『公共劇場の運営』
パブリックシアターのためのアーツマネジメント講座2010
公共劇場の運営をどう成り立たせていくかは、その公共劇場の存在を支えている地方自治体のあり方、組織の成り立ち、そして、その土地の特色などによって変わってきます。本講座では、鳥の劇場(鳥取)の中島諒人さん、静岡舞台芸術センター(静岡)の宮城聰さん、いわき芸術文化交流館(福島)の大石時雄さんをお招きし、どのような芸術方針ならびに運営方針のもと、劇場が公共劇場として地域に根付くための活動をなさっているのかお話を伺います。大きな成果を確実に生みだされている劇場のトップの方々のお話をきくまたとない機会ですので、是非ご参加ください。初回には世田谷パブリックシアターの楫屋一之もお話させて頂きます。
日程 |
2010年 (1)Vol1.「世田谷パブリックシアターという公共劇場」 6月30日(水)19時~21時 講師:楫屋一之(世田谷パブリックシアター劇場部長) (2)Vol2.「鳥の劇場 5年目の経過報告」 7月16日(金)19時~21時 講師:中島諒人(鳥の劇場主宰) (3)Vol3.「二十年後のために―社会における劇場の役割」 8月6日(金)19時~21時 講師:宮城聰(SPAC芸術総監督) (4) Vol4.「公共劇場は、誰のものか」 8月19日(木)19時~21時 講師:大石時雄(いわき芸術文化交流館/アリオス 支配人) |
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内容 |
(1)「世田谷パブリックシアター」という公共劇場 作品創造と教育普及の2つの領域の活動を軸とし、芸術と生活を連携させながら、地域のコミュニティーセンターとしての多面的機能を生み出すことを目指し、立ち上げられた「世田谷パブリックシアター」。公共劇場のモデル、拠点となる劇場として、国内外の多彩な才能による創造及びアウトリーチ活動、公共劇場間のネットワーク化の推進、国際的な共同制作のシステムの構築等を具現化しながら、地域のニーズに応える文化施設としての責務を担ってきた13年間。初期のヴィジョンは、どのように展開し実行されて来たのか。検証を試みる。 (2)「鳥の劇場 5年目の経過報告」 06年に鳥の劇場の活動を始めました。おんぼろの古い幼稚園と小学校の体育館、それからメンバーの情熱だけから始めました。「『劇場』はこういう場所だといいんじゃないか」という、ぼんやりした理想だけはあるのですが、それを一気に目指せるような人的体制、資金体制、支援体制は全然ありません。第一、肝心の理想自体がおぼろなので、一気にそこに行けるわけもありません。「とりあえず、あそこまではイメージできるから、そこまでがんばろう」ということで、進んでは立ち止まりを繰り返しています。その過程をご紹介します。 (3)「二十年後のために―社会における劇場の役割」 SPACでは中高生に向けた鑑賞事業を実施、昨年度は1万人を超える生徒が劇場に足を運びました。地域の公立劇場ではとかく「身近である」ことが重要だと語られがちですが、SPACでは「世界で通用するクオリティの作品」を中高生の鑑賞事業作品としています。それは東京以外の場所に住む若者が世界レベルのクオリティの現代芸術に触れる機会を持つことが難しく、その道を目指すにも鑑賞するにも東京に行かねばならないと思いこまされている現状を打破したいからです。「SPACは世界につながっているんだ」と知ってもらうことで、芸術文化の人材流出は止まり、東京へのコンプレックスが消えることで自分の生まれ育った地域が「世界の中にある」というまっすぐな認識が可能になると考えるからです。地域の人々の誇りとなり、その土地に住むことを選ぶ理由ともなりうるような劇場――実現可能な僕の夢、についてお話しします。 (4)「公共劇場は、誰のものか」 子育て中のお母さんたちが赤ちゃんや子どもを連れて気軽に遊びに来る、それが、ホールを2つ、劇場を2つ持っている「大きな集会所」いわき芸術文化交流館アリオスです。 「生活者の視点」なしに考えた自主事業や施設運営が、地域住民との関係で説得力を持つはずがない、というのが支配人であるぼくの立場です。劇場法(仮称)が、あちらこちらで話題になっています。でも、その前に「公共劇場は、誰のものか」を、問い直すことが必要ではないでしょうか。そのための視点をいくつか提示したいと思います。 |
場所 | 世田谷文化生活情報センター セミナールーム (三軒茶屋キャロットタワー5階) |
講師 |
《プロフィール》 (1)楫屋一之(かじや かずゆき) 世田谷パブリックシアター劇場部長。日大藝術学部映画学科卒業。在学中より演劇活動を開始。83年、NOISE(代表・如月小春)の制作者となり、公演、公共ホール・美術館等でのワークショップをプロデュースする。97年より世田谷パブリックシアターで、演劇・コンテンポラリーダンス等の企画制作を担当。10年より現職、劇場事業の統括を行う。 (2)中島諒人(なかしままこと) 大学在学中より演劇活動を開始、卒業後東京を拠点に劇団を主宰。2004年から1年半、静岡県舞台芸術センターに所属。2006年より鳥取に劇団の拠点を移し、“鳥の劇場”をスタート。2003年利賀演出家コンクール最優秀演出家賞。平成21年度芸術選奨文部科学大臣新人賞。 (3)宮城聰(みやぎさとし) 演出家。SPAC-静岡県舞台芸術センター芸術総監督。90年劇団「ク・ナウカ」を結成。07年SPAC芸術総監督に就任。自作の上演と並行して「Shizuoka春の芸術祭」では世界各地から現代の世界を鋭く切り取った作品を次々と招聘、また、静岡の青少年に向けた新たな事業を展開し、「世界を見る窓」としての劇場づくりに力を注いでいる。代表作に『王女メデイア』『ペール・ギュント』など。 (4)大石時雄(おおいしときお) いわき芸術文化交流館副館長兼支配人。1959年生まれ。大阪芸術大学舞台芸術学科演技・演出専攻卒業。広告代理店を退職後、伊丹市立演劇ホール(兵庫県)の設立に参加。パナソニック・グローブ座(現・東京グローブ座)の制作担当を経て、世田谷パブリックシアター(東京都)、可児市文化創造センター(岐阜県)、いわき芸術文化交流館(福島県)の設立に参加。 |
参加費 |
各回1,500円 ※受講初日に会場にてご精算いただきます。 ※受付は15分前より開始、お申込後キャンセルの場合は必ずご連絡ください。 ========= ★「レクチャープログラム回数券」販売のお知らせ 世田谷パブリックシアターのレクチャーにお得な料金でご参加いただける2種類の回数券 を販売します。 世田谷パブリックシアターで2010年度内に開講される以下の講座(60程度)がすべてが 対象です。 ・パブリックシアターのためのアーツマネジメント講座 ・世田谷パブリックシアター シアターゼミナール ・上演作品レクチャー ・世田谷アーティストトーク (1)18~24歳の方 種類:5回券 4,000円 【1講座当たり800円】 販売方法:オンライン販売(U24) (2)一般の方 種類:5回券 6,000円 【1講座当たり1,200円】 販売方法:オンライン販売 =========== |
募集人数 |
30名 ※先着順に受付いたしておりますが、万が一定員に達してご参加いただけない場合はご連絡いたします。 |
申込み方法 | 以下申込みフォームか、または劇場(03-5432-1526)までお申込みください。 |
お問合せ | 世田谷パブリックシアター 学芸 03-5432-1526 |
備考 |
[助成] アサヒビール芸術文化財団 平成22年度文化庁芸術拠点形成事業 |
受付は終了致しました。
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