ワークショップ・レクチャー

『コミュニティにおける演劇の実践』
SPTワークショップラボ

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 演劇的手法を用いたワークショップや地域住民参加型の作品創造など、現在、舞台芸術のさまざまな分野で、演劇作品を観客として享受するだけではなく、実践の主体としていかに活用し得るかを問い直していくようなプロジェクトが数多く実践されるようになってきています。
今回の3回の講座では、ゲストの方をお招きしながら、活動報告事例をご紹介いただきつつ、いま、私たちが演劇と共に何をしていけるのかをあらためて考えていく機会にしていきます。

 
 
日程 2011年
Vol 1. 伝えるための演劇
12月7日(水) 19時~21時30分
ゲスト:南雲君江 (自立生活センター「HANDS世田谷」事務局員/DPI女性障害者ネットワーク代表)
     丸岡稔典(東京工業大学特別研究員)
     太田直里(舞台裏人)

Vol2. 住民参加の演劇作品創造
12月18日(日) 13時~15時30分
ゲスト:柴幸男(劇作家・演出家・「ままごと」主宰)
    前田司郎(劇作家・演出家・「五反田団」主宰)

Vol 3. 社会問題と演劇をつなぐ―その仕組みづくり
12月22日(木) 19時~21時30分
ゲスト:佐藤万帆(笹川平和財団主任研究員)
     反町眞理子(環境NGOコーディリエラ・グリーン・ネットワーク代表理事)

 
 
内容 Vol 1. 伝えるための演劇
電動車椅子生活を送る南雲君江さんは、「自立とは何か?」という疑問を、障害者・健常者関係なく誰もが抱く普遍的テーマとして、演劇によって提示しました。また、太田直里さんは大阪の長居公園で形成されたホームレス・支援者など様々な立場の人たちによるコミュニティの中で、彼らの思い・叫びを演劇にし、強制撤去時に上演しました。演劇を一つのメディアとして自分たちの抱える問題・思いを提示した2つの例を、それぞれの活動の中に身を置くお二人に紹介していただきます。

Vol2. 住民参加の演劇作品創造
可児市の総勢100人の市民と共に柴幸男さんが創り上げた作品、可児市文化創造センターでの『音楽劇「わが町可児」』(2011)、前田司郎さんといわき総合高等学校の「演技・演出」、「演劇総合演習」の授業を選択した高校生が創り上げた『あらわれる、飛んでみる、いなくなる。』(2008)、『3000年前のかっこいいダンゴ虫』の事例を紹介頂きながら、お話を進めていきます。

Vol 3. 社会問題と演劇をつなぐ―その仕組みづくり
武装派勢力と政府の間で和平協定が締結され、30年に及ぶ紛争が終結したのを機に、芸術による元紛争地の復興支援を目指した「アチェの子ども達と創る演劇ワークショップ」を企画された佐藤万帆さん、そして、フィリピンで「演劇による環境教育の取り組み」をされている反町眞理子さんのお話を伺います。何故演劇的手法を活用してみようと思ったのか、そしてその成果が一体どうであったのかについて、企画者サイドからの視点でお話頂きます。
 
 
場所 世田谷文化生活情報センターセミナールーム(三軒茶屋駅前キャロットタワー5階)
 
 
講師 ゲスト:《プロフィール》
南雲君江(なぐもきみえ)
1963年、福島県いわき市生まれ。 1964年、脳性マヒとわかり、翌年東京都東村山小児病院へ入院。 1970年、都立光明養護学校入学。
1981年10月、重度身体障害者授産施設入所。 1982年、都立光明養護学校卒業。
1991年、都立身体障害者福祉センターでA.D.L(日常生活動作)の判定を受ける。 1993年、アパートで一人暮らしを始める。
1995年、南雲耕治さんと結婚。 2004年、自立生活センター「HANDS世田谷」事務局員。
2007年よりDPI女性障害者ネットワーク代表。

丸岡稔典(まるおか としのり)
2006年東京工業大学社会理工学研究科修了。現在、東京工業大学特別研究員。社会学を専攻。「対人コミュニケーションとアイデンティティ形成」と「ケアの社会化」に関心を持ち、障害をめぐる社会関係とコミュニケーションについて考え中。全身性障害者の介助を細々と10年ほど。

太田直里(おおたなおり)
踊ることが好きなくせに、苦手な「言葉」を使った芝居をつくったりしている。
頼まれたらなかなか断れない。
人前で話すのが苦手。
1979年生まれ。
最近は以前より少しは自分に興味をもてている。

柴幸男(しばゆきお) 1982年生まれ、愛知県出身。劇作家・演出家、ままごと主宰。青年団演出部所属。日本大学芸術学部在学中に『ドドミノ』で第2回仙台劇のまち戯曲賞、2010年『わが星』で第54回岸田國士戯曲賞を受賞。何気ない日常の機微を丁寧にすくいとる戯曲と、ループやサンプリングなど演劇外の発想を持ち込んだ演出から普遍的な世界を描く。

前田司郎(まえだしろう)
1977年東京生まれ。劇作家、演出家、小説家。五反田団主宰。1997年、劇団「五反田団」を旗揚げする。2004年、「家が遠い」で京都芸術センター舞台芸術賞受賞。2008年、戯曲「生きてるものはいないのか」で第52回岸田國士戯曲賞受賞。2009年、小説『夏の水の半魚人』で三島由紀夫賞受賞。NHKドラマ「お買い物」のシナリオを担当。第46回ギャラクシー賞テレビ部門優秀賞受賞。

佐藤万帆(さとうまほ)
ロンドン大学大学院東洋アフリカ学院卒業(社会人類学専攻)。1996年から12年間、国際交流基金に勤務し、主に東南アジア、南アジア地域の知的交流事業などに携わる。2001年より4年間、ジャカルタ事務所駐在。現在は笹川平和財団主任研究員として、南タイの紛争解決に取り組む。

反町眞理子(そりまちまりこ)
立教大学卒業後、フリーランス・ライター、エディターとして、「地球の歩き方」「別冊宝島」「ぴあ」、アジア関係映画祭などの制作に関わる。構成作家としてラジオ、TV番組でも活躍。1996年、先住民族音楽家 との結婚を機にルソン島北部のバギオ市に転居。2001年、山岳地方の環境保全と先住民族の生活改善を目的とした環境NGO「コーディリエラ・グリーン・ネットワーク」設立。環境教育、植林などを行う。
 
 
参加費 各回1,000円
※受講初日に会場にてご精算いただきます。
※ポイントカード対象レクチャーです。ポイントカードとは世田谷パブリックシアターのレクチャーを5回受講頂くと、1 回無料で受講頂けるお得なカードです。
 
 
募集人数 各回30名程度
※先着順に受付いたします。定員に達し次第、受付を終了いたしますので、あらかじめご了承ください。
 
 
申込み方法 以下申込みフォームか、または劇場(03-5432-1526)までお申込みください。
 
 
お問合せ 世田谷パブリックシアター学芸 03-5432-1526
 
 
備考 [協賛]  アサヒビール株式会社/東レ株式会社
 
 
受付は終了致しました。
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