『春琴』(2009年)
―谷崎潤一郎「春琴抄」「陰翳礼讃」より
友の会会員先行予約 : 2008年12月06日(土)~
せたがやアーツカード会員先行予約 : 2008年12月19日(金)~
『春琴』初演 舞台写真撮影=青木司 |
鬼才サイモン・マクバーニーが紡ぎ出す21世紀の谷崎ワールド。
早くも世田谷パブリックシアターで再演が決定!
世田谷パブリックシアターとコンプリシテとの共同制作により、鬼才サイモン・マクバーニーが村上春樹の短編をもとに創った2003年の『エレファント・バニッシュ』に引き続き、2008年2月に世田谷パブリックシアターで初演された『春琴』。
「西欧人が是と非、善と悪というアリストテレス的二元論で物事を判断するとすれば、日本人は連続する《世界を統一された集合的なもの》としてみている」と語るマクバーニーは、谷崎潤一郎の文明批評性に共感し、谷崎の小説『春琴抄』と随筆『陰翳礼讃』をモチーフにしたこの作品を創りあげました。「陰翳のあや」にこそ日本の美学が存在する、という谷崎の言葉を見事に舞台上で描き出した『春琴』は、全編にわたり日本の美や感性に貫かれた緻密な演出による独創的な作品として、高い評価を得ました。
そして2009年、ロンドン公演を経て、3月に世田谷パブリックシアターで凱旋公演を行います。
再演となる今回は、初演の演出をベースした上演を予定しておりますが、初演から引き続き出演する8名と新たな出演者2名を迎え、個性的な出演者10名による見事なアンサンブルによって、さらにバージョンアップした作品に生まれ変わることでしょう。
ぜひ劇場でお楽しみください。
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深津絵里さんのインタビューが届きました
サイモン・マクバーニーが演出して、08年春に初演された『春琴』が早くも再演される。まずロンドンで、そして東京で。出演者全員が何役も演じる中で、主に春琴役を演じたのは深津絵里さん。初めてのサイモン作品で大きな手ごたえを感じたようだ。ロンドンでの稽古に旅立つ前に、お話を聞いた。
――サイモンさんの芝居創りは、ワークショップを重ねていくような感じだと思うのですが、初めて体験されて、いかがでしたか?
とにかく大変だという噂を聞いていたので、免疫ができていました(笑)。だから、それほど苦しいと思うことはありませんでした。むしろ楽しかったですね。「こんな作り方があるんだ」という驚きのほうが強くて。普通は最初に台本がありますが、サイモンは違いました。谷崎潤一郎の小説を、とにかく分析して深く掘り下げていくことから始まりました。「これは、台詞も皆で創るんだ」と、衝撃が(笑)。でも、正解がない分、どんなことをやっても何かにつながっていく嬉しさとか、形になっていく喜びがとても新鮮でした。
――全員で創るんですね。
毎日、いろいろなアイデアを持って稽古場へ来るんですね。皆の頭がフル回転しているのを感じていました。上手く進まない日もあるんですけれど、それにもちゃんと意味があるし、そこはサイモンが突破口を見つけてくれます。やらされている感覚がなくて、皆でつなげていく作業はとても勉強になったし、贅沢な時間を過ごしたなと思います。
――具体的にはどんな作業をしていたのですか?
例えば、最初のころは、グループに分かれて、小説の一部を演じてみることをやりました。グループによって、表現の仕方が違うので、見ていてすごく面白いんです。多分、サイモンも自分だけの考えではなくて、日本の文化ですし、私たち日本人がどう感じて、どう表現するか見たかったのだと思います。それをとても尊重してくれました。逆に、サイモンの解釈に、こちらが驚くこともあり、両方がうまく融合されたのではないかと思っています。
――途中まで春琴は人形で表現されています。深津さんも初めは人形を使っていましたが、大変ではなかったですか?
稽古が始まって間もない頃、突然、「人形の先生が来るから、一緒にワークショップをしてね」と言われて。誰もそんなこと聞いてなかったので、びっくりしたんですけど、とにかく丸二日間くらい猛特訓を受けました(笑)。だけど、それきり人形とは何の関わりもなく、結局人形を使うと決まったのも、けっこう後になってからでした。
――完成形がなくて、日々変化していくのがサイモン作品の特徴ですが、まさにそうだったんですね。
公演が始まってからも変化しましたし、サイモンは初日にお客様に挨拶した時も「これはまだ創っている過程だから、お客様も一緒にそれを楽しんで、その過程に参加してほしい」と言っていて。ずるいですね(笑)。でも、確かに、生きている人間がやっているのだから、変化して当たり前ですよね。だから、本番で感じるプレッシャーが全くなくて、今まで演じていた気持とは違う感覚でした。本当に何もないところからスタートしている感じがして。皆で手を取り合って創ったという気持ちがそうさせているのか、不思議な感覚。毎日、即興のようなことをしていたので、何があっても大丈夫と思えるのかもしれせん。サイモンと作業をしたことで、何でもできないことはないと思えるというか、逞しくなれた気がします。
――印象に残っているサイモンの言葉はありますか?
いろいろありますが、「舞台袖に隠れないで、常に舞台上にいてくれ」と言われたことです。ずっと生きている存在として、その場にいてほしいということなんですが。そこにいる根拠を自分で考えなければいけないんですね。自分の役が終わったから終わりではなくて、自分でできることを見つけてやるということが、新鮮でした。
――春琴という役については、どう考えていらっしゃいますか?
春琴はどういう人物なのか、佐助はどういう人物なのかということも、皆で分析しながらやっていたので、春琴という役を客観的な目でとらえていた気がします。それは人形を動かす上でも役に立ちました。
春琴は、とても複雑な役だと思うんですね。生い立ちもそうですし、とても孤独でミステリアスな女性で。いかにも「演じます」というやり方では面白くならないかもしれないと、創っていて思いました。サイモンの演出の素晴らしさを改めて感じました。
――再演に向けての心の準備はいかがですか?
「再演」ということ自体が私は初めてのことなので、自分がどうなるのか楽しみです。
キャストが少し変わりますし、きっとサイモンは初演と違うことをやるはず(笑)。私もまた新しいものを創る気持ちです。ロンドン公演も初めてなので、どうなるのか、まだピンと来ない(笑)。でも良いものにできるように頑張りたいと思います。
(2008年12月 聞き手:沢美也子)
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「世田谷パブリックシアター上演作品レクチャー2009 Feb-Mar」情報
劇場ツアー情報
[演出] サイモン・マクバーニー
[出演] 深津絵里、チョウソンハ/
立石凉子/内田淳子、望月康代、麻生花帆、瑞木健太郎/高田恵篤、下馬二五七
/本條秀太郎(三味線)
2009年3月
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出演:本條秀太郎/高田恵篤/【聞き手】野村萬斎(世田谷パブリックシアター芸術監督)
※開催日のチケットをお持ちのお客様のみご覧いただけます。
※上演時間約1時間50分(休憩なし)予定
※当日券は、各回開演の60分前より、キャロットタワー3階 劇場入口右手の当日券ボックスにて販売いたします。座席チケット終了後は、立ち見のご案内となります。
★=英語字幕付上演
※未就学児童はご入場いただけません。開演後は本来のお席にご案内できない場合がございます。予めご了承ください。
TSSS各一般料金の半額
友の会会員割引 S席7,000円
せたがやアーツカード会員割引 S席7,200円
劇場チケットセンター | 03-5432-1515 パソコン(要事前登録) 携帯:http://setagaya-pt.jp/m/ |
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TSSS (TOYOTA Student Support at SePT) |
(要事前登録。24時間受付) |
電子チケットぴあ | 0570-02-9999(Pコード:391-140) http://pia.jp/t/ |
イープラス | http://eplus.jp/ |
ローソンチケット | 0570-000-407(オペレーター) 0570-084-003(Lコード:33347) http://l-tike.com/ |
世田谷パブリックシアター、シアタートラムとも車椅子のままご観劇いただける車椅子スペースがございます。定員に限りがございますので、ご利用にあたり予約が必要です。
【料金】:該当エリアチケット料金の10%割引【付添者は1名まで無料】
【申込】:03-5432-1515 劇場チケットセンター
ご利用希望日の前日の19時まで受付けますが、定員になり次第締め切らせていただきます。お早めにご予約ください。また、お座席でご観劇になる場合も、スムーズにお席にご案内させていただきますので、予め劇場までご連絡ください。
世田谷パブリックシアター、シアタートラムで行われる、前売入場券を販売する公演では基本的に託児サービスがございます。
【料金】:2,000円(1名につき)
【対象】:生後6ヶ月以上9歳未満
【申込】:03-5432-1526 世田谷パブリックシアター
ご利用希望日の3日前の正午まで受付けますが、定員になり次第締め切らせて頂きます。お早めにご予約ください。また、障害のあるお子様についてはご相談ください。
委託:キッズルーム・てぃんかぁべる三茶
劇場チケットセンター 03-5432-1515