、国立特別支援教育総合研究所総括研究員を経て、現在、筑波大学附属大塚特別支援学校教諭。
『僕たちのブロードウェイ』(若竹ミュージカル編著、晩成書房)監修。

「若竹ミュージカル」特別支援学校卒業生、支援者によるミュージカルグループサイト
ドキュメンタリー映画「空想劇場‐若竹ミュージカル物語‐」公開中

直井 玲子(なおい れいこ)
小田原女子短期大学、東京家政大学非常勤講師。都内の公立保育園勤務後、イギリスに遊学。帰国後、ワークショップや舞台公演などの企画制作を手がけ、地域、学校、病院、福祉施設などでワークショップ・ファシリテーターとして活動する。東京学芸大学大学院表現教育コース修士課程修了。専門は演劇教育、幼児教育、保育者養成。

太田 華子(おおた はなこ)
インターナショナルプレイバック・シアターネットワーク(IPTN)プラクティショナー。日本大学大学院舞台芸術専攻修了後、NPO法人プレイバック・シアターらしんばんを設立し、副理事長に就任。現在は独立し、大学(学生相談室)、病院(アルコール依存症回復プログラム)をはじめ、教育、医療、福祉など様々な分野で活動している。

谷村 昌昭(たにむら まさあき)
多摩少年院統括専門官(企画調整担当)として、施設の教育活動の企画立案・運営、保安・警備等の統括業務に当たる。1974年大阪府出身。1999年法務省入省。少年院、法務省矯正局、保護観察所、刑務所などの勤務を経て現職。

堀内 宰(ほりうち つかさ)
多摩少年院専門官。企画係の主任として、運動会や演劇祭をはじめとする教育行事の企画立案、運営業務のほか、被収容少年の教科教育や保健・体育指導に関連する業務に当たる。
1982年山形県出身。2004年多摩少年院採用。寮担任などを経て、現在の業務担当。

小林由利子(こばやし ゆりこ)
東京都市大学 人間科学部 教授。東京学芸大学大学院学校教育研究科修了。イースタン・ミシガン大学大学院演劇・コミュニケーション学部子どものためのドラマ/演劇MA及びMFAプログラム修了。エクセター大学ドラマ学部客員教授、ヨルダン国立舞台芸術センター学術研究員、国際・児童青少年演劇協会副会長・世界理事を歴任。
 
 
参加費 各回1,000円
※受講日に会場にてご精算いただきます。
 
 
募集人数 20名程度
※先着順に受付いたします。定員に達し次第、受付を終了いたしますので、あらかじめご了承ください。
 
 
申込み方法 以下申込みフォーム、または劇場(03-5432-1526)までお申込みください。
 
 
お問合せ 世田谷パブリックシアター学芸 03-5432-1526
 
 
備考 [主催] 公益財団法人せたがや文化財団
[後援] 世田谷区
[協賛] アサヒビール株式会社/東レ株式会社
平成25年度文化庁劇場・音楽堂等活性化事業
 
 
受付は終了致しました。
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