上段左から：中屋敷法仁／ノゾエ征爾 下段左から：内田亜希子／鬼頭真也／久ヶ沢徹／中村まこと／広岡由里子／村岡希美

‥‥書架の扉を開くように、時代をてんてんとたどりながら、先人の劇作家の作品を読んでいくリーディング。かつて時代を築いた劇作家と、今、まっすぐと向かい合い、その声に耳をすますとき。なにが聞こえてくるだろう。

第2回目は、不条理演劇の旗手、ウージェーヌ・イヨネスコの代表作２篇をとりあげます.。

『禿の女歌手』　［作］　イヨネスコ　［訳］　諏訪正　［演出］　中屋敷法仁
『椅子』　　　　　 ［作］　イヨネスコ　［訳］　安堂信也　［演出］　ノゾエ征爾
［出演］　内田亜希子／鬼頭真也／久ヶ沢徹／中村まこと／中屋敷法仁／ノゾエ征爾／広岡由里子／村岡希美　（五十音順）　　

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★ポストトーク出演者決定★
出演：5月10日（土）　久ヶ沢徹／鬼頭真也／内田亜希子／中屋敷法仁
　　 　 5月11日（日） 中村まこと／広岡由里子／村岡希美／ノゾエ征爾
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《プロフィール》　
◆中屋敷法仁（なかやしき　のりひと）
演出家・劇作家・劇団「柿喰う客」代表。高校在学中に発表した『贋作マクベス』にて、第49回全国高等学校演劇大会・最優秀創作脚本賞を受賞。2006年「柿喰う客」を劇団化し、以降、全ての作品の演出を手掛ける。外部公演の脚本、演出も多数。『無差別』で第57回岸田國士戯曲賞最終候補作ノミネート。
近年の作品★柿喰う客公演：『世迷言』『失禁リア王』『発情ジュリアス・シーザー』『絶頂マクベス』『悩殺ハムレット』。外部公演：日韓国際共同制作『検察官』作・演出、GORCH BROTHERS PRESENTS『飛龍伝』演出、ミュージカル『100万回生きたねこ』共同脚本。6月4日～15日青山円劇カウンシル～ファイナル『赤鬼』を演出する。

◆ノゾエ征爾（のぞえ　せいじ）
脚本家、演出家、俳優。劇団「はえぎわ」主宰。大学在学中の1999年に劇団「はえぎわ」を旗揚げ。以降、全作品の作・演出を手がけ自らも出演している。2012年、『○○トアル風景』にて第56回岸田國士戯曲賞受賞。外部公演にも脚本家、演出家、俳優として多数参加。
近年の作品★外部公演：台湾日本国際共同制作『片腕』演出・脚色、宮沢章夫作・演出『ヒネミの商人』出演、『サニーサイドアップ』脚本・演出・出演。映画出演：奥秀太郎監督「台風一家」、神田裕司監督「TOKYOてやんでぃ」。次回、はえぎわ第27回公演が8月23日～31日東京芸術劇場シアターイーストにて公演予定。

◆内田亜希子（うちだ　あきこ）　
新国立劇場演劇研修所一期生出身。劇団公演からプロデュース公演まで幅広く出演している。
近年の出演作★舞台：深作健太演出『渇いた太陽』、中屋敷法仁演出『失禁リア王』『絶頂マクベス』、Ｇ２演出『シルバースプーンに映る月』『6月のビターオレンジ』、河原雅彦演出『その妹』、倉持裕演出『窓』、長塚圭史演出『アンチクロックワイズ・ワンダーランド』、鵜山仁演出『ヘンリー六世』、江本純子演出『常に最高の状態』、鐘下辰男演出『ビロクシー・ブルース』など。

◆鬼頭真也（きとう　しんや）
「夜ふかしの会」のメンバーとして活動、演劇にもお笑いにもカテゴライズできない独特のコントを展開。2008年まで劇団「動物電気」に参加。
近年の出演作★舞台：和田憲明脚本・演出『死神の浮力』、河原雅彦演出『斎藤幸子』。映画：堤幸彦監督「ＴＲＩＣＫ劇場版ラストステージ」、内村光良監督「ボクたちの交換日記」。TV：テレビ朝日「Doctor-X 外科医・大門未知子」「明日、ママがいない」など。

◆久ヶ沢徹（くがさわ　とおる）
Ｇ２プロデュース、小林賢太郎演劇作品はじめ、数々のプロデュース公演に出演。舞台、TV、CFと幅広く活躍中。また2012年に「久ヶ沢牛乳」を立ち上げ、自らの生誕50周年祭を開催、活動の場を広げている。
近年の出演作★舞台：小松純也脚本・演出『ボクの妻と結婚してください。』、福原充則作・演出『はぐれさらばが“じゃあね”といった』、G２作・演出『デキルカギリ』、土田英生作・演出『燕のいる駅』、小林賢太郎演劇作品『ロールシャッハ』。TV：NHK「八重の桜」「ちりとてちん」、MBS「コドモ警察」、テレビ朝日「お天気お姉さん」ほか。

◆中村まこと（なかむら　まこと）
劇団猫のホテルの創設メンバーのひとり。看板役者として活躍。劇団公演以外でも阿佐ヶ谷スパイダースやNODA・MAPなどの劇団公演からプロデュース公演まで幅広く活躍している。
近年の出演作★野村萬斎演出『神なき国の騎士～あるいは、何がドン・キホーテにそうさせたのか？』、千葉雅子作・演出『アバエスク』、長塚圭史演出『冒した者』、多田淳之介演出『あなた自身のためのレッスン』、福原充則演出『いつか見た男たち～ジェネシス～』。TV：KTV「よろず占い処　陰陽屋へようこそ」など。

◆広岡由里子（ひろおか　ゆりこ）
舞台を中心に、テレビドラマや映画でも活躍。2001年よりケラリーノ・サンドロヴィッチとユニット「オリガト・プラスティコ」を主宰、二人の融合が個性的な作品を生み出している。劇団東京乾電池出身。
近年の出演作★舞台：Ｇ２演出『Ｐａｃｏ～パコと魔法の絵本～』、松尾スズキ作・演出『悪霊』、山田洋次演出『さらば八月の大地』、ケラリーノ・サンドロヴィッチ演出『龍を撫でた男』、渡辺えり作・演出『ゲゲゲのげ』本谷有希子作・演出『甘え』、岡田利規演出『タトゥー』。映画：熊切和嘉監督「私の男」、藤井道人監督「オー！ファーザー」、矢口史靖監督「ＷＯＯＤ　ＪＯＢ！(ウッジョブ）～神去りなあなあ日常～」など。

◆村岡希美（むらおか　のぞみ）
劇団「ナイロン100 ℃」の劇団員として活動中。また、昨年、池谷のぶえとユニット「酒とつまみ」を結成したり、外部作品へも精力的に参加している。
近年の出演作 ★舞台：ケラリーノ・サンドロヴィッチ潤色・構成・演出『パン屋文六の思案』 5月3 日まで上演、古川貴義演出『Some Girl(s) 』、倉持裕作・演出『もうひとり』、白井晃演出『天守物語』、赤堀雅秋演出『砂町の王』、長塚圭史演出『アンチクロックワイズ・ワンダーランド』など。映画：白石和彌監督「凶悪」。TV：NHK連続テレビ小説「花子とアン」第五週より。　

《作家と作品》
作家●ウージェーヌ・イヨネスコ
1909～1994年。ルーマニア生まれ、フランスで活躍した劇作家。大学時代より詩や評論を書きはじめる。1950年、処女作『禿の女歌手』を発表。「反戯曲」という副題がつけられたこの作品は、既存の演劇概念をうちこわし、世の観客を驚かせた。続いて『授業』『椅子』を発表、人間存在の孤独や不確かさを独自の作風で描いた。同じころ、『ゴドーを待ちながら』を発表したベケットとならんで、不条理演劇を代表する劇作家として位置づけられている。そのほか主な作品に、『犀』『瀕死の王さま』など。
“わたしは世界をあらたに分割しなおしたのだ”--- イヨネスコ

作品●『禿の女歌手』　La cantatrice chauve ----反戯曲----
もともと劇作家志望ではなかったというイヨネスコが、英会話を勉強しようと入門書を読むうち、とつぜん啓示を受けて執筆したという戯曲。英国のスミス夫妻の家にマーチン夫妻が訪れて…と、なにげない日常のよう。だが、しだいに、何かが…。イヨネスコの処女作にして原点たる作品。1950年初演。

作品●『椅子』　Les chaises ----悲劇的笑劇----
90歳をこえる老人と老婆は、全人類に伝えるべきメッセージを残そうと、客人たちを次々招き入れ、やとった弁士が来るのを待つ。「わたしたちの足跡は残る。わたしたちは人間、消え去った古代の都市ではないのだから」。老人はそう言って、あとを弁士に託すが…。イヨネスコの代表作のひとつ。1952年初演。

世田谷パブリックシアターチケットセンター　03-5432-1515