林隆三／林真里花

森新太郎

リーディングとは、書かれたテキストを声に出して読み、空間に拡げること。
読む人も、聞く人も、もっとたくさんの同時代の戯曲と出会う機会を作ることを目的として行っているのが、このドラマ･リーディングです。

【物語】どこかの国の牢屋。若い女性が老人をたずねてくる。
老人は、代々引き継がれた復讐を果たすため、自分のいとこを殺した、と言う。
女性は、殺されたのは別人だった、どうしてそんな人違いが起きたのか、と聞く。
老人は、あれはいとこに間違いない、と答える。
やがて、8回の面会をとおして話すうち、ふたりのあいだに意外なつながりがみえてくる。

この作品は、アトランタ・オリンピック委員会が、ジョセフ・チャイキンとサム・シェパードに委嘱して、1996年に初演されました。


演劇集団円の演出家・森新太郎よりコメントが届きました。
「これは、世代から世代へ連綿と受け継がれてきた闘争のお話です。この作品の根底に横たわる同時代的な〝絶望〟と〝希望〟、それらをリーディング公演という圧倒的想像力の場で、静かに感じていただけたらと思います」と語っています。

★★出演者（林隆三、林真里花）よりコメントが届きました。
「シアタートラムでのドラマ・リーディング出演が決まって以来、僕はなぜか落ち着かない。
俳優座養成所の１年生の夏、芥川龍之介の『蜘蛛の糸』を俳優座劇場で初めて朗読した。その時、何もない舞台空間におののきながらも、何とか開き直ってやりとげた。体感と想像（創造）力をよりどころに自分たちの感性を育んできたラジオ世代の僕ら。この度の僕の落ち着きのなさは、ビジュアル時代に育った相手役のわが娘へのオヤジの目覚めとでも言えば、カッコ良すぎますか？」（林隆三）

「今回は私にとって初物尽くし。シアタートラムの舞台、リーディング公演、そして〝父との二人芝居〟。
本当の父を、全く別の人物として捉えることの難しさとの闘いになるかもしれません。そして、舞台の上で父と私がどのように〝おいしく料理〟されるのか、とても楽しみです!!」（林真里花）

[作]　ジョセフ・チャイキン＆サム・シェパード
[演出]　森新太郎

[出演]　林隆三／林真里花

劇場チケットセンター　03-5432-1515