「日本におけるドイツ年」(2005〜2006年)にちなんで、昨年6月にひきつづきドイツ語圏の現代戯曲をとりあげます。今回リーディングに登場するのは、現在ドイツ語圏でもっとも注目を集めている作家のひとり、エルフリーデ・イェリネク。
イェリネクはオーストリア生まれの作家・劇作家で、2004年にノーベル文学賞を受賞。また、2001年カンヌ映画祭グランプリ作品「ピアニスト」の原作者としても知られています。
演出は北九州市の「うずめ劇場」を拠点に活動するペーター・ゲスナー。挑発と風刺に満ちたイェリネクの世界をドイツ出身の演出家がどう読み解くか、ご期待ください。
エルフリーデ・イェリネク作
『汝、気にすることなかれ - シューベルトの歌曲にちなむ死の三部作』
"Machi nichts - Eine Kleine Trilogie des Todes" von Elfriede Jelinek
●作者 エルフリーデ・イェリネク Elfriede Jelinek
1946年オーストリア生まれ。ウィーンで育ち、ウィーン大学で演劇学と美術史を学ぶ。主な作品に、ベストセラーとなった小説「したい気分」「欲望」、戯曲『ブルク劇場』『トーテンアウベルク』『雲。家』『杖、竿、棒』などがあり、ビュヒナー賞はじめ数々の演劇賞を受賞。1983年の小説「ピアニスト」は2001年に映画化され、その年のカンヌ映画祭で三冠受賞して話題を集めた。
2004年、「豊かな音楽性を持つ多声的な表現で描いた小説や戯曲によって、社会の陳腐さや抑圧が生む不条理を暴いた」功績により、ノーベル文学賞を受賞。
●演出家 ペーター・ゲスナー Peter Goessner
旧東ドイツ、ライプチヒ出身。国立ベルリン俳優学校エルンスト・ブッシュで学び、ハレのターリア劇場で4年間演出、俳優として活躍。1993年より北九州市在住。うずめ劇場主宰。2000年(財)舞台芸術財団主催第一回利賀演出家コンクールで最優秀演出家賞受賞。2001年北九州市市民文化奨励賞受賞。2004年より、桐朋学園芸術短期大学演劇専攻科専任講師。
最近の演出作品にゲオルク・ビュヒナー作『レオンスとレーナ』、ペーター・トゥリーニ作『ねずみ狩り』がある。
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