『日本の公共劇場を考える』
パブリックシアターのためのアーツマネジメント講座2010
多目的ホール、貸し館運営を中心とした公共文化会館から一線を画した「公共劇場」が全国各地に生み出されるようになってから十数年がたちました。しかし、各公共劇場がそれぞれの地域で果たしている役割そして課題は劇場を取り巻く環境によって異なり、「公共劇場」の存在基盤は未だ脆弱です。講座シリーズ『日本の公共劇場を考える』は、異なる専門分野の講師をお招きし、日本の文化政策、地方自治体との関係、法律、歴史などさまざまな切り口より、各地域の公共劇場に共通する「公共劇場」について再考し、現在抱える課題について考えていきます。
※なお、本講座は、パブリックシアターのためのアーツマネジメント講座2009「シリーズ講座『日本の公共劇場を考える』」と内容が重複する部分がございます。ご了承下さい。
日程 |
2010年 (1)Vol.1 「地域に残すための劇場・音楽堂を育てる―公設から公共へ」 4月7日(水)・9日(金)19時~21時 講師:草加叔也(空間創造研究所代表) (2)Vol.2 「劇場法(仮称)の提言が目指すもの」 4月16日(金)19時~21時 講師:大和滋(社団法人日本芸能実演家団体協議会芸能文化振興部部長) (3)Vol.3.「公益法人改革の現状とこれから」 5月26日(水)19時~21時 講師:片山正夫(財団法人セゾン文化財団常務理事) (4)Vol.4.「文化政策の現状と将来-劇場を中心として」 6月16日(水)19時~21時 講師:門岡裕一(かどおかひろかず)文化庁文化部芸術文化課文化活動振興室長 |
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内容 |
(1)Vol.1 「地域に残すための劇場・音楽堂を育てる-公設から公共へ」 私たちが住む地域のどこかには、自治体が整備した公立ホールと総称される施設が必ずある。これらの施設は一体どんな目的で建てられ、どんなことが行われ、あるいは誰に利用されているのだろうか。実は、全国にこのように公立文化施設と総称される施設が既に2,200施設以上整備されている。しかし、今この公立文化施設が大きく揺らいでいる。その震源は行政改革や規制緩和、もちろん税収低下に起因する。果たして舞台芸術や音楽芸術は生き残れるのか。PFI法、文化芸術振興基本法、指定管理者制度、市町村合併特例法、公益法人制度改革、劇場法など。この荒波を乗り越え、地域に残す劇場・音楽堂を育てるためには、今何が必要か、何を変えていかなければならないのかということを考える。 (2)Vol.2 「劇場法(仮称)の提言が目指すもの」 演劇、音楽、舞踊、園芸、伝統芸能などの実演芸術72団体が集う芸団協は昨年3月に劇場法(仮称)の制定を提案しました。この提案がめざすものは、全国での実演芸術の多彩で多様な創造活動の活性化と鑑賞参加機会の拡大を通し、実演芸術を人々の生活と社会の活性化に生かす仕組みづくりです。何故に仕組みが必要なのか、そのためにどのようなことを行わなければならないか、昨年の事業仕分けの顛末を含め、考えたいと思います。 (3)Vol.3.「公益法人改革の現状とこれから」 2008年12月、いわゆる公益法人制度改革3法が施行され、公益法人の設立・運営に関する制度が110年ぶりに改正されました。民間による公益活動を活性化することを目的としたこの改革は、これまでにない画期的な内容を含むものです。しかし、既存の公益法人の新制度への移行は未だほとんど進んでいません。また、制度やその運用上の問題点も徐々に明らかになってきました。今回は、この改革の中身を起点に立ち返って再点検し、現状の問題点を検討するとともに、新制度下における法人組織やガバナンスのあり方についても考えてみたいと思います。 (4)Vol.4.「文化政策の現状と将来-劇場を中心として」 近年の文化芸術の振興については、平成13年に制定された「文化芸術振興基本法」のもと基本的な方針が定められ様々な政策が講じられてきています。しかし、厳しい財政事情のなかで地方では文化予算が減少し、国の予算も横ばいで推移しています。このような状況の中で文化審議会に対して文部科学大臣から「文化芸術の振興のための基本的施策の在り方について」が諮問され、審議会では文化振興の意義、基本的視点、重点施策について精力的に議論されています。今回は、審議会の議論を紹介し、劇場を中心とした政策の現状と将来について考えたいと思います。 |
場所 |
世田谷文化生活情報センター(三軒茶屋駅前キャロットタワー5階) (1)(2)(3)(4)セミナールーム |
講師 |
≪プロフィール≫ (1)草加叔也(くさかとしや) 1957年倉敷生まれ。全国各地の劇場・音楽堂など地域の劇場・音楽堂等拠点づくりに関わるとともに、ピーター・ブルック、アリアーヌ・ムヌーシュキンなどの演出による日本公演で技術監督等を努める。1989年芸術家在外研修員として渡英。現在、劇場コンサルタント/空間創造研究所代表として活動。 (2)大和滋(やまとしげる) 1950年東京生まれ。伝統芸能をテーマとした公演制作を担当。85年から芸能に関する基本的な諸問題、文化政策の調査研究、入場税撤廃、芸術文化振興基金創設、文化芸術振興基本法制定、劇場法(仮称)の提言活動に携わる。現在、社団法人日本芸能実演家団体協議会芸能文化振興部部長、財団法人神奈川芸術文化財団理事、文化経済学会理事。 (3)片山正夫(かたやままさお) 1958年生まれ。一橋大学卒業後、㈱西武百貨店を経て1989年(財)セゾン文化財団事務局長に就任。2003年より常務理事。東京藝術大学等での非常勤講師のほか、(財)公益法人協会理事、東京都芸術文化評議会専門委員等を務める。近著に「民間助成イノベーション」(共著)等。 |
参加費 |
(1)3,000円(全2回) (2)1,500円(全1回) (3)1,500円(全1回) (4)1,500円(全1回) ========= ★「レクチャープログラム回数券」販売のお知らせ 世田谷パブリックシアターのレクチャーにお得な料金でご参加いただける2種類の回数券 を販売します。 世田谷パブリックシアターで2010年度内に開講される以下の講座(60程度)がすべてが 対象です。 ・パブリックシアターのためのアーツマネジメント講座 ・世田谷パブリックシアター シアターゼミナール ・上演作品レクチャー ・世田谷アーティストトーク (1)18~24歳の方 種類:5回券 4,000円 【1講座当たり800円】 販売方法:オンライン販売(U24) (2)一般の方 種類:5回券 6,000円 【1講座当たり1,200円】 販売方法:オンライン販売 =========== |
募集人数 |
(1)(2)(3)(4)各30名 ※先着順に受付しておりますが、万が一定員に達してご参加いただけない場合はご連絡いたします。 |
申込み方法 | 以下申込みフォームか、または劇場(03-5432-1526)までお申込みください。 |
お問合せ | 世田谷パブリックシアター学芸 03-5432-1526 |
備考 |
[助成] アサヒビール芸術文化財団 平成22年度文化庁芸術拠点形成事業 |
受付は終了致しました。
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