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 photo by Jun Ishikawa |
結成10周年を迎えるダンスカンパニーBATIK。「おたる」とは「満ち足りて体が動き出すこと」で、「おどる」の語源ともされています。主宰の黒田育世が「死ぬ準備」だと語る本作は、同時に「生への賛歌」として観る者を揺さぶります。
世界初演となった静岡での野外公演（SPAC・静岡県舞台芸術文化センター）でも高い評価を得た、壮絶なダンスをご覧ください。
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★黒田育世さんからメッセージが届きました★
今年6月、静岡での野外初演から4ヶ月。アイホール（伊丹）、愛知芸術文化センターでの公演を終え、目前にせまる東京公演への思いを、振付家の黒田育世に聞いた。
（以下、K：黒田育世）
○今回、劇場で上演するにあたり気をつけたことは？
K：初演の野外劇場では、自然と同じように作品も“現象”になるように、あえて求心的にならないように意識して作りました。逆に、劇場では風は吹かないし、鳥が飛んでくる気配もない（笑）。言ってみれば「嘘」をつくこと（虚構）が当然の場所です。そこで作品が真実味を帯びるように、「作品化」していく作業が必要でした。設定は「嘘」でも、それをやろうとする身体は本物ですから。当初は、３時間の作品となるとその長さに意味が出てしまうのでは・・と思いましたが、そうではないと気づきました。１時間でも３時間でもやることは一緒。弱い部分があってはいけない。ただ弱いのか、弱い部分を見せる強さがあるかは違うので、弱い部分をしらみつぶしにしています。展開を待つ時間も、わくわくする時間にしたいのです。
BATIK10周年目の作品、そしてBATIKとして5年ぶりの新作でもありますね。
K：10周年というのは大きいですね。10周年の“しるし”は、ダンサーの成長。続けてきてよかったと素直に思える。この作品は、ダンサーが自慢の作品です。それは私にとって、幸せが訪れたという感じがします。
○黒田育世にとっての「死ぬ準備」とは？
K：「死なない」ということを言うことだったのかなと思います。生ききること。人は死なないと思うんです。形を変えてまた生きる。だから途絶えてはいけない。踏みとどまり、生きる。そこでは、“足るを知る”ことがとても重要だと思います。満ちたりること、それが「おたる」の原型です。
○東京公演に向けて、メッセージをお願いします。
K：めずらしい形態の作品で、好き嫌いは分かれるかもしれません。舞台上にこんなに物が散乱している作品もめずらしいですよね（笑）。ですが、立ち会って頂けるといいなと思います。東京での上演をことさらに意識するわけではありませんが、東京で創っているし、私は東京で生まれて、東京で過ごしていることで感じる問題意識が占める割合も多い。だから見て下さる方々に重なる部分もあるかなと。今を生きるつらさ、いろんな種類があると思いますが、「身体にはこれだけ生きる力が詰まっている」ということを見て頂けたらうれしいです。自然に触れるのと同じように、身体でお渡しできることがあるのではと思っています。
[2012.11.4.]
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★メディア情報★
●シアターガイド 12月号 黒田育世のインタビュー掲載中！
●おたる鳥をよぶ準備 facebookページ チケット情報や、稽古風景など随時アップしています！
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［構成・演出・振付］ 黒田育世
［音楽］ 松本じろ
［出演］ BATIK（伊佐千明／植木美奈子／大江麻美子／梶本はるか／田中美沙子／寺西理恵／中津留絢香／西田弥生／矢嶋久美子／黒田育世）
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