ワークショップ・レクチャー

『世界の演劇教育を知る』
~SPT×ITI レクチャーシリーズ『世界の同時代演劇を知る!』

『世界の同時代演劇を知る!』レクチャーシリーズとは
第一線の作品創造から地域に向けた教育普及事業まで行う公共劇場―世田谷パブリックシアター(SPT)と、世界の演劇動向に最も詳しい国際演劇協会日本センター(ITI)の両者がタッグを組んだレクチャーシリーズ。
今年度は「演劇と社会」「世界の同時代演劇」「世界の演劇教育を知る」を柱に、同時代の演劇を知るレクチャーをさまざまな切り口から企画していきます。

 
 
日程 2014年
(1)「イギリス演劇と王立演劇学校(RADA)」
4月24日(木)19時~21時
講師:ニコラス・バーター (英国王立演劇学校 元校長・演出家)
通訳:三輪えり花(演出家)

(2)「ロシアとアメリカにおけるスタニスラフスキーの見直し2013」
6月24日(火)19時~21時
講師:堀江 新二(大阪大学名誉教授/TCL大阪所長)

(3)「中国の演劇教育と中央戯劇学院」
7月24日(木)19時~21時
・Part 1「中央戯劇学院と世界の演劇教育の最前線」
講師:越光 照文(桐朋学園芸術短期大学学長)
・Part 2「中国の演劇教育とエンターテイメントの発展」
講師:菱沼 彬晁(日中演劇交流話劇人社)
 
 
内容 (1)「イギリス演劇と王立演劇学校(RADA)」
日本の演劇関係者の間では「日本には系統だった俳優教育が存在していない」 という言葉を聞くことがあります。俳優教育を含む演劇教育はどのようなものであることが望ましいのでしょうか。長らくRADA(王立演劇学校)校長を務め、「RADA in Tokyo」などの経験を通じて日本の演劇人との交流も深いN・バーター氏に、イギリスの演劇教育のあり方、特に日本のそれとの違いに焦点を当ててお話いただきます。

(2)「ロシアとアメリカにおけるスタニスラフスキーの見直し2013」
スタニスラフスキーの演技論はこれまで「感情」が先か「身体的行動」が先かと、様々に解釈されてきた。その結果、日本でもアメリカでも強いバイアスがかかったままその演技システムが受容されて、真の姿が見えないまま今日に至った。それは主としてスタニスラフスキー自身が人生の前半と後半で演技論の軸を大きくずらしたことに要因がある。しかし、近年ロシアでもアメリカでもそのシステムが再検討され、新たな試みがなされている。「心身一体論」の立場から、俳優教育の現場にどのような変化が見られるか、実例や映像例を挙げながら紹介する。

(3)「中国の演劇教育と中央戯劇学院」
Part 1「中央戯劇学院と世界の演劇教育の最前線」
桐朋学園芸術短期大学では、世界演劇学校連盟(GATS)の主催する「世界演劇学校フェスティバル」(GATS FESTIVAL)や、アジア演劇教育研究センター(ATEC)が主催する「大学生演劇祭」に積極的に参加し、世界各国の演劇大学との交流を通じて学生の演技力向上の機会としています。本レクチャーでは、これらの世界的な演劇学校ネットワークと学生演劇フェスティバルを主導し、世界の演劇教育の一大拠点となっている北京の中央戯劇学院の活動を紹介しながら、世界の演劇教育の現状をお伝えします。

Part 2「中国の演劇教育とエンターテイメントの発展」
中国を代表する演劇総合大学である北京の中央戯劇学院と日中交流話劇人社との間には、長年にわたる演劇交流の積み重ねによる強いつながりがあります。今回のレクチャーでは、中央戯劇学院の修士課程でミュージカル演技論を修め、その後、中国の舞台のみならず、映画やテレビドラマでも大活躍する日本人女優松峰莉璃さんの活動ぶりを事例として紹介しながら、中国の演劇教育の現況、および中国の演劇業界とエンターテイメント(映画、テレビ)業界との関係について解説します。
 
 
場所 (1)(3)世田谷文化生活情報センター セミナールーム(三軒茶屋駅前キャロットタワー5階)
(2)世田谷文化生活情報センター ワークショップルーム(三軒茶屋駅前キャロットタワー4階)
 
 
講師 《プロフィール》
(1)「イギリス演劇と王立演劇学校(RADA)」
ニコラス・バーター
1993年から2007年まで、英国王立演劇学校(RADA)の校長。フリーランスの演出家として英国のみならず世界で活躍。日本では、劇団昴等での数多くの演出活動に加え、20年以上にわたり、毎年夏に「RADA in Tokyo」というプロ俳優のための演劇ワークショップを実施して来た。現在、桐朋学園芸術短期大学の招聘教授、JOKO演劇学校のゲスト講師。近年は、上海、香港、雲南など中国での演出・教育活動も多い。

(2) 「ロシアとアメリカにおけるスタニスラフスキーの見直し2013」
堀江 新二(ほりえ しんじ)
大阪大学名誉教授。TCL大阪所長。専門はロシアの俳優教育。スタニスラフスキー『俳優の仕事』(3巻)をロシア語からの全訳で出版(2010年)。著書に『したたかなロシア演劇』、訳書にチェーホフ『かもめ』『さくらんぼ畑』など。2006年からロシアのシューキン演劇大学俳優科で4年間研修。2012年にはアメリカに俳優教育の調査・研修をしている。

(3) 「中国の演劇教育と中央戯劇学院」
越光 照文(こしみつ てるふみ)
1952年(昭和27年)神奈川県生まれ。上智大学文学部哲学科卒。劇団青年座において演出活動を始める。現在は桐朋学園芸術短期大学学長・演出家。最近の主な演出作品に『「風」と「虹」のクロニクル』 『見よ、飛行機の高くとべるを』 『杏仁豆腐のこころ』 『紙屋悦子の青春』等々がある。劇団青年座所属、財団法人演劇人会議会員、日本演出者協会会員、日本演劇学会会員。

菱沼 彬晁(ひしぬま よしあき)
翻訳家。ITI国際演劇協会日本センター理事。中国現代小説友梅作 『さよなら瀬戸内海』、莫言作 『牛』『築路』ほか。中国現代演劇の主な訳業及び日本公演作品は、松竹制作・孫徳民作『西太后』、新国立劇場制作・過士行作『棋人』、国際演劇協会日本センター制作・過士行作『魚人』、莫言作『ボイラーマンの妻』、劇団東演制作・沈虹光作『長江乗合船』ほか。
 
 
参加費 各回1,000円
※受講当日に会場にてご精算いただきます。
 
 
対象
 
 
募集人数 30名程度
※先着順に受付いたします。定員に達し次第、受付を終了いたしますので、あらかじめご了承ください。
 
 
申込み方法 以下申込みフォームか、または劇場(03-5432-1526)までお申込みください。
 
 
お問合せ 世田谷パブリックシアター学芸 03-5432-1526
 
 
備考 [主催] 公益財団法人せたがや文化財団/公益社団法人国際演劇協会日本センター
[企画] 世田谷パブリックシアター/公益社団法人国際演劇協会日本センター
[協賛] 東レ株式会社
 
 
受付は終了致しました。
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