『歴史/表現/地域 から見るサーカス文化』
現代におけるサーカスは、伝統と技術を継承しながらも、各地で時代や地域性を反映した活動を展開しています。また、演劇やダンスなどのジャンルを横断し、テント以外の劇場や路上でも上演されており、多様な表現形態と広がりを持っています。
本講座では、現代のサーカス文化を「歴史」「表現」「地域」の三つの視点から考察します。今日におけるサーカスの姿を浮かび上がらせながら、サーカスがもつ力やその可能性について考えていきます。
日程 |
2011年 (1)10月6日(木) 19時30分~21時 「サーカス・大道芸の再誕生-作品・背景・制度」 講師:藤井 慎太郎(早稲田大学文学学術院教授) (2)10月11日(火) 19時30分~21時 「道化師群像-幕間の詩人たちの系譜」 講師:大島 幹雄(サーカスプロデューサー) (3)10月18日(火) 19時30分~21時 「サーカス、地域に入る―サーカス堂ふなんびゅるの挑戦」 講師:田中 未知子(オール・レ・ミュール/フランス国立大道芸サーカス情報センター 日本特派員) |
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内容 |
(1)「サーカス・大道芸の再誕生-作品・背景・制度」 サーカスや大道芸は、1970~80年代のフランスにおいて再誕生ともいえるほどの大きな変化を経験しました。サーカスや大道芸がそれまでにたどった歴史的な経緯を最初に振り返った後、実際の作品の映像を見ながら、こうした新しい表現がいかに伝統を継承しつつ過去と断絶したのか、考えたいと思います。さらに、そうした開花を支えたのは、国や自治体の文化政策の変化でもありました。フランスではサーカス・大道芸が持続可能なかたちで発展できる環境がこの25年ほどの間に整備されたといえますが、その変化を知ることは日本の舞台芸術が直面する問題を考える上でも役立つはずです。 (2) 「道化師群像-幕間の詩人たちの系譜」 近代サーカス誕生と共に登場した幕間の詩人-クラウンの歴史を映像を交えてたどります。そして「道化師とは職業ではなく、世界観だ」と宣言した1960年代大活躍したソ連のクラウン、エンギバロフの道化精神を追っていきます。貴重な映像資料や彼自身が書いた詩を通じていまなおクラウンたちに大きな影響を与えているエンギバロフの詩的な道化の世界を紹介します。さらにはエンギバロフの精神を受け継ぐ、若いロシアのクラウンたちの作品も紹介したいと思っています。 (3)「サーカス、地域に入る―サーカス堂ふなんびゅるの挑戦」 サーカスの持つ本質とは何でしょう? 生々しさ、きわどさ、迫力、力強さ、しなやかさ、寛容さ、雑多……。とりもなおさず、それは「大衆的」という言葉にも置き換えられます。日本であれ外国であれ、かつて人間が人間らしかった時代においては、こんな「きわどい大衆性」がむんむんと渦巻いていたはずです。瀬戸内に移住した私がみたのは、弱まりながらも確かに生き続けている地域芸能の中の、そんな大衆性でした。一般の人たちが、コミュニティのなかで地域の行事としての芸能に参加し、自分の役割を演じる。そこでは「芸」は日常の延長、個性の延長であり、まさに「人間の本来もっている能力や個性を最大限に引き出す」ものでした。 サーカスと地域芸能のすごさは、そこにあるのではないか。今の時代だからこそ、こういった力を取りもどすことが何より重要なことに感じています。今回、私がこの2つを組み合わせるための活動として高松ではじめた、サーカス堂・ふなんびゅるの試みについて、その具体的な活動内容をご紹介します。 |
場所 | 世田谷文化生活情報センター セミナールーム(三軒茶屋駅前キャロットタワー5階) |
講師 |
《プロフィール》 (1)藤井 慎太郎(ふじい しんたろう) 早稲田大学文学学術院教授(演劇学・文化政策学・フランス語圏文化論)。共編著に『演劇学のキーワーズ』(ぺりかん社、2005年)、共訳書に『超大国アメリカの文化力』(岩波書店、2009年)、『演劇学の教科書』(国書刊行会、2009年)。 (2)大島 幹雄(おおしま みきお) サーカスやクラウン、大道芸の招聘・制作会社アフタークラウディカンパニー(ACC)に勤務。『サーカスと革命』(平凡社、1990年)、『海を渡ったサーカス芸人』(平凡社、1993年)、『ボリショイサーカス』(東洋書店、2006年)などの著作もある。HP「デラシネ通信」主宰、サーカスや漂流、ロシアをテーマにさまざまな情報を発信している。 (3)田中 未知子(たなか みちこ) 北海道札幌市生まれ。新聞社時代にフランス現代サーカスに出会い、サーカスを軸に生きることを決意。越後妻有大地の芸術祭、瀬戸内国際芸術祭にて舞台芸術担当。2011年に独立。高松にて、サーカス×大道芸×地域芸能の発信基地「サーカス堂ふなんびゅる」始動。著作は『サーカスに逢いたい~アートになったフランスサーカス』(現代企画室、2009年)。 |
参加費 |
各回1,000円 ※当日会場にてご精算いただきます。 ※ポイントカード対象レクチャーです。ポイントカードとは世田谷パブリックシアターのレクチャーを5回受講頂くと、1 回無料で受講頂けるお得なカードです。 |
募集人数 |
40名程度 ※先着順に受付いたします。定員に達し次第、受付を終了いたしますので、あらかじめご了承ください。 |
申込み方法 | 以下の申込みフォームか、または劇場(03-5432-1526)までお申込みください。 |
お問合せ | 世田谷パブリックシアター学芸 03-5432-1526 |
備考 | [協賛] アサヒビール株式会社/東レ株式会社 |
受付は終了致しました。
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