作品について |
「まぬけなリュウの話」は、1976年にポプラ社で刊行され、全国推薦図書にもなった創作童話です。人形劇ユニット・かわせみ座によって1989年から95年まで全国で上演され、91年には「厚生省中央児童福祉審議会特別推薦作品賞」を受賞しました。
語りべと人形遣い、そして表情豊かな糸あやつりのリュウ(全長170cm)が織り成すユニークな舞台。今回の再演にあたって、新たに脚本を書き下ろし、より面白くリニューアルします。けなげで純真無垢なリュウのキャラクターを通して、時に滑稽に、時に切なく、人間の自分本位の愚かさを痛烈に描き出しています。人間のエゴ、いじめ、自然軽視に対して警鐘を鳴らし、自然や生命を「慈しむ」ナチュラルな感性を育んでいただける作品です。
|
物 語 |
人知れず村を助け、村を追われた一匹のリュウのお話−。山奥の村はずれに住む気の良いリュウは、長雨で飢えた村人達にだまされ、大切な後ろ足の爪を切り取られてしまいます。村人達は、その爪を役人に献上して食べ物を得ることができました。
その翌年、今度は旱魃が村を襲いました。やせこけたリュウは、村のために痛む後ろ足を引きずり山に向かいました。しばらくして、谷に水が流れ始め、村は助かりました。
ある時、谷を上り源を探し当てた村人達は、そこにいた池を掘り上げたリュウを、有り難い池で水浴びしている罰当たりと勘違いして石を投げて追うのでした・・・。
|
かわせみ座について |
かわせみ座は、山本由也と益村泉の二人による人形劇のユニットです。
山本由也は、日本の伝統的な糸操りの人形劇団“竹田人形座”で、竹田扇之助、竹田喜之介に学び、その後、独自の世界観を構築してきました。不思議なそして静かな存在感のある山本由也の人形には、アーティスト・ドールとしてのファンも数多くいます。
山本とともに、その人形たちに命を吹き込むのが、益村泉です。
かわせみ座の人形たちは、いわゆる人間の「おはなしことば」を話しません。人形たちが使うのは、「こころのことば」です。それは観客には、あるときは溜め息に聞こえたり、笑い声に聞こえたり、耳を澄まさないとわからないような、ささやき声に聞こえたり、します。かわせみ座の舞台は、その空間全体が人形たちのメッセージなのです。そして、観客の心はこの舞台の中で想像の世界を楽しむことになります。かわせみ座の舞台は、大人も子どももすべての人たちに感じていただきたいヒーリング・ステージです。
|
受賞歴
1991年 |
|
中央児童福祉審議会特別推薦作品賞 |
1996年 |
|
東京都最優秀児童演劇選定・社団法人日本児童演劇協会個人賞 |
1996年 |
|
ハンガリーBEKESCSABA国際人形劇フェスティバル最優秀賞 |
2000年 |
|
東京2000年祭千年文化芸術祭入選作品賞 |
|
海外公演歴
1986年 |
|
韓国:ソウル国際人形劇フェスティバル(招待公演) |
1988年 |
|
台湾:アジア・太平洋国際人形劇フェスティバル(招待公演) |
1991年 |
|
イラン:(テヘラン)国際人形劇フェスティバル(招待公演) |
1996年 |
|
ハンガリー:UNIMA世界人形劇フェスティバル、BEKESCSABA国際人形劇フェスティバル(招待公演)、カナダ:シナール'96(国際舞台芸術貿易見本市)正式エントリー公演 |
1997年 |
|
スペイン:トロサ国際人形劇フェスティバル(招待公演) |
1999年 |
|
アメリカ:ペッパーダイン大学、シアトル国際児童演劇フェスティバル(招待公演) |
2001年 |
|
アメリカ:セントポール国際児童演劇フェスティバル(招待公演) |
|