ワークショップ・レクチャー

アジア現代演劇プロジェクト関連セミナー
「東南アジアの芸術文化環境」

アジア現代演劇プロジェクトの一環として、早稲田大学演劇博物館グローバルCOE芸術文化環境研究コースと共に、4回のセミナーを開講いたします。
隣り合うマレーシアとシンガポール2国に焦点を当て、今行われている演劇を知るとともに、その演劇がおかれた文化的環境、政治的背景、歴史的文脈を明らかにします。講師を務めるのは、歴史家スミット・マンダル氏と、シンガポールそしてマレーシアの文化環境に詳しい滝口健氏です。またとないこの機会をお見逃しなく!

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日程 1)「歴史と舞台芸術 ― シンガポール演劇と東南アジア」
講師:スミット・マンダル(マレーシア国民大学)
日時:2月15日(金)19時~21時(英語:通訳付)

シンガポールで教鞭を執った経験をもとに、シンガポール演劇がその独自の歴史、文化、言語的状況を主題化しているのかを論じます。東南アジアのなかにあって東南アジアでないともいえるシンガポールにおける演劇と、他の東南アジア諸国の演劇とを結びつけるとともに隔てているものを考えます。


2)「コラボレーションとコミュニティ 演劇を通じた文化交流の現在」
講師:スミット・マンダル(マレーシア国民大学)
日時:2月16日(土)15時30分~17時30分(英語:通訳付)

ASEAN各国の演劇人たちの間で実践されているコラボレーションを取り上げて、トランスナショナルなコミュニティーが形成されていくダイナミズムを論じます。世田谷パブリックシアターと国際交流基金の呼びかけで始まった「アジア現代演劇コラボレーションプロジェクト」は、大きな動きを生み出しました。言葉、歴史、演劇経験を必ずしも共有しない演劇人の間での共同作業が成功するための「鍵」はどこにあるのでしょうか。経済のグローバル化が演劇に与える影響も合わせて考えたいと思います 。


3)「マレーシア・シンガポールの演劇 ―『多民族』の重さを乗り越えるために」
講師:滝口健(シンガポール国立大学)
日時:2月17日(日)15時30分~17時30分

  『ブレイクィング』をより深く理解するために、その背景を織りなすマレーシアの多民族性と多文化性を議論します。マレーシアではマレー系、中華系、インド系の3大民族を中心に多数の民族が、相当程度自立しながら共存しており、それは演劇にも反映されています。また、多数派であるマレー系に対する優遇政策、いわゆる「ブミプトラ政策」も演劇にも少なからぬ影響を与えています。マレーシアから独立した後、独自の文化政策をすすめる隣国シンガポールとの比較も織り交ぜながら、マレーシア 演劇の特徴や社会的位置、課題を紹介します。


4)「日本と東南アジアとの演劇共同制作の歩み ―『他者』と出会うために」
講師:滝口健(シンガポール国立大学)
日時:2月19日(火)19時~21時

  東南アジアとの演劇交流プロジェクトには、国際文化交流実施のための政府機関である国際交流基金が共催者として大きな役割を果たしています。国際交流基金は1990年代後半から積極的にアジアとの共同制作事業をすすめ、このほかにも『リア』(1997年)など多くの作品が立て続けに制作されました。アジア、特に東南アジアとの演劇交流が、なぜ日本の文化外交政策においてこれほど重視されているのでしょうか? その経緯、その成果、その課題はいかなるものでしょうか? 日本の文化外交の歩み を振り返りつつ、こうした疑問に答えていくことを目指します。
 
 
場所 世田谷文化生活情報センター セミナールーム(キャロットタワー5階)      
 
 
講師 【プロフィール】
■スミット・マンダル
マレーシア国民大学IKMAS(Institute of Malaysian and International Studies)准教授。米国コロンビア大学で博士号取得。社会史とカルチュラル・スタディーズを専門とし、特にイスラム社会に焦点をあてながら東南アジアの文化的多様性、政策について研究している。
■滝口健
国際交流基金。東京本部勤務を経て、1999年より2005年まで同基金クアラルンプール日本文化センター副所長。演劇を含む芸術交流事業を始め、知的交流事業、日本語普及事業を担当する。2005年に国際交流基金を退職し、翌年よりシンガポール国立大学日本研究学科博士課程に在籍。日本と東南アジアの演劇の共同制作をテーマに研究をおこなう。クアラルンプール・パフォーミングアーツセンター(マレーシア)ではコンサルタント(国際プログラム開発担当)。ネセサリー・ステージ(シンガポール) 運営評議員。
 
 
参加費 無料
 
 
申込み方法 劇場(03-5432-1526)までお電話いただくか、下記申込みフォームよりお申込みください。
 
 
お問合せ 世田谷パブリックシアター学芸 03-5432-1526
 
 
備考 【共催】 早稲田大学演劇博物館グローバルCOE「演劇・映像の国際的教育研究拠点」
 
 
受付は終了致しました。
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