公演情報->『ジョルジュ』

ショパンの名曲の調べとともに
ドラマリーディングwithピアノコンサート


『ジョルジュ』

ショパンとジョルジュ・サンド
[ 作 ] 斎藤憐
[演出・美術] 佐藤信
[照 明] 西村充
[音 響] 市来邦比古
[出 演] ダブルキャスト
♯組 ジョルジュ=若村麻由美 ミッシェル=篠井英介
♭組 ジョルジュ=三田和代   ミッシェル=村井国夫
ピアノ演奏=及川浩治
[演奏曲目] ショパン
12の練習曲 作品10より第12番 ハ短調「革命」
12の練習曲 作品10より第3番 ホ長調「別れの曲」
24の前奏曲 作品28より第15番 変ニ長調「雨だれ」
ポロネーズ第6番 変イ長調 「英雄」Op.53 ほか
[公演日]
2001年 1月 17日(水) 午後7時 ♯組
18日(木) 午後7時 ♯組
19日(金) 午後7時 ♭組
20日(土) 午後7時 ♭組
[会場] 世田谷パブリックシアター
[料金] (全席指定・税込) 一般 A席4,500円 B席3,000円
SePT倶楽部会員 A席3,800円
[前売開始] 2000年11月26日(火)
[チケット取扱い]
 
くりっくチケットセンター 03-5432-1515
チケットぴあ 03-5237-9999
e+(イープラス) 03-5749-9911   http://eee.eplus.co.jp  ほか
[お問合せ] 世田谷パブリックシアター 03-5432-1526


ドラマリーディングwithピアノコンサート『ジョルジュ』
 世田谷パブリックシアターでは、開館以来、新しい公共劇場のかたちを探して、さまざまな試みを続けてきました。その主要な事業のひとつである「ドラマ・リーディング」は毎回、世界の同時代の戯曲を発掘・翻訳し、俳優が舞台上で「読む」という形式をシアタートラムで続け、今年は12月にオーストリアの作品を取り上げることとなっております。

 さて、このシリーズのスペシャル・バージョンとして、世田谷パブリックシアターで上演されたのが『ジョルジュ』です。これはショパン没後150周年の1999年に、斎藤憐の書き下ろし、♯組:鳳蘭、近藤正臣、♭組:渡辺美佐子、村井国夫というダブルキャスト、ピアノ演奏に住友郁治を迎え上演され、多くの方から好評を博しました。

そしてこの度、21世紀の幕開けとなる1月に

♯組 ジョルジュ=若村麻由美 ミッシェル=篠井英介
♭組 ジョルジュ=三田和代   ミッシェル=村井国夫


という魅力的なダブルキャストで再演することとなりました。
また、今回のショパン役ピアニストは、日本音楽界注目の若手演奏家・及川浩治を迎えます。

 19世紀前半、ショパンの恋人として名高かった男装の小説家ジュルジュ・サンド。彼女を陰から支えた弁護士ミッシェル。二人の間で交された手紙を介し、ショパンとジョルジュが手を携えて駆け抜けた、波乱に満ちた8年間のドラマを、ショパンの数々の名曲の調べとともにお送り致します。

 世田谷パブリックシアターでは、今後もこのドラマリーディングwithピアノコンサートを多彩な俳優陣で上演・定番化していきたいと考えております。


斎藤憐書き下ろしによる女流作家ジョルジュ・サンドの波瀾に満ちた人生
 音楽の詩的神様といわれるショパン。ショパンが生み出した名曲の陰には、女流作家ジョルジュ・サンドの献身的な支えがありました。『ジョルジュ』では、1836年から44年にかけて、2人の波乱に満ちた8年間のドラマを、ショパンの名曲の調べにのせて、ジョルジュと彼女を陰から支えた弁護士ミッシェルとの間で交わされた手紙の朗読で再現します。 舞台に登場するのはジョルジュ、ジョルジュを支える弁護士ミッシェル、そしてピアニスト(=ショパン)の3人。ロシアに制圧されたポーランド革命に失望したショパンはパリに活動の場を定めました。当時のパリはロマン主義に彩られた時代です。一方、ジョルジュは女性解放を叫び、華美なドレスを捨て男装し、自分の人生を自らの手で切り開こうとします。
 あるサロンで、運命的に出会ったショパンとジョルジュは、たちまち恋に落ちます。情熱に任せた逃避行、創作的な影響を与え合い生まれた珠玉の作品の数々、ショパンの病、献身的なジョルジュ。生活苦の中でも一心にピアノに打ち込む芸術家ショパン。しかし、彼の繊細な感覚と過酷な現実とに振り回されて、ジョルジュは次第に追い詰められていき、遂に二人は別れの日を迎えてしまいます。


注目の若手ピアニスト及川浩治のピアノの調べにのせて
 再演となる今回は、ショパン役のピアニストに、99年に「ショパンの旅」と題するコンサートで日本全国を席捲し、幅広い層から共感を呼んでいる日本音楽界注目の若手演奏家・及川浩治を迎えます。
 そして俳優陣には、『はっさい先生』の初々しい演技で鮮烈なデビューをし、近年では『令嬢ジュリー』(tpt)や『レプリカ』(THE・ガジラ)などの舞台で着実に活動の幅を広げ高い評価を得ている若村麻由美と、劇団花組芝居で活躍し、退団後も、紳士から淑女まで多彩な演技でその活躍の場を広げ続けている篠井英介という2人の異色の♯組。
 ♭組は、地人会への出演や新国立劇場の『夜への長い旅路』で改めてその実力と存在感をみせた三田和代と、ミュージカルや芝居、テレビなどのメディアでも俳優として充実した活動を行い、前回に続き再登場となる村井国夫という組み合わせでお贈りいたします。
 『ジョルジュ』では、同時期にダブルキャストによる、それぞれの舞台を味わっていただくのも観劇の一つの楽しみ方としてお勧めしております。



プロフィール


斎藤 憐(さいとう れん)
早稲田大学第二文学部露文科中退。劇団俳優座養成所を経て、66年劇団「自由劇場」結成に参加。68年「演劇センター68」結成に参加。80年『上海バンスキング』で岸田戯曲賞を受賞。98年東京国際フォーラム開場公演『カナリア』で菊田一夫演劇賞受賞。
著書に『斎藤憐戯曲集』『クスコ』『グレイ・クリスマス』『朝焼けのマンハッタン』『はつ恋』『ジョルジュ−サンドとショパン/ブレヒト・オペラ』などの戯曲。『象のいない動物園』『アーニーパイル』『昭和不良伝』などのドキュメント。

佐藤 信(さとう まこと)
1943年生まれ。1960年代後半からの日本小劇場演劇運動の中心的なリーダーとして、「68/71 黒色テント」(現 黒テント)とともに、全国移動公演を中心とした活発な活動を続ける。独特な幻想的文体で日本の現代史への批判劇を書きついだ1970年代の旺盛な執筆活動をへて、「アジア演劇」「物語る俳優」「演劇ワークショップ」「ブレヒトの再評価」「演劇の公共性」など、常に現代演劇シーンを一歩リードする発言と着実な実践によって知られる。20年にわたる東南アジア各国の現代演劇との交流とともに、近年は、ヨーロッパでの作品上演、および共同作業にも積極的に取り組んでいる。現代演劇の他、コンテンポラリーダンス、糸あやつり人形芝居、オペラ、能、日本舞踊など、多彩な分野にわたる劇場作品の演出に携わり、その独創性と安定した完成度は高い評価を得ている。世田谷パブリックシアター・ディレクター、東京学芸大学教育学部第4部美術科教授。劇団黒テント演出部所属。世田谷パブリックシアターでの作品に『ライフ・イン・ザ・シアター』『ネネム』『ロベルト・ズッコ』など、また本年12月に世田谷パブリックシアターにて『ゴドーを待ちながら』を上演予定。


若村麻由美(わかむら まゆみ) ♯組 ジョルジュ役
若村真由美85年に無名塾に入塾。87年にNHKの朝の連続テレビ小説『はっさい先生』のヒロインでデビュー。88年にエランドール新人賞を受賞。これまでに、舞台『オレアナ(パルコ劇場)』『ソルネス(無名塾)』『テレーズ・ラカン(tpt)』『令嬢ジュリー(tpt)』などに主演。『テレーズ・ラカン』での演技が評価され、99年第33回紀伊國屋演劇賞個人賞、映画『金融腐蝕列島 呪縛』で2000年第23回日本アカデミー賞助演女優賞を受賞する。世田谷パブリックシアターには2000年5月に演劇企画集団THE・ガジラ『レプリカ』に出演、ストーカー行為に悩まされる精神を病んだ狂気の女性役を好演。現在、人気海外ドラマ『アリーmyラブ』のアリー役吹替や、映画『Last Scene』ほかドラマ・CMなどで幅広く活躍している。


篠井英介(ささい・えいすけ) ♯組 ミッシェル役
若村真由美日本大学芸術学部演劇学科卒業。劇団「花組芝居」に旗上げより参加。90年退団後は『サド公爵夫人』『サイケ歌舞伎−月食−』『零れる果実』『TABOO』『蓮如〜われ深き淵より』『毛皮のマリー』など数々の舞台作品に出演。92年に、第29回ゴールデンアロー賞演劇新人賞を受賞。99年11月には橋本治作・演出のひとり芝居『女賊』(シアタートラム)、2000年6月には松尾スズキ作・演出のミュージカル『キレイ』などに出演。古典作品から現代作品、紳士から淑女まで幅広い役を演じ、多くの演出家からの信頼を得て様々な作品に出演、また自ら作・演出も手がけるなど多彩な活動を行っている。近年は、人気テレビドラマや映画などの分野でも活躍。日本舞踊・宗家藤間流師範名取。著書に『僕は女方』(メトロポリタン出版)がある。

三田和代(みた かずよ) ♭組 ジョルジュ
若村真由美俳優座養成所を経て、劇団四季に入団し『桜の園』『かもめ』『カッコーの巣の上で』など多数の作品に出演。退団後も舞台を中心に精力的に活躍する。86年に『ナイトマザー』で紀伊國屋演劇賞受賞、92年『がめつい奴』で菊田一夫演劇賞、94年『糸女』『滝沢家の内乱』で芸術選奨文部大臣賞を、98年『紙屋町さくらホテル』で読売演劇大賞最優秀女優賞を受賞するなど、受賞歴も多数。最近では、新国立劇場『美しきものの伝説』『夜への長い旅路』、2000年10月には、地人会『恋ひ歌−白蓮と龍介』(作:斎藤憐、演出:木村光一)に出演。テレビドラマや映画の分野でも活躍している。



村井国夫(むらい くにお) ♭組 ミッシェル役
若村真由美俳優座養成所を経て、1966年東映『ワタリ』でデビュー。89年『レ・ミゼラブル』のジャベール役を皮切りに、ミュージカル、舞台の世界に新境地を開拓する。91年、岡本健一との二人芝居『蜘蛛女のキス』が好評を博し、翌92年の再演では芸術祭を受賞。主な舞台に『ハムレット』『屋根裏のヴァイオリン弾き』『サウンド・オブ・ミュージック』『ブレヒト・オペラ』など。『ジョルジュ』では、99年の初演時にジョルジュを支える弁護士ミッシェルを好演し、今回の再登場となる。





及川浩治(おいかわ こうじ)ピアニスト
若村真由美1967年生まれ。4歳からピアノを始める。国立音楽大学を経て、ブルガリア国立ソフィア音楽院留学。84年、ヴィオッティ・ヴァルセイジア国際音楽コンクール、90年マルサラ国際音楽コンクールで第1位、同年第12回ショパン国際音楽ピアノ・コンクールでは最優秀演奏賞受賞。92年日本音楽コンクール第2位受賞。95年にサントリーホール大ホールにおいてデビュー・リサイタルを行う。97年からヴァイオリニスト五嶋みどりとデュオを組み、全国各地で演奏。99年ショパン没後150年には、『ショパンの旅』と題するコンサートを行い、全国27ヶ所3万人を動員。ダイナミックな中にも繊細さを持ち合わせた、内面に訴えかける演奏は幅広い層から共感を得ている。BMGファンハウスよりショパンとラフマニノフの作品集を、朝日放送より『ショパンの旅』をリリース。また、2000年4月には日本コロンビアよりベートーヴェンの「熱情」・「月光」ソナタのCDとエンニオ・モリコーネの作品を中心にした映画音楽のCDが同時発売される予定。

TOP
 
back
 
home
  next